母乳育児を支える

映画『汚れたミルク』

2017年03月08日

こんにちは!最近は暖かい日も増えてきて外に出るのも楽しい季節になってきましたねsun
花粉症が辛い季節でしょうか…?cherryblossom

前回の液体ミルクに続き、今回もミルクのお話です!
映画『汚れたミルク』の紹介ですmovie

汚れたミルクポスタ.JPGのサムネイル画像



-1997年。ある大手グローバル企業が、パキスタンで粉ミルクを強引に販売したことによって、不衛生な水で溶かしたミルクを飲んだ乳幼児が死亡する事件が発生。
セールスマンのアヤンは、自ら販売した商品が子どもたちの命を奪っていることに気づき、世界最大の企業を訴えようとする-

実際に起きた出来事をもとに作られた映画です。
日本の公開が世界初となり話題の作品ですが、大手企業を題材としていためスポンサー問題を理由に映画の紹介がNGとなっていることが多く、ご存知の方は少ないかもしれません。

新宿シネマカリテ、横浜シネマ・ジャック&ベティなどで3/4より公開されています。
興味のある方はぜひ見てみてください!

災害時における液体ミルクの利点とリスクと不利点

2017年02月28日

あっという間に2月も終わりですね。
たまに暖かくなる日もあって、春cloverが近づいてきているのを感じます。

先日25日、26日に京都で開かれた、第14回 IBCLCのための母乳育児カンファレンス(Annual Breastfeeding Conference for IBCLC:ABC)に参加してきました。
ABCとは、年に1度IBCLCだけが集まって、最新の母乳育児支援について学ぶ学習会です。
2日間京都にいたのですが、観光する間もないほど、母乳育児支援について学んできましたのでご報告しますwink

今回は、「災害時における液体ミルクの利点とリスク・不利点」についてお話します

液体ミルク・・・みなさまご存知でしょうか?
日本では認可されていないので、知らない方も多いかもしれません。
海外では、自販機などでも売っていて、簡単に手に入るそうです。
人工乳を使用したことがある方は、なぜそんな便利なものが日本にないのだろう?と不思議に思うかもしれません。

日本では、2011年東日本大震災のとき、2016年熊本地震のときに、フィンランドから緊急輸入され使用されていました。
災害時は、粉ミルクを調乳するためには、きれいな水、水を沸かすための電気やガス、哺乳瓶や、乳首などを消毒するためのものなど、
物資が必要になります。
そんな時に、液体ミルクがあると、調乳するための支援が確立するまでの間は、健康上のリスクを最小限にできるかもしれないと考えられているようです。

 災害時における液体ミルクの利点

◇製造過程で高温滅菌されており、70℃以上の湯での調乳が不要
 (粉ミルクは、サカザキ菌の混入を防げないため70℃以上の湯での調乳が必要。また、粉ミルク以外の牛乳・イオン飲料水などは乳児には、
  電解質濃度の異常をきたす危険性がある)
◇常温で保存可能な製品や、乳首がついている製品もあるので、開封してすぐに与えることができる

 災害時における液体ミルクのリスクと不利点

◇液体ミルクは、粉ミルクよりも細菌が繁殖しやすく、攪拌が不十分な場合濃度の差が出る
 (不適切かつ衛生的でない使用方法により乳幼児が重症の下痢を起こすかもしれない)
◇人工乳首付きでない場合、哺乳瓶、乳首の消毒が必要(物資がさらに必要)
◇人工乳首付きの場合、ゴミが増える
◇製造過程の高温滅菌で焦げるため、風味が粉ミルクより劣る

利点と不利点をしっかり知ったうえで、使用する必要があることを学びました。


参考文献
第14回 IOCLCのための母乳育児カンファレンス 資料集

国際ラクテーションコンサルタント(IBCLC)

2017年01月18日

1月に入り、とても寒い日snowが続いておりますが、体調など崩されていませんでしょうか?

