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Dr.聡のコラム

妊娠糖尿病と栄養管理

2014年07月10日

平成22年9月より妊娠糖尿病の診断基準が変更され、妊娠糖尿病と診断される妊婦さんが増えてきています。妊娠糖尿病とは妊娠前には糖尿病がなかったのに、妊娠してから明らかになった軽度の血糖値の異常を示すものを言います。
妊娠糖尿病と診断され、血糖のコントロールが悪いお母さんから産まれる赤ちゃんの体重が大きくなります。また出生後に低血糖や呼吸障害を起こす可能性が高くなります。大きい赤ちゃんが産まれるため、帝王切開が必要となる割合が高くなります。また早産や妊娠高血圧症候群のリスクも高くなります。
しかし妊娠糖尿病と診断されても、その後血糖のコントロールがしっかりできれば、これらのリスクはさけられ、元気な赤ちゃんを産んでもらうことは十分可能です。そのためにも妊娠中の妊婦さんの栄養管理が重要になってきます。
妊娠糖尿病の治療の基本は食事療法です。食事療法を行っても血糖のコントロールが上手く行かない場合は、インスリンによる薬物療法を行います。
東京マザーズクリニックでは、妊娠糖尿病となった妊婦さんに対して、栄養士による栄養指導のもと食生活を整えてもらい、妊婦さん自身に毎日自己血糖測定を行ってもらい血糖コントロールしています。血糖測定は面倒なようですが、日々の食生活を血糖値から実感しやすい方法です。
また妊娠糖尿病と診断された妊婦さんの3割前後は、出産後に糖尿病になる傾向があると言われているので、妊娠中だけでなく、出産後も生活習慣を整えて行く事が重要です。
東京マザーズクリニックではよりよい母児の健康を考え、栄養管理に力をいれていますので、栄養に関するご相談やご質問がれば、遠慮なくお声をかけてください。

胎児診断の意義

2014年05月07日

胎児診断の意義は、出生前の赤ちゃん(胎児)の病気がわかることにより、赤ちゃんに最善の医療が提供できることだと思います。
胎児診断された赤ちゃんは、出生直後から治療を行うことが可能になり、生後の経過の改善につながります。胎児診断により、生直後から治療の開始が可能となり、赤ちゃんの生後の経過を左右する病気もあります。例えば心疾患をはじめ、消化管閉鎖や脊髄髄膜瘤などがあげられます。このような病気の赤ちゃんに対し、生後に内科的あるいは外科的治療を行います。
また、一部の病気に関しては、出生前にお母さんのお腹の中で治療が可能な病気もあり、これにより病気の改善あるいは赤ちゃんの容態の改善が期待でき、生育可能な時期までお母さんのお腹の中で育つことが期待できます。これは胎児治療と呼ばれるものです。
胎児治療が可能な病気は、ごく一部の病気に限られていますが、現在その有効性が世界で広く行われている病気と胎児治療法として、次のものがあげられます。

  1. 双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下レーザー治療
  2. 無心体双胎に対する無心体血流凝固術
  3. 胎児貧血(パルボウイルス、血液型不適合などによる)に対する胎児輸血
  4. 胎児胸水に対するシャント留置術
  5. 胎児不整脈に対する経母体的による内科的治療

しかし、これらの胎児治療を行えば必ず赤ちゃんの命が助かるということではなく、完璧な治療法ではないことも知っていなければなりません。しかし何もしなければ赤ちゃんの命が助からない可能性が高い病気が、胎児治療により助かる可能性が高くなりますので十分期待できる治療法です。
これらの治療に関して詳細をお聞きになりたい方は、胎児診断外来(胎児ドック)にて詳しくご説明させていただきますので遠慮なくお問い合わせください。

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東京マザーズクリニック 開院2年

2014年01月29日

2012年1月11日に東京マザーズクリニックを開院して今月で2年が経ちました。
無痛分娩と胎児診断を専門とするユニークなクリニックとして開院し、昨年はさらに多くの患者様から受診していただきました。
2013年1月~12月までの1年間でお世話させていただいた分娩件数は271件でした。その内訳は骨盤位(いわゆる逆子)や前回帝王切開術既往のための予定の帝王切開術が12件と、無痛分娩が259件(無痛分娩経過中に帝王切開術となった方も含みます)でした。

