この度、日本産科婦人科学会より妊婦さんを対象にコロナウイルスに対するワクチンの接種状況について報告があったので簡単に記載します。
調査期間:2021年10月5日~11月22日
対象:期間中妊娠中の女性 6,576人
初回妊娠 57.5%
妊娠初期(15週まで) 22.2% 妊娠中期(16~27週)33.2%
妊娠後期(28週以降) 44.7%
ワクチン接種状況:
1回以上接種済み妊婦 5,397人(82.1%)
2回接種 4,840人(73.6%)
未接種 1,179人(17.9%)
接種ワクチン:
1回接種 ファイザー(73.3%) モデルナ(19.4%)
2回接種 ファイザー(73.7%) モデルナ(20.7%)
不明 271人
参加者で42人がCOVID-19に罹患
接種後の症状:
疼痛 1回目接種後 96.8% 2回目接種後 92.61%
その他副反応は同年代の非妊女性と同等であった
【産科的症状】
腹緊 1回接種後 1.65% 2回接種後 2.98%
子宮の痛み 2回目接種後 1.06%
出血・胎動減少・浮腫・血圧上昇・破水
1回目接種後 2回目接種後 1%以下であった
【結論】
妊娠中のCOVID-19感染は胎児への影響はないが、妊娠後期に感染すると母体の重症化リスクが高まり、治療目的で早産となることが多いと言われている
COVID-19予防のためのワクチン接種は、妊娠初期での接種(12週以前)も可能となり、今回の調査でも2回目接種終了している妊婦の割合は73.6%で同時期の日本国内の接種割合と同等であった。
今回のアンケートで、COVID-19感染者に関してはワクチン接種状況は不明であった。
産科的症状の子宮の痛みが3%に、出血など出現した妊婦が1%見られたが、接種を受けていない妊婦に起こる頻度と変わらず、特に関係ないと思われる。
尚、スコットランドの調査でCOVID-19感染で胎児・新生児死亡、低出生体重児の報告もあり、妊婦においてワクチン接種の重要性が感じられた。