女性にとって月経はホルモンバランスを整える為、また、新しい命を宿す為の準備としてとても大切なものです。頭では分かっていても毎月やってきて、長いお付き合いとなる月経は時として煩わしく感じてしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、月経は毎月、子宮内膜を新しくする為に起こるもので、「小さなお産」とも呼ばれているほどとても重要な役割をしています。
さて、みなさんは月経時の経血を観察したことはありますか?経血の状態は、自分自身の身体の状態を映し出してくれているそうなのです!経血を観察して、自身の体調の変化にいち早く気が付いて、しっかりと身体を労わってあげましょう。経血の状態を東洋医学の視点から観察し、その改善策を下記に載せましたので、チェックする指標にしてみてください!
□正常な経血の色と性状
 血液の色よりも少し濃く、若干の粘り気があります。
□さらさらと水っぽく薄いピンク・薄い黄色の経血
 身体の元気と血が不足気味で、疲れやすく、胃腸も弱っている状態です。
 身体を温め、血を造ってくれる食材を意識して摂りましょう。また、温かく栄養のある物をしっかり噛んで新陳代謝を高めていきましょう。
□赤紫色の経血
 身体の中を流れる気と血液のめぐりが滞っている状態です。知らず知らずに、日常的なストレスが溜まってしまっているのかもしれません。
 少しでもストレスが軽くなるように、ゆっくりと深呼吸をして、軽めの運動などで汗を流してみましょう。
□赤黒いくすんだ色の経血
 身体全体の冷えで血行が悪くなっている状態です。
 冷たい食べ物・飲み物の摂り過ぎには気を付け、身体を冷やさないようにしましょう。
□鮮紅色(真っ赤)の経血
 熱が身体にこもっている状態です。
 運動で汗をかくことで熱を発散させたり、辛い物や刺激物の摂り過ぎには注意しましょう。熱を冷ます食材(きゅうりやなすなど)を適量摂るのも良いでしょう。
□経血の中に小さい血の塊がある
 気が滞り、代謝が悪くなっている状態です。
 身体を冷やさないようにしましょう。
□経血の中にレバーの様な大きな血の塊がある。
 かなりの冷え性で、身体の中の血液や余分な水分が滞っている状態です。
 下半身を重点的に足湯などで温めましょう。また、甘い物・お酒・肉など脂っこいものの摂り過ぎには注意しましょう。

このように経血の状態は、ストレスや食事バランスの崩れなど生活習慣の乱れによって影響が出やすいです。生活習慣を改善することで良くなればいいですが、子宮筋腫や子宮内膜症の疑いなども考えられるので、少しでも気になる症状や不安がある方は一度婦人科で診て頂くことをおすすめします。
文責 院長