今日は、母乳が良いといわれる理由についてお話していきます。

赤ちゃんにとって、母乳ほどよい栄養はありません!!
母乳はママだからこそ赤ちゃんにあげることのできる、とても大切で何にも代えられない唯一無二のものです。

赤ちゃんがママのお腹の中にいる間は、胎盤からへその緒を通じてママの血液が送られ、そこから赤ちゃんは栄養をもらって日々成長しています。
生まれてからはへその緒のつながりはなくなりますので、代わりにおっぱいから栄養をもらうことはとても自然なことです。

誤解されないようお伝えしておきますが、決して人工乳を赤ちゃんにあげることが悪いというわけではありません。
しかし、人工乳はあくまでも母乳の代用品です。
ですから、いろいろな事情があり母乳をあげることができない場合、人工乳をあげることが必要となります。
ある小児科の先生は、「人工乳は薬のようなもの」と言います。薬は必要な時にだけ使いますよね。母乳を飲ませたいけどどうしても飲ませることができない時に使うものだと考えるとよいかもしれません。 また、いつまでも薬が必要なことはそう多くはありません。

十分な母乳を赤ちゃんにあげることができる場合、人工乳を飲ませることは赤ちゃんの腸の環境によくないと言われています。せっかく母乳で整えられた腸の環境を人工乳が壊してしまうことがあるのです。

お仕事復帰を考えられている方は、人工乳が必要だと考えていらっしゃる方もおられるかもしれませんね。

しかし、直接授乳ができなくても、搾乳といって、母乳を搾って赤ちゃんにあげることができます。
また、母乳だけで育てられる期間は生後6か月ごろまでと言われています。その後は、補完食(離乳食のことです)が必要となってくるので人工乳をあげる必要はありません。
6か月より早くお仕事復帰を考えていらっしゃる方は搾乳をお勧めします。
赤ちゃんを保育園に預けることになると思いますが、保育園に行くことで赤ちゃんは、お家で過ごす赤ちゃんよりも、多くの感染症にかかる可能性が高くなります。
人工乳で育つ赤ちゃんよりも、母乳だけで育つ赤ちゃんの方が感染症にかかりにくいと言われていますので、保育園に預ける赤ちゃんほど母乳で育てることで赤ちゃんの健康のためになるんですよ。また、お仕事と保育園で離れている時間が長いので、夜直接授乳を行うことは、赤ちゃんとのコミュニケーション手段となります。

そのほかに、母乳だけで育つ赤ちゃんは、人工乳で育つ赤ちゃんと比べてよいことがたくさんあります。
まずはアレルギーになりにくい、情緒が安定しやすい、乳幼児突然死症候群(SIDS)になりにくい、将来肥満になりにくい、IQが高くなる傾向があると言われています。

母乳だけで赤ちゃんを育てることはとても大切ですが、母乳を長い間赤ちゃんにあげることも大切です。
UNICEF/WHOは、2年かそれ以上母乳を赤ちゃんにあげることは有益であるといってます。 混合栄養をされる方でも、できるだけ長く母乳を赤ちゃんにあげましょう。

当院では、1ヵ月健診の時点で母乳だけで赤ちゃんを育てている方は約半数以上いらっしゃいます。
母乳と人工乳の混合栄養をされている方も合わせると、母乳育児を行っている方は95%以上です。

ぜひ、赤ちゃんの健康のためにも母乳育児をしませんか?
母乳育児が行えるよう、私たちは精一杯サポートさせていただきます。 次回は、ママにとってよいことをお話ししていきますね。
文責 院長