Dr.聡のコラム

無痛分娩に関する報告について

2017年04月27日

今年の日本産科婦人科学会において、我が国の7年間の妊産婦死亡298例中13例(4.4%)が無痛分娩であったとの報告が発表されました。
この発表を受け、後日ニュースでこの話題がとりあげられておりますが、記事の内容から無痛分娩が危険であるような印象を受けた方が多いのではないでしょうか。
298例中13例(4.4%)が無痛分娩例でありましたが、このうち1例は麻酔が原因と考えられ、他の12例の死亡原因は出血、羊水塞栓など自然分娩の妊産婦死亡例の原因と同じものであり、これから無痛分娩だから危険であるというものではないと考えられます。
また最近では無痛分娩が増えており、現在およそ8〜10%の妊婦さんが無痛分娩で出産されていると言われています。298例中13例(4.4%)の妊産婦死亡例の頻度は、無痛分娩の割合から考えても、無痛分娩が危険であるとは言えないと考えます。
たしかに麻酔によると考えられる妊産婦死亡例が1例ありましたが、麻酔を行えば合併症のリスクは少なからず必ずあります。これは無痛分娩に限らず、他科の領域の麻酔や、また医療行為そのものにおいても同様です。
私たちは医療を行う上で合併症のリスクをなるべく少なくし、そして合併症が生じた場合の対処を適切に行うための努力と経験が必要と考えます。そのためにも日頃からスタッフ間でのシュミレーションや勉強会などによる研修を行い、体制を整えることも重要です。
無痛分娩が特別に危険なものと捉えられないように願うばかりです。

余談になりますが、我が国の妊産婦死亡の割合は2016年WHO世界保健統計では10万出産に5人でした。この数字は世界的にもトップクラスで、他の先進国であるフランスが10万出産に対し8、イギリスが9、アメリカは14、一方でアフリカ諸国では10万出産に対し500〜800人でした。
世界からみた日本の周産期医療はとても優れていて、世界でも出産を安全にできる国だと思います。

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