無痛分娩を行う際は血圧計、経皮酸素飽和度、呼吸数など機器を装着し、モニターする必要があります。比較的軽微な合併症から、非常に稀だけれども重篤な合併症などを見逃さないために、必ず行う必要があります。その中でも、妊婦さん自身が今どんな感じかを伝えてもらうことが、最も鋭敏で、重要な指標だと思っています。

例えば、硬膜外カテーテルを挿入した際にテストドーズといって、少量の局所麻酔薬を投与することで、間違ったところに入っていないかどうかを確認する方法があります。間違ったところに入っていると、血圧が下がったり、不整脈が出たりしますが、症状として、めまい、耳鳴り、味覚異常、意識障害、足が動かないなどの症状を呈します。血圧や不整脈の異常は必ずしも起こるわけではなく、妊婦さんの症状に