院長と麻酔科医の無痛分娩あれこれ

2021年7月の記事一覧

産科危機的出血への当院の対応

2021年07月26日

自然分娩でも無痛分娩でも時として出産時、出産後に大量出血になってしまうことがあります。当院では日本産婦人科学会、日本産婦人科医会、日本周産期新生児学会、日本麻酔科学会、日本輸血細胞治療学会が出した『産科危機的出血への対応指針』に従って、出血への対応を行っております。この指針について少し解説します。
出産時の出血は正確に出血量を把握することが困難とされており、指針にあるように『SI』が出血量の評価基準となります。『SI』は『心拍数/血圧』で数字が高いほど出血量が多いと判断されます。そのため、出産直後は定期的に血圧や心拍数の評価を行います。
『SI』が1以上であった場合、静脈路の確保やバイタルサインの確認、止血剤投与などを行います。
多くの場合はこれらの処置で問題ありません。
非常に稀に出血が持続する場合があり、この場合連携する施設への搬送が行われます。搬送先でより高度な止血、輸血などを行い、お子さんと一緒に退院できるように最善をつとめます。


産前も痛くないように~その3~

2021年07月19日

前々回、前回と点滴の痛み、背中の麻酔の痛みへの対応をお話ししました。今回は診察の痛みの対策をご紹介します。
外来では実はこの痛みを心配される方が結構いらっしゃいます。
診察の痛みは診察以外にも頸管が開いていない場合などに翌朝までに頸管が開くように風船を入れる処置を行うことがあります。頸管が開くということは赤ちゃんが通る産道の入り口が開くということなので、順調な出産経過を行う上で必要不可欠な処置となります。
処置自体は1分もかからずに終わることがほとんどであるため、通常特別な対応(麻酔)は致しません。しかし、どうしても受けることが怖い場合や強い不安がある場合は産婦人科医にご相談ください。必要に応じて適宜対応いたします。


産前も痛くないように~その2~

2021年07月12日

前回は点滴の痛みについてお話ししました。
今回は背中の麻酔の痛みへの対策をご紹介します。
まず、硬膜外カテーテルを入れるための針(硬膜外麻酔針)を刺す前に、この針のための麻酔をします。この麻酔の針は直径約0.5mmの非常に細い針です。点滴の針は約0.9mm、採血の針は約0.8mmなので、非常に細い針です。この針から局所麻酔を入れながら針を進めて、この後に刺す硬膜外麻酔針が入る範囲に十分局所麻酔薬を散布します。すると、そのあとの硬膜外麻酔針は押されたり、少し鈍痛は感じますが、針が刺されたような感覚はなくなります。
背中に針を刺すというと、『痛そう』、『怖い』と考えてしまいますが、十分に配慮し、できるだけ痛くないようにしますのでご安心ください。
次回に診察の痛みへの対策についてお話します。

産前も痛くないように~その1~

2021年07月05日

前回は産後の痛みを取り除くお話をしました。今回は出産前の痛みを取り除く方法についてお話します。今回のお話は計画分娩を想定してお話しします。
入院してから陣痛が起こるまでの間に起こる痛みとしては点滴の痛み、背中の麻酔の痛み、診察の痛みが考えられます。どれも出産の痛みに比べれば軽微なものですが、外来でお話を伺うとこれらの痛みに関しても不安な妊婦さんもいらっしゃるので、どのような対応をするかについて解説します。
まず点滴の痛みに関してはペンレステープというシールを張ることで、皮膚の痛みを取り除くことができます。多くの場合、これで痛みを和らげることができます。陣痛や破水入院などでシールを張る時間がない場合などはシールを張らずに点滴を行う場合がございますのでご了承ください。
私も注射は大の苦手で、注射の時は必ずと言っていいほどこのシールを使います。効果はかなりあると感じています。
次回以降で残りの背中の麻酔の痛み、診察の痛みの対策をご紹介します。

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