Dr.聡のコラム

妊娠と葉酸

2017年01月24日

葉酸が胎児の神経管閉鎖障害(二分脊椎)の発症率を低くするということで、欧米では1990年はじめより認識されはじめ、1998年アメリカでは葉酸のサプリメントを摂取することを勧告されましたが、2001年の調査によりその効果が発表されたことにより葉酸の重要性が世界的に認識されるようになりました。
我が国においても、平成11年度の厚生科学研究において、我が国の神経管閉鎖障害の発症率が増加傾向にあることが報告されたこと、さらに今後食生活の多様化による食物摂取の個人格差のため葉酸摂取量の不十分な人が増加する懸念もあることなどから、我が国の現状を踏まえた葉酸の摂取による神経管閉鎖障害の発症リスクの低減の可能性について検討する必要性が認識されるようになってきました。平成12年に厚生省から神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供についての通達がなされるようになり現在に至っています。しかしながら、その後ずいぶんと時は経ていますが、まだその葉酸の重要性の認識はそれほどではないように思われます。
一般に栄養素は摂取後すぐにその効果は出ないため妊娠時に必要な栄養素や不足しがちな栄養素は、妊娠前から摂取しておくことが大切だと言われています。中でも葉酸は、妊娠1ヶ月以上前からの摂取開始が推奨されています。これをみた皆さんは、妊娠してから始めたら遅いのではと思われたかもしれませんが、今からでも遅く有りませんので今からでも始めましょう。
また、最近の研究では神経管閉鎖障害だけでなく、その他の胎児異常の発生率低下の効果や、早産予防の効果、そして妊娠中のお母さんの貧血の改善やその他の妊娠中の合併症の予防にも効果があるとの研究結果もでていますので、妊娠において葉酸が重要であることがわかります。
妊婦(18歳以上)が推奨されている葉酸の摂取量は480μgといわれていますが、現代社会の食生活で、実際に食事から摂取されている葉酸は推奨量の半分以下と言われており、食事のみでは摂取するのは困難であるため、サプリメントとして葉酸をとっていただくことが奨められています。
決められた量を守ってサプリメントを取っていただければ安心です。サプリメントによっては、含まれている栄養素のなかには妊娠中には多い量が含まれていたりしますので、ご心配な方は妊婦健診時に医師に御尋ねください。

葉酸のお話は当院のキラキラ妊活コラムでも取り上げていますので、併せてご覧いただけると幸いです。

日本産科麻酔学会学術集会に参加いたしました

2016年12月05日

平成28年11月26日(土)に都内の都市センターホテルにおいて第120回日本産科麻酔学会学術集会が開催されました。全国から産科医、麻酔科医、助産師、看護師が集い、無痛分娩、帝王切開、産科救急など産科麻酔に関わる話題について討議する学会です。
東京マザーズクリニック開院以来、毎年この学会で発表しておりましたが、今回もクリニックから3題を発表しました。私と麻酔科医の柏木先生、そして助産師の藍畑さんの3人です。
 また今年は、広島の本院のひさまつ産婦人科医院から理事長と助産師スタッフ2人の3名も参加していただきました。
私の発表は、シンポジウムのテーマ「無痛分娩の効用と合併症」のなかで、課題演題として「麻酔開始後の胎児徐脈、母体発熱」の演者としてご指名いただきました。無痛分娩にも若干の合併症がありますが、その合併症のなかでも、現在注目されているものとして胎児徐脈と発熱があります。その原因と対処法について発表しました。
 クリニックの麻酔科医の柏木先生は無痛分娩から緊急帝王切開術を行う方法として二つの方法の比較をした研究発表を、助産師の藍畑さんは無痛分娩後の排尿障害のケアについて研究発表を行いました。二人とも優秀演題として大川賞候補5題のなかに選出されましたなかでの発表でした。とてもすばらしい研究内容で多くの先生方から質問をいただき、発表内容に大変興味をもっていただくことができました。
今年は残念ながら大川賞をいただくことはできませんでしたが、みんな達成感にみちた表情で、その後の打ち上げパーティーでは美味しいお酒とお寿司をいただきながら盛り上がりました。
そして、よりよい医療を妊婦さん皆さんに提供できることを目指し、来年もさらに研究をつづけていくことをスタッフ皆で語らいました。
 

