こんにちは!
GWいかがお過ごしでしょうか?

さて今回も第45回母乳育児支援学会in東京の内容の一部をご紹介します
みなさまは母乳育児を経験した方から、
”脂肪の多いものを食べると乳腺炎になる”
‟焼き肉を食べたら乳腺炎になった”
‟甘いもの・おもち・乳製品をたくさん食べたらおっぱいがつまった”など
授乳中の食事の内容が乳腺炎を引き起こす原因になっていると聞いたことがありませんか?
乳腺炎にならないように、食事の制限をされる方もいるかもしれません。

本当に脂肪の多いものを食べると乳腺炎になるのでしょうか?????

正解はNOです!

実は”脂肪の多いものを食べると乳腺炎になる”という言い伝えには、科学的な根拠はありません。
お母さんの食べたものがそのままの形で母乳に出ていくのではなく、
体内で分解、代謝され母乳の成分がつくられていくのです。
母乳の成分の約87%が水分、約12%が乳糖・脂肪・オリゴ糖・カゼインなどの固形分と言われています。

お母さんの食事が母乳の成分に与えるものとして、魚に多く含まれるDHA(脂肪酸の一種)などは魚摂取量により増えると言われていますが、それ以外の食事内容は母乳の構成成分に影響はないと言われています
DHAが増えることにより乳腺炎を誘発するということもありません。

さらに母乳中に含まれる脂肪球の直径は0.002~0.006㎜に対し、乳管の直径は2㎜程度と言われており、脂肪分により乳管がつまり乳腺炎になるとは考えにくい状況です。

‟だけど私は焼き肉を食べたら乳腺炎になった!!!”、‟おもちを食べたら乳腺炎になったことがある!!!”という経験をされた方もいるかもしれません。
例えばその時に外食をしたため授乳するタイミングがなく、いつもより授乳間隔が空いてしまった…
お正月などに帰省をして普段と違う環境で授乳をしたときに赤ちゃんの気が散ってしまい、しっかりと飲めなかった…
など、もしかすると食事の内容ではなく授乳のタイミングや環境の変化により乳腺炎を引き起こしてしまったのかもしれません。

そのため、これまで乳腺炎が心配で油もの・甘いもの・乳製品などを控えていたお母さんも、食事の制限をせずにバランスよく摂取することをおすすめします

いろいろなことにしばられることなく、楽しく母乳育児ができるといいですね
お困りなことがありましたら母乳外来にご相談ください

文責 院長