今日は、国際ラクテーションコンサルタント(IBCLC)についてお話いたします。
IBCLC、IBCLC、IBCLC・・・

みなさまご存知でしょうか??
たぶん知らない方がほとんどだ
と思います。私も、助産師5年目の時に初めて知りました。

以下、IBCLCの説明を、日本ラクテーションコンサルタント協会の公式HPより抜粋いたしました。

 IBCLCは、母乳育児を成功させるために必要な、一定水準以上の技術・知識・心構えを持つヘルスケア提供者です。
IBCLCは予防的なヘルスケアに焦点を当て、産前・産後を通して自分でできる対処法(セルフ・ケア)を促し、母親が自分で意志決定をするよう励まします。また、病院、診療所、地域、開業などのさまざまな立場で問題解決法を用いてアプローチし、適切な情報提供や提案、適切な場への紹介を行ないます。
 IBCLCの資格は、アメリカに本部を置くラクテーション・コンサルタント資格試験国際評議会(International Board of Lactation Consultant Examiners:IBLCE)が1985年から毎年実施している全世界共通認定試験に合格することによって得られます。2015年末で世界102カ国に28,105人、国内では994人のIBCLCが、さまざまな母乳育児支援の場で活躍しています。この資格は、看護師、助産師、保健師、医師、ソーシャルワーカー、栄養士、理学療法士、教育者等の専門職をはじめ、母乳育児支援経験と確実な知識体系を持つ非専門家にも広く門戸が開かれています。IBCLCは、IBCLCの「職務行動規範」と「業務範囲」「臨床能力」に基づき、適切なアプローチや情報提供などの業務を行います。

このように、IBCLCとは、母乳育児支援の専門家です。
私は、2011年にこの資格試験に合格し、昨年5年目の再認定を無事に終え、今年からまた5年間IBCLCと名乗ることができます。
国際資格なので、助産師としては海外で働くことはできませんが、IBCLCとしては働くことができるんですよ。(海外で働く予定はありませんが・・・笑)

そして、昨年クリニックに、もう一人のIBCLCが誕生shineいたしました。
昨年の試験は難しかった・・・と噂でしたので、合格した彼女は本当に凄いと思いますsign03
さらに、今年試験を受けようと頑張っているスタッフがもう一人いますので、来年にはこのクリニックにIBCLCが3人になっていることでしょsmile

資格を持ち名乗ることで、責任が生まれます。
これからも、さらに知識、技術を身に付け、みなさまに母乳育児について正しいことをお伝えしていていけるよう、今年もがんばっていきます。

周りの声

2016年12月22日

こんにちは。
すっかり街はクリスマスxmas一色ですね。
クリニックのテラスにも、立派なクリスマスツリーがキラキラshineと輝いています。


さて、今回は前回のテーマの「母乳不足感」と関連したお話です。

赤ちゃんが泣いていると、周りから

「お腹が空いているから泣いてるんじゃないの?」
「おっぱい足りないから泣いているんじゃないの?」 というような声が聞こえてくることがあるかもしれません。

そんな赤ちゃんを心配する周りの声は、時にママたちを悩ませる原因になることがあります。

赤ちゃん(特に、新生児)は、よく泣きます。
大人は、泣く=お腹が空いている=可哀そう・・・と考えることが殆どです。
しかし、赤ちゃんは、泣いているのはお腹が空いているときだけではありません。

寒い時、暑い時、おむつが汚れている時、機嫌が悪い時など、まだおしゃべりができないので、全て泣いて教えてくれます。
泣いている赤ちゃんをみると、こっちまで泣きたくなるくらい悲しい思いをするママや、ご家族がいますが、
そんな時は、赤ちゃんに声をかけて、おむつを確認したり、抱っこしてあやしてあげてくださいconfident

母乳の成分は、人工乳とは違い、赤ちゃんの胃や腸に優しいため、消化が速く(約90分ほどと言われています)、赤ちゃんは大人と違って、満腹中枢もまだ未発達です。
お腹がいっぱいになっている感覚はわかりません。
そのため、量は足りているのに泣き続けておっぱいを欲しがる赤ちゃんはたくさんいます。

赤ちゃんはおっぱいを吸う時に、自分で欲しい量を調整することがあります。
そうすることで、お腹がいっぱいの感覚や、自分に必要な量がどのくらいなのかを学習しているともいわれているんですよ。

なので、泣いたからといって、「おっぱいが足りていない」という訳ではないことがあります。
お腹はいっぱいで必要がないのに、泣いているからといって人工乳を足していると、体重が増えすぎてしまいます。

人工乳は飲みすぎると脂肪に変わり、欲しくないのにあげてしまうことで満腹中枢や必要な量を学習することを妨げてしまいます。
そうすることで、小児肥満になりやすいことがあるのであげすぎは禁物ですよ!

