「妊婦さんへの接種」について、厚生労働省・日本感染症学会・日本産婦人科学会・日本産婦人科医会の見解について述べたいと思います。
 すでに多くの接種経験のある海外での情報では、ワクチン接種はお腹の赤ちゃんと妊婦さんの双方を守り、母子に対して重篤な合併症の報告はありません。
 日本においても、特に妊娠後期に感染すると重症化しやすいというリスクを考慮すると、妊婦さんへのワクチン接種は問題ないとされています。

【妊婦さんへの接種について】
妊娠中期以後の方:接種における副反応は妊娠していない人と同等です。
 接種については、
  ①妊婦さんの意によりますが、現時点の諸外国の報告をみても流・早産の増加や赤ちゃんへの影響は報告されていません。
  ②妊娠してコロナに感染すると、重症化・早産しやすいという報告があります。
  ③肥満・糖尿病などの合併症を持つ場合には重症化しやすく接種が望ましい。
  ④ワクチンは受けた方の遺伝子に組み込まれ、有害な物質を産生したり、接種後感染しやすくなるなどの報告はありません。
産後・授乳中の方
 授乳中に接種した場合、母乳中に新型コロナウイルスに対する抗体が確認されており、授乳中の赤ちゃんを感染から守る効果が期待されています。
 
 以上が、現在諸外国・厚労省・日本感染症学会・日本産婦人科学会・日本産婦人科医会で報告されていますが、ワクチン接種によって妊娠に悪影響を及ぼすという報告はありませんが、一方では長期的な影響についてはまだ十分なデータがないという現状もあります。
以上を踏まえご自身で十分に考えて接種してください。
 
 ワクチン接種に関して、接種される場合にはかかりつけの産婦人科医に相談して接種してください。発熱・ワクチン成分のアナフィラキシー・重い急性疾患にかかっている場合には接種できませんのでご注意ください。
【参考文献】
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210617_COVID19.pdf
http://jsidog.kenkyuukai.jp/information/index.asp?
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210219_kourousho.pdf
http://www.ncchd.go.jp/kusuri/covid19_vaccine.html