葉酸とは、ビタミンB群の1つでほうれん草から発見され名付けられました。葉酸は人工化合物でサプリメントなどに含まれる「葉酸」と、野菜や果物に含まれる葉酸塩に分けられます。葉酸塩は、枝豆・ブロッコリー・芽キャベツ・アスパラガス・モロヘイヤや柑橘類・レバーなどに含まれています。

 妊活中・妊娠中・産後に葉酸が大変重要な役割をすることを説明いたします。
 葉酸は、細胞分裂を助ける役割があり、赤ちゃんの奇形(特に神経管)を防ぎ、葉酸不足は神経管閉鎖障害(妊娠6週で神経管が閉鎖)の原因となり、妊娠してからの摂取ではなく妊娠前からの摂取が重要でアメリカ・カナダでは小麦粉製品に葉酸添加し葉酸のサプリメントの摂取を推奨しています。そのおかげで、アメリカ・カナダでは発症率が減少しました。
 日本では、食事の欧米化により緑黄色野菜の摂取が減少し、30年前と比べて倍以上と増加傾向にあります。また、日本人の7割の人は葉酸の吸収率が低いと言われています。 
 現在、日本人の1日葉酸接種量の平均は240㎍で、厚生労働省は必要な摂取量は400㎍摂取するよう言っています。神経管閉鎖不全症は、日本では出生1万人(死産を含む)に6人とされ、二分脊椎・脳瘤・無脳症になります。二分脊椎症は、神経管の閉鎖不全で背骨の一部が形成されなかった事により背骨の中にあるべき脊髄が外に出てしまうもので、症状は軽いものから歩行障害・排泄障害を起こします。脳瘤は、頭蓋骨の一部な欠損で組織の一部がこぶのように突出したもので、多くは水頭症を合併します。無脳症は、脳の一部または全部欠損したもので、生まれる前に流産するか生まれても数日でなくなります。
 上記疾患の原因は多因子であり、葉酸接種不足だけでなく、ビタミンA過剰摂取、抗てんかん薬服用、糖尿病、高度肥満、遺伝などが複雑に影響すると考えられています。予防として妊活中からできることは葉酸摂取ですが、食品からの摂取に加えサプリメントからの摂取が推奨されています。また、妊娠してからの葉酸不足による影響は、後期流産・死産・胎児発育不全・早産・妊娠高血圧腎症・常位胎盤早期剥離・貧血などを起こすともいわれています。また産後では、産後うつ病への影響が報告されています。

 葉酸の摂取の大切さが理解いただけましたか?妊娠する前から産後までサプリメントを接取して葉酸不足を防ぎましょう。