「産後うつ」という言葉はよく聞きますが、うつは妊娠中にも起こることをご存じですか? 妊娠すると急激なホルモンのバランスのせいで、体にも心にも不調が起こります。妊娠うつは10%の妊婦さんが発症すると言われていますが、不調の症状はほとんどの妊婦さんが感じています。
どんな症状?
・眠れない、食欲がない
・いつも身体が疲れている
・イライラして周囲にあたってしまう
・無気力になり、今まで楽しめたことにも興味がなくなる
・理由もなく泣けてくる
妊娠うつを発症する原因は?
・心身の負担(ホルモンバランスの変化、つわりなどのマイナートラブル)
・妊娠・出産・育児への不安
・妊娠に伴うストレス(環境の変化、行動制限、周囲からのストレスなど)
妊娠中の不調は誰にでも起こることですが、特に普段からストレスを感じやすい人や、不安が強い人、周囲からのサポートが不足している人、過去に精神疾患にかかったことがある人は妊娠うつを発症するリスクが高まります。
ひどい症状が2週間以上続く場合は治療が必要なことがあります。症状を我慢せずに相談しましょう。
妊娠うつの予防
・軽い運動でストレス発散
妊娠経過に問題がなく、体調が良ければマタニティヨガやスイミング、ウォーキングなどで体を動かしましょう。近所を散歩するだけでも気分転換になります。
・周囲にサポートしてもらう
仕事も家事も今までと同じようにできなくなるは当然のことです。一人でこなそうと頑張るのではなく、パートナーや家族の協力を得たり、家事代行サービスなどをうまく利用するのもひとつの方法です。
・相談できる人をつくる
パートナーや実母、姉妹、親しい友人など、不安なことを遠慮なく話せる相手が何人かいるととても心強いことです。
妊娠の経過の仕方は人それぞれですし、一人目、二人目でも違います。ひとりで抱え込まずに周囲や病院で相談し、穏やかに過ごせるといいですね。少しくらいの手抜きがちょうどいいのかもしれません。
文責 院長