みなさんこんにちは。今回は「梅毒」についてお話します。
梅毒と聞くとその昔流行した病気と思う方も多いかもしれませんが、近年患者数が急増していることが知られています。
こちらのグラフは東京都における梅毒患者報告数を示しています。ここ5年で総患者数は3倍、女性患者数に至っては6倍と増加傾向にあります。
梅毒ってどんな病気?
梅毒とは性感染症の一種で、キスやセックスの時に粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。まったく症状がでない場合もあり無自覚のまま病気が進行し、数十年後に心臓や血管、神経の異常が現れることがあります。また、完治しても免疫はできないので感染を繰り返します。予防にはコンドームの装着が必要です。
梅毒の症状って?
第1期
感染後3週間~:性器、肛門、口にしこりができる。または症状がなく見過ごすことが多い。無治療でも約1カ月で症状が消失。
第2期
感染後3カ月~:手の平、足の裏に赤い湿疹ができ、無治療でも数週間から数カ月で消失。
潜伏梅毒:無症状のまま何年も経過し脳、目、神経、臓器などに感染症状が進行。
後期梅毒:感染から数年~数十年後に心血管、神経症状などが出現。
妊娠と梅毒
梅毒は胎盤を介してお腹の赤ちゃんに感染することがあります。早産や死産の原因となるだけでなく、水頭症や失明、難聴、皮疹、黄疸などの病気を合併することがあります。しかし、妊娠初期に分かれば内服治療を行うことができます。
どうやって検査するの?治療は?
梅毒は検査で診断でき、ペニシリンの内服で完治することが可能です。早期に発見することで赤ちゃんへの影響なく安心して妊娠をすることができます。
当院では梅毒を含む感染症などを調べられるプレママ健診を行っております。
これから妊娠、出産を迎える皆様がより健康な状態で妊娠を迎えることができるようお手伝いができたらと思います。