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妊娠・出産・子育ての役立つ情報

母乳育児を支えるの記事一覧

ニップルシールドについて

2018年11月29日

こんにちは
本格的に寒くなってきましたね。
体調崩されていませんか?

今回はニップルシールドのお話です。
産科や助産院などでニップルシールドの使用をすすめられたり、
周りでニップルシールドを使用したと聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

では実際にどんなときにニップルシールドを使用するとよいのか?
どのような製品を選べばよいのか?
使用上の注意が必要なポイントなどを説明します。

ニップルシールドはどんな時に使用するのか?
ニップルシールドは母乳の分泌が十分あるにも関わらず、
適切な抱き方や含ませ方を行ってみても、
赤ちゃんの口が小さかったり、吸う力が弱い場合や、乳頭の形によって
乳輪部までしっかりと吸いつくことが難しく赤ちゃんが直接母乳を飲みとれない場合に使用します。

ニップルシールドの選び方
市販されているニップルシールドは材質・形がさまざまなものがあります。
薄いシリコン製のニップルシールドを使用した場合、赤ちゃんが乳首を吸う時間や
母乳量を増やすためのホルモンの分泌が直接授乳したときと同じようになると報告されています。
反対に赤ちゃんが口に含む部分に厚みのあるもの、ラバー製のもの、
哺乳瓶に使用する人工乳首のような形のものは赤ちゃんが母乳を飲みとる量を減少させてしまうので、
ニップルシールドは下の写真のような薄いシリコン製のものがおすすめです。

ニップルシールド使用上の注意点
・痛みがある時に使用しない
市販されている製品によっては“乳頭のキズや痛みがある時の乳頭保護目的”と記載されている場合もありますが、
乳頭の痛みを緩和させるために使用するものではありません。
キズや痛みがある時にニップルシールドを使用することで、症状が悪化してしまうことがあります。
痛みがある時は抱き方や含ませ方を見直してみることが大切です。
またニップルシールドを使用して痛みが出る場合も使用を控えましょう。

・使用開始は母乳が十分に出るようなってから
母乳の分泌が少ない時期からニップルシールドを使用すると赤ちゃんの飲みとる量が少なくなり、
母乳の生産量が増えなくなってしまいます。
十分な分泌量とは…?赤ちゃんが必要とする量の分泌がある
(一般的に生後2日以降といわれていますが、分泌が増える時期は個人差が大きいです。)
分泌が少ない時期は電動搾乳機などを利用して乳頭の刺激を行い分泌を増やしましょう。

・専門家のアドバイスの元で使用しましょう
ニップルシールドは市販で購入できるので、簡単に入手することができますが、
使用方法によっては逆効果の場合もあります
またニップルシールドは一時的に使用するもので、最終的にはニップルシールド使用せずに直接母乳を飲みとれるよう
定期的に助産師・看護師に授乳の様子をみてもらい、アドバイスをもらいましょう。
ニップルシールドが必要だと思った場合でも、助産師・看護師のアドバイスにより
抱き方や含ませ方を見直すだけで使用せずに直接授乳ができるかもしれません。

次回はニップルシールドの使用方法をお伝えします

文責 院長

黄疸と母乳育児②

2018年10月25日

最近、急に朝晩が寒くなり、日中も風が冷たく感じます。
そろそろインフルエンザ対策が必要な時期ですね。
私も早速ワクチンを接種しました

さて、今回は、先月の続きです。
「黄疸と母乳育児」についてお話していきます。

先月、黄疸と母乳育児は切っても切り離せない関係だとお伝えしました。
赤ちゃんが生まれてから2日目くらいの間に出る母乳のことを初乳といいます。

この初乳は、赤ちゃんにとって良い作用が沢山ありますが、その一つに、
赤ちゃんがお腹の中でためてきた胎便を排泄させる作用が含まれています。

この胎便が排泄されることで、治療が必要な「黄疸」になりにくくなります。

そのため、生まれてから、赤ちゃんが欲しがるたびに授乳するということが必要です。

母乳は、赤ちゃんが生まれてすぐにたくさん出てくるわけではありません。
全く出てこない人もいます。

しかし、以前お話ししたように、生まれてから赤ちゃんが欲しがるたびに
授乳をする(具体的には、24時間以内に8回以上)ことで、母乳は作られ、出てくるようになります。

以前、母乳と黄疸について研究した結果、人工乳を飲んでいたとしても、
初乳を飲んでいる赤ちゃんの方が「黄疸」になりにくいという結果が出ました。
やはり、母乳の力はすごいです!

治療が必要な「黄疸」を防ぐためにも、生まれてすぐから、赤ちゃんにたくさんおっぱいを吸ってもらいましょう

文責 院長

黄疸と母乳育児①

2018年09月30日

秋雨前線と台風の影響で、毎日憂鬱な天気が続いておりますが、
みなさん体調崩されていないでしょうか??

先日、東京エリアのIBCLCが年に一度集まる勉強会に参加してきました

今年のテーマは「黄疸」でした。
小児科のDr、助産師、看護師など、様々な病院や施設で働く専門家に会える貴重な機会です。

まずは、小児科のDrから「黄疸」についての講義、その後グループごとに3例の症例検討を行いました。
半日の研修でしたが、時間があっという間に過ぎていくほど充実した時間となりました

そこで、今回のブログのテーマは「黄疸と母乳育児」です。
黄疸と母乳育児は切っても切り離せない関係にあります。

まずは、今回は赤ちゃんと黄疸についての関係をお伝えしていきます。

生まれたばかりの赤ちゃんは、「生理的黄疸」といって病気ではなく黄疸になりやすいです。
なぜ黄疸になりやすいかというと・・・

 ①生理的に多血で、大人より赤血球が早く壊され、ビリルビンが増えてしまう
 ②肝蔵の機能が未熟でビリルビンを分解するのが少し上手じゃない
 ③お腹の中にいたときにビリルビンは腸に再吸収されていたのでその機能がまだ残っている
 ④脱水になると血液が濃くなりビリルビンの濃度が濃くなり、排泄が滞る

そして、母乳はお母さんの血液から作られていますので、それによって
黄疸になりやすくなるお子さんもいます。
また、日本人は黄色人種のため、元々黄疸になりやすい人種です。
アジア人の赤ちゃんの約3割は「黄疸」になると言われています。

そのため、黄疸にならないようにするというよりは、「生理的な黄疸」の安全な範囲か
どうかの見極めが肝心なのです!

