『はしかが沖縄で流行中…』
というニュースが最近ありました。
はしか(麻疹)は麻疹ウイルスによって引き起こされます。ウイルスの感染力は非常に強くて、
人から人へと感染します。
感染経路は、空気感染・飛沫感染・接触感染です。
空気感染は麻疹ウイルスが空中に漂うことで感染します。
(空気感染の代表は、結核菌・ノロウイルス・麻疹ウイルスなど)
移動中の電車やバス、映画館などで、麻疹ウイルスにかかった人がいると、麻疹の免疫がない人
(麻疹に罹ったことがない人)は、ほぼ90%以上は発症します。
飛沫感染は、感染した人の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことで発症します。
(飛沫感染の代表的な病気は、インフルエンザ・おたふく風邪/流行性耳下腺炎・風疹・風邪症候群など)
接触感染は、皮膚や粘膜(眼や口や鼻など)からウイルスに直接触れることで感染します。
例えば、ドアノブ、手すり、スイッチやボタン、便座などを介してウイルスに触れることでも感染します。
麻疹ウイルスに罹ってもすぐには発症しません。感染してから約10日後に発熱や咳・鼻水の症状が
現れますので、最初は風邪と間違えやすいです。2~3日熱が続いたあとに、皮膚の発疹と39度以上
の高熱が出ます。重篤な場合は、肺炎・脳炎・心筋炎となることがあります。しかし、麻疹に対しての
根本的な治療方法が現在はありません。高熱に対しては→解熱剤、咳に対しては→咳止め薬などで、対症
療法となります。
抵抗力の弱い子供や高齢者・妊婦は重症化しやすいです。妊娠中に麻疹に罹ると流産・早産の可能性が
たかまりますが風疹とは違い胎児への影響(先天奇形)は低いようです。
麻疹ウイルスからの予防法は、手洗いやうがい…と言いたいですが、空気感染なので100%防御は
ほとんど難しいです。人混みに出る時はマスクの着用がよいでしょう。
唯一の予防法は、麻疹のワクチン接種しかありませんが「生ワクチン」を使用しているため
妊娠中は予防接種ができません。(胎児への影響を考慮しているため)
幼少期に麻疹を罹っていれば、そんなに心配はいりません。
一度ご自分の母子手帳を確認したり、麻疹や風疹の抗体価を検査するとよいでしょう。
家族の既往歴も確認が必要ですね。ワクチン接獲者は感染しても軽症で済むことが多いです。
当院でも、プレママ健診の中に麻疹・風疹の抗体価を調べる検査があります。
(検査は採血をして血液を調べます)
風邪をひいている時は、無理な外出はせずに休みましょう。
風邪症状が続いて発熱や発疹がみられたら、放置せずに医療機関へ電話連絡してから受診をしてください。
日々の生活で免疫力が低下しないよう、食事や睡眠、運動のバランスに気をつけましょう。