今日は前回の続きをお話ししますね。
 
前回母乳が出るようになるには、ホルモンを出すために、赤ちゃんが生まれた直後から赤ちゃんに1日8回以上おっぱいを吸ってもらいましょう。というお話をしました。
 
母乳が出るようになるには、ホルモンを出すことの他に、もう一つ重要なことがあります。
それは、母乳をできるだけ多く外に出すことです。
 
母乳は外に出せば出すほど、体が「これじゃ足りないんだ!」と感じて、作られるようになります。
逆に、外に出せなければ母乳は作られなくなってしまい、今度は母乳を作る細胞を壊してしまうように働きかけられるようになります。
 
昔は、1回の授乳で、左右両方のおっぱいを赤ちゃんに吸ってもらうために、5分左のおっぱいを吸わせたら、次は5分右のおっぱいを吸わせましょうと言われていました。
 
しかし、今は違います。このような切り替え授乳をすることは、母乳をたくさん外に出すことを阻害し、赤ちゃんが満足しないといわれています。
左右交互に授乳ができれば、おっぱいの左右差はなく問題にはなりません。
また、赤ちゃんが吸いたいだけ吸わせることで、赤ちゃんは満足してよく眠ってくれるようになります。
 
母乳を作るのは、赤ちゃんの仕事です。
赤ちゃんが欲しがる時に、欲しがるだけおっぱいを吸わせることでいずれ、赤ちゃんが欲しいだけ母乳が作られるようになります。赤ちゃんのペースに合わせて生活ができると、母乳育児だけでなく、赤ちゃんとの生活もうまくいくと言われています。
 
また、母乳がたくさん出るようになるのは、赤ちゃんが生まれた約72時間後からといわれています。初めからたくさん出る方は少ないのです(個人差はあります)。それでも赤ちゃんは、ママの母乳で育つために、お弁当と水筒を持って生まれてくると言われています。ですから、初めから母乳が出なくても問題ないのです。
 
赤ちゃんの力を信じて、赤ちゃんと一緒にママも育っていきましょう。
 

  母乳が出るようになるポイント!
①出産直後から、赤ちゃんが欲しがる時に欲しがるだけ(1日に8回以上)おっぱいを吸わせましょう。
②母乳をできるだけ多く外に出すために、おっぱいが空に近づくまで赤ちゃんに吸ってもらいましょう。

次回は、母児同室についてです。


文責 院長