「生理的黄疸」は、一般に、生後2~4日目に現れ、1~2週間以内には消失するものですが、
一定の基準を超えると治療が必要となります。

では、病的な黄疸とは・・・

生まれて72時間以内におきるものを、「溶血性黄疸」といいます
赤ちゃんと、お母さんの血液型が適合していないことや、遺伝性の疾患の可能性があります。

産院を退院したあとから起きるものを、「遷延性黄疸」といいます
甲状腺の機能や先天的に胆道に病気がある場合が考えられます。

「生理的黄疸」でも、「病的黄疸」でも、行う治療は同じです。
(程度によっては特殊な治療を行うこともあります)

いわゆる「光線療法」と言われる、赤ちゃんに光を当てる治療です。
ビリルビンは光に当たると、分解されやすくなり赤ちゃんのおしっことして排泄されます。
それによって、血液中のビリルビンが減り、黄疸が軽減します。

次回は、母乳育児と黄疸について詳しくお話していきます。

授乳姿勢 横抱き編

2018年08月30日

こんにちは
暑かったり、少し涼しくなったり、台風がきたり気候の変化で体調を崩されていないでしょうか?

今回は『授乳姿勢 横抱き編』です。
授乳姿勢というとまず横抱きをイメージされる方も多いのではないでしょうか?
みなさまにお馴染みの横抱きについてポイントをお伝えします

横抱き(このblog内では交差横抱きを横抱きと説明しています)は飲ませる側と反対の手で赤ちゃんの頭と体を背中側から支えるスタイルです。
あいている方の手で乳首が赤ちゃんの上あごに向くように、乳輪部に指がかからないようにおっぱいを支えます。
赤ちゃんが自分で口を開けるタイミングに合わせて、赤ちゃんを引き寄せて吸いつかせます。
赤ちゃんの頭の動きをコントロールしやすいので、おっぱいに吸いつく練習中の赤ちゃんや小さめな赤ちゃんに適していると言われています。
赤ちゃんの頭を強く押さえると嫌がってしまう場合もあるため、優しく支える程度にしましょう
おっぱいを飲んでいる間にママと赤ちゃんが離れてしまうと、吸いつきが浅くなってしまいます。
浅くなると乳頭痛の原因になったり、母乳を飲み取れなくなってしまうので赤ちゃんの下顎をママのおっぱいにぴったり密着させましょう。


また赤ちゃんの位置が低いと姿勢が崩れて肩こりや腰痛の原因になってしまったり、
赤ちゃんを手で持ち上げていると腱鞘炎になってしまったりするので、
赤ちゃんの位置がおっぱいと同じ高さになるようにクッションやバスタオルを使用しましょう。

授乳姿勢のお話は今回で終了です。
左右のおっぱいで違う授乳姿勢が適している場合もありますし、
おっぱいの張っている部分や、その時の授乳環境(家なのか、出先なのか)によってもいろいろな選択があります。
授乳姿勢でお困りのことがありましたら、ぜひご相談ください

文責 院長

授乳姿勢 添え乳編

2018年07月29日

毎日暑い日が続いていますね
熱中症予防気をつけてくださいね。

本日のテーマは「授乳姿勢 添え乳編」です。

新生児で添え乳ができるのとびっくりされる方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん新生児でも添え乳はできます
添え乳は、母乳で育てるママたちの、夜の必須授乳姿勢です。

また、出産後の傷の痛みがあって、うまく座った授乳姿勢がとれない方にもお勧めの姿勢ですね

添え乳の時はより、注意する点があります。
添え乳の場合、ママと赤ちゃんの間に隙間ができて、赤ちゃんが深くおっぱいをくわえられず、夜間の間におっぱいが
切れてしまったり、水疱ができてしまったりすることがあります。

添え乳の方法は2つあります。

1つ目は、横になれる環境で縦抱きを始め、赤ちゃんが吸い始めたら、そのまま横になる

2つ目は、赤ちゃんを寝かせた横に、あげたいおっぱいの方を下にして赤ちゃんと向かい合わせになるように
自分も横になり、赤ちゃんを引き寄せてあげる

どちらの方法も、上半身が斜めになるように、大きめなクッションを使うと赤ちゃんのお顔が見えていいかもしれません。
また、横になったままなので、足の間にクッションを挟むと楽に授乳ができると思います。
赤ちゃんの背中にタオルを丸めたものを置いたり、クッションを置いておくと、
お母さんと赤ちゃんの隙間ができるのを防ぐことができます。

腕枕のように赤ちゃんの頭をご自身の腕の上におくと、赤ちゃんが浅く吸いやすく、
姿勢も不安定なりやすいです。

添え乳の時も、授乳の姿勢の基本が出来ているか、赤ちゃんの首→肩→腰が
真っ直ぐになっているかを確認しましょう

添え乳で、授乳をした後はそのまま一緒に赤ちゃんとお休みして問題ないのですが、
赤ちゃんは横を向いたままだとうつ伏せになり易いので、必ず仰向けにしてから
ママは眠りましょう

文責 院長
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