じゃあ、母乳もあげすぎになるのでは?と思った方、大丈夫です。
母乳は、先ほど言ったように、赤ちゃんが量を調整すること、また人工乳とは違っていずれ筋肉に変わるといわれています。
そのため、飲みすぎたとしてもあまり問題はありません。

ご家族や、周りの方に「足りていないんじゃないの?」と言われて困っているママたち、上記のことをぜひご家族へお伝えください。
伝えづらい時や、「本当に足りていなかったらどうしよう・・・」と不安になった方は、ぜひ、ご家族と一緒に母乳外来にお越しください。

本当に足りていないのか一緒に確認することで、みなさんも、ご家族も安心して頂けると思います。

母乳をあげたいと思っていること、あげていることが、赤ちゃんのためになっています。
自信を持ってくださいね。

自信を持って母乳育児ができるよう、スタッフ一同精一杯支援させていただきます。

母乳不足感について

2016年11月20日

こんにちは!
寒さが厳しくなり、楽しいクリスマスや年末年始の忙しい時期が近づいてきましたねxmas
みなさまいかがお過ごしでしょうか?

今回は母乳不足感についてのお話です。

新生児期から授乳をはじめ、数週間が経ちようやく母乳育児が軌道にのってきたかな♡と思い始めたころに
・おっぱいが張らなくなってきたsign01
・授乳をしても赤ちゃんが泣き止まないsign01
・赤ちゃんのうんちの回数が減ってきたsign01
・赤ちゃんが指や手を吸うようになったsign01
…というような経験したことはありませんか?

このようなことが起きると、今まではおっぱいだけで満足していたけど、
母乳の量が減ってきて足りなくなってしまったのかな?
人工乳をあげたほうがよいのかな?と感じてしまう方もいらっしゃると思います。
このような感覚を母乳不足感といいます。
赤ちゃんが泣いているからかわいそう…
ご家族から人工乳の使用を促される…
などの理由によって、できることなら母乳を頑張りたいけれど
赤ちゃんのために人工乳を使用される方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、母乳不足感がある=母乳が足りていない訳ではないのです!!

ではなぜ母乳不足感が起こるのでしょうか?
一般的に、産後数週経つと乳房の張りは少なくなると言われています。
しかし乳房の張りが少ない=母乳分泌が減っているのではありません。
この時期は母乳を分泌すればするほど母乳量が増えるといわれています。
そのため、乳房の張りがないため「足りない!」と思って人工乳を飲ませてしまうと、
その分母乳を飲む量が減ってしまう→その結果、母乳の分泌量が減ってしまう。
ということになってしまうかもしれませんdanger

赤ちゃんは生後2~3週頃生後6週頃生後3か月頃
飲ませても飲ませても泣き止まない時期があります。
これは赤ちゃんがぐーんと成長する時期でたくさんの栄養を必要とすることなどから
一般的に授乳回数が増える時期といわれています。
赤ちゃんが欲しがるタイミングで授乳をしたり、泣き止まない時は抱っこしてあやしてあげたり、
赤ちゃんのお腹をやさしくさするなどすると落ち着くことがあるかもしれませんwink

また赤ちゃんは生後数週間を過ぎるとお腹でうんちを貯めるようになり、うんちの回数が減ってきます。
(なかには数日に1回しかうんちをしない赤ちゃんもいます。)
うんちの回数が減ることがあっても、母乳不足によるものではないといわれています。
母乳で育っている赤ちゃんによく起こることなのです。

さらに赤ちゃんは生後1ヶ月過ぎから指や手を口に入れて吸うようになりますが、
これは正常な発達段階における行動であるため、母乳不足のサインではありません。

母乳不足感により、母乳育児の自信をなくしてしまうママもいるかと思います。
赤ちゃんの行動には母乳不足以外にも様々な理由があり、
正常に発育・発達している証拠であることもありますshineshine

今回記載したケース以外にも、母乳不足かな?と感じることがあれば
ぜひ母乳外来にご相談にいらしてください。
赤ちゃんの体重の増え方や母乳分泌の状態を拝見し、根拠に基づいた提案をいたします。
場合によっては人工乳を使用せずに母乳育児を続けられることがあるかもしれません。

みなさまの母乳育児に関する不安が少しでも解消できるようにお手伝いさせていただきますsunconfident

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