第19回広島産婦人科超音波研究会に出席してまいりました

2016年08月01日

平成28年6月30日に広島にて第19回広島産婦人科超音波研究会が開催され、その研究会に講演演者として出席いたしました。
私の発表演題は「胎児超音波スクリーニング —特に初期スクリーニングについてー」でした。
最近では新型血液検査が話題になっておりますが、この検査は胎児疾患のうちごく限られた病気についてのみの検査になりますが、超音波スクリーニング検査では妊娠初期から胎児の多くの情報を得ることができ、妊娠初期から心疾患をはじめ、その他の胎児の病気についても検査することが可能です。もちろん全ての病気について調べることが可能ということではありませんが、より多くの病気について知ることにより、病気によっては胎児治療が可能であったり、出生直後より治療が必要となるものであったり、その病気について知ることができ、より良い医療を赤ちゃんに受けてもらえるように考えることが可能となります。最近では再生医療もどんどん進んできていますので、将来的にはお腹の赤ちゃんに対しても再生医療で治療が可能となる日も近いかもしれません。
超音波検査は産科領域において日常診療でかかせない検査となっておりますが、どんどん進歩してきていますので、海外の最近の動向や東京マザーズクリニックでの超音波スクリーニング検査について発表させていただきました。
研究会は参加者も多く、症例検討会も行われるなど、参加者の皆さんも大変熱心でした。
久しぶりの広島への帰省で、多くの先輩、後輩の先生方にお会いでき懐かしく思いました。

日経Dualの記事掲載

2016年01月28日

日経dual (働くママ&パパに役立つノウハウ情報サイト)の1月20日の記事に
無痛分娩に関する話題が掲載されています。
高齢妊娠の方、無痛分娩か自然分娩かで悩んでいる方、これから妊娠を考えている方の参考となればと思います。
一度記事をお読みになってみてください。
無痛分娩についてのご質問等ございましたら遠慮なくクリニックまでお問い合わせください。

学会賞(大川賞)受賞

2015年12月05日

平成27年11月28−29日に東京都内で第119回日本産科麻酔学会が開催されました。毎年行われる学会で、全国の産科医、麻酔科医、そして産科医療に携わる助産師や看護師が集まり、無痛分娩、帝王切開、産科救急に関する議論が活発にかわされる学会です。
今回、私は無痛分娩に関する発表を行い、光栄にも学会賞(大川賞)をいただきました。大学病院や名だたる病院からも発表されるなか、クリニックからの発表が評価されることは大変光栄であるとともに、これまでの東京マザーズクリニックの歩みを評価されたものと大変感謝しております。

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第119回日本産科麻酔学会 大川賞 表彰状

今回の私の発表では、無痛分娩において帝王切開や器械分娩となる因子(原因)を探るという目的で研究を行いました。研究の結論から申しますと、帝王切開や器械分娩の原因は、無痛分娩に関わる影響よりも、自然分娩と同様な原因が帝王切開や器械分娩に影響しているということがわかりました。特に強く影響している因子として、お産の経験の有無、妊婦さんの身長や体重、赤ちゃんの出生時体重でした。麻酔による影響や誘発分娩による分娩管理、また妊婦さんの年齢は影響しておりませんでした。また器械分娩は自然分娩と比較してやや高い割合でしたが、帝王切開の割合は自然分娩の帝王切開の割合と同程度でした。
研究から言える事は、無痛分娩も自然分娩と同様な原因が帝王切開や器械分娩に影響していることが多く、高齢妊娠の理由で無痛分娩が帝王切開や器械分娩に影響するということを過度に心配する必要はないということです。そして分娩のリスクを下げるためには、妊娠中から妊婦さんの体重管理が重要だということです。当クリニックでは栄養士が食事指導を行い、妊娠中の健康管理に力を入れておりますので、今後さらにこれらのリスクも減ってくるものと考えています。
海外では一般的になってきている無痛分娩ですが、日本でも最近では無痛分娩を希望される妊婦さんが増加してきています。しかし無痛分娩に関して不安が強く、無痛分娩に興味はあるが結局自然分娩を選択される妊婦さんも多いかと思います。今回の研究の結果から無痛分娩に興味を持っていただける方が増えていただける事を願っています。
 また、今回の学会では東京マザーズのスタッフも発表いたしました。産後の痛みのコントロール方法と母乳育児への影響に関する研究を行い、産後の痛みのコントロール方法により母乳育児を妨げなかったという発表をいたしました。我々クリニックでは分娩中の疼痛コントロールだけでなく、産後の痛みのコントロールにも力をいれております。
東京マザーズクリニックは開設以来、毎年産科関連の学会での発表を行っています。これからも妊婦さんにより質の高く、満足度の高い医療を提供していくために、我々の研究結果から多くを学び医療現場にフィードバックしていきたいと考えております。
また、これから妊娠を考えていらっしゃる方、分娩方法を悩んでいる方で無痛分娩に関するご質問がありましたら遠慮なくクリニックにお越しください。ご不安になっている質問にお話させていただきます。

当院の無痛分娩についてはこちらのページでもご覧いただけます。

胎児ドック専用回線

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