こんにちは。前回はサプリメントについてのお話をしました。
さて、妊娠中のママにとって「お薬」についても気になる方は多いのではないでしょうか?妊娠に気付かず、お薬を飲んでしまった、妊娠前から飲んでいるお薬はおなかの中の赤ちゃんには影響はないの?…と、心配になることも多いですよね。
そこで今回は、妊娠中のお薬についてお話したいと思います。
 
お薬の多くは、血液中に取り込まれ、効果が表れます。妊娠すると、ママの血液、そして胎盤を介して赤ちゃんに多くのお薬が到達します。お薬の種類によって胎盤を通過しやすいお薬と通過しにくいお薬があり、ママに投与されたお薬の種類や方法によっても、おなかの中の赤ちゃんへ到達するお薬の量も変化していきます。
また、どの時期にママがお薬を使ったかによっても、おなかの中の赤ちゃんに及ぼす影響は変わってきます。
妊娠初期は、おなかの中の赤ちゃんの臓器がつくられる時期で、お薬の影響によっておなかの中の赤ちゃんに奇形が生じる可能性が高くなります。
なかでも妊娠4~7週は、「臨界期(りんかいき)」と呼ばれ、お薬によっておなかの中の赤ちゃんに奇形が生じる危険性が最も高くなる時期です。
妊娠中期以降になると、おなかの中の赤ちゃんがお薬によって奇形を生じるリスクはなくなっていきます。しかし、お薬の影響によって、おなかの中の赤ちゃんの臓器の働きや発育を妨げてしまう場合があります。
妊娠中、なるべくお薬は使いたくない!と思うママも多いかと思います。お薬を使わないで済むのであれば、それに越したことはないのですが、そこでいちばん注意していただきたいのが、「自己判断しない」ということ。
妊娠前から継続的にお薬を飲んでいた方が、妊娠を機に自己判断で内服をやめてしまった…というケースは少なくありません。しかし、それによって、症状が悪化し、かえっておなかの中の赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともあります。
しかし、実際は妊娠中、お薬の多くは使用することができ、使用できないお薬はごく一部と言われていますので、そんなに不安になる必要はありません。

妊娠中のお薬に関しては、必ずかかりつけ医や薬剤師に相談して、適切なお薬を正しい方法で使っていただけたらと思います。また、継続的にお薬を使われていて、妊娠をご希望される方は、前もって医師に相談しておくと安心ですね。

文責 院長