また、胎児ドックに関しては、当クリニックで分娩される患者様だけでなく、当クリニックで妊婦健診を受けていない患者様も胎児ドックを目的とした受診も多くありました。
昨年1年間(2013年)の検査件数は
NT計測   661件(うち院外:605件)
妊娠中期・後期胎児超音波スクリーニング検査  874件(うち院外:332件)
クアトロテスト   254件(うち院外:80件)
染色体検査   114件(絨毛検査:72件、羊水検査:42件)
でした。

今年、東京マザーズクリニックは3年目を迎えます。東京マザーズクリニックで2人目の分娩をされる方もいらっしゃいます。ますますスタッフ一同、よりよい医療を患者様に提供できるように、さらに努力し前進していきたいと思います。
どうぞ今後とも東京マザーズクリニックをよろしくお願いいたします。

クリニックの研究発表

2013年12月06日

平成25年11月30日(土)に東京駅近くにあるサピアタワーにて第117回産科麻酔学会学術集会が行われました。年に一度、全国の周産期医療施設から産科医、麻酔科医、助産師、看護師が集まり産科麻酔について議論する学会です。

この学会において、東京マザーズクリニックの助産師スタッフが研究発表をしました。前回の母性衛生学会での発表と同じく、無痛分娩と母乳育児についての研究です。前回の発表の内容に症例数と統計解析を追加し、さらに深く掘り下げた内容の研究となりました。
今回の学会では、私たちクリニックの研究が評価され、多くの発表者の中から大川賞受賞候補演題として選ばれました。我々クリニックの研究が高く評価されたことは、大変光栄なことです。

助産師スタッフによる発表も無事終え、会場内の皆様から研究について興味を持っていただいたコメントを多く頂きました。
研究結果は、当クリニックの人工乳を必要としない母乳率は56%であり、これは厚生労働省から発表されている我が国の母乳率42%を上回る良好な母乳率でした。無痛分娩中に使用する麻酔薬あるいは陣痛促進剤など、無痛分娩に関する種々の因子の影響は統計学的に影響しないことが示され、無痛分娩による母乳育児に与える影響はないと考えられました。多変量解析の結果、最も母乳の確率に影響を与える重要な因子として、産後2週間における母乳栄養の状況であることが明らかとなりました。

今回の研究から言えることは
①無痛分娩でも母乳育児は可能であること
②産後すぐの母乳による育児が難しくても、産後2週間までの母乳ケアにより母乳育児の確立が可能となること
が示されました。

これらの研究の結果をもとに、クリニックでは産後の母乳ケアをさらに充実させるためにスタッフと議論し改善し、患者さまに提供させていただきます。
今回の発表は統計解析により、母乳育児に重要な因子を見いだせることが可能でした。この統計解析において、横浜市立大学臨床統計学・疫学の大庭真梨先生のご協力により、まとめることが可能でした。
この場を借りて、大庭先生に御礼を申し上げます。

母性衛生学会での研究発表

2013年10月12日

平成25年10月4日(金)に大宮ソニックシティーで開催されました母性衛生学会にて、東京マザーズクリニックの助産師スタッフが研究発表をしました。
無痛分娩と母乳育児に関する研究発表です。

無痛分娩をしたお母さんは母乳育児が難しいという通説として信じている方も多いと思いますが、我々のクリニックでは無痛分娩されたお母さんでも母乳育児が可能だという仮説のもと、これに関する研究を行い検証しました。

当クリニックの人工乳を必要としない完全母乳率は56%であり、これは厚生労働省から発表されている我が国の母乳率42%を上回る良好な母乳率でした。無痛分娩中に使用する麻酔薬あるいは陣痛促進剤など、無痛分娩に関する種々の因子の影響は統計学的に影響しないことが示され、無痛分娩による母乳育児に与える影響はないと考えられました。完全母乳の確立に影響を与える重要な因子として今回明らかになったものは、産後の母乳確立までの過程であることでした。今回の研究から完全母乳を確立するには、産後の母乳ケアが最も重要であるということ、そして妊娠前、妊娠中または分娩の状況は母乳育児には影響しないと結論づけました。

母乳育児を頑張ってみたいけれど、無痛分娩か自然分娩かのどちらを選択するかを悩んでいらっしゃる女性の方にとって、今回の研究結果は良い判断材料になるのではないでしょうか。
しかし今回の研究結果は、東京マザーズクリニックスタッフの産後ケア・母乳ケアへの熱心な取り組みによる、きめ細かいケアにより導き出された結果だと思います。
東京マザーズクリニックは、今後も妊娠中、分娩中のケアのみならず、産後ケア、母乳ケアにもさらに力を入れ、ご家族の出産、育児をサポートさせていただきたいと考えています。
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