まだまだ暑い日が続いていますが、8月も終わり、少しずつ秋を感じられるこの頃。
いかがお過ごしでしょうか?
 
今回は「葉酸」についてお話ししたいと思います。
 
妊婦さんに必要な栄養素として、だんだん定着してきているのが葉酸。赤ちゃんの脳や神経を作るのにとても大事な栄養素なんです。
 
葉酸というのは細胞の伝達情報が集まっているDNAの合成に必要なビタミンです。葉酸を摂取することで神経管閉鎖障害(脳や神経の先天性異常、障害)の発症リスクを低くすると言われています。
では、葉酸をいつ摂取したら良いのかな?という方も多いと思います。
赤ちゃんの脳や神経が作られる大切な時期は妊娠3か月目までです。そのため、妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間に必要な栄養素なのです。
最近は「葉酸を摂りましょう」というパンフレットやポスターを目にする機会は増えましたが、妊娠初期では妊娠に気づかない人も多く、気づいたら3 か月を過ぎていたということもありますよね。妊娠がわかって産婦人科に行くときは、もう既に葉酸が必要な時期は過ぎていたりします。
妊娠がわかってから慌てて栄養のことを考えるのではなく、妊娠を考えている方は、常に葉酸を摂っておくと安心ですね。

葉酸は、その名の通り、葉もの野菜に多く含まれる栄養素です。日本人の食事摂取基準(2010年度版)では、葉酸の推奨量は、成人女性では1日240μgですが、妊婦の場合はそれに加えて240μg。合わせて480μgにもなります。これを、野菜に換算すると…ほうれん草なら1束、アスパラガスなら16本!これを毎日食べるのはとても大変です!

食欲がない妊婦さんやつわりのある時期はつらいですよね。そして、葉酸は熱に弱く、調理のときに栄養素が失われやすいため、サプリメントで摂ることをおすすめしています。
厚生労働省は、食品からの摂取に加えて、サプリメントから1日0.4mg(400μg)の葉酸の補給を勧めているので、目安にすると良いですね。

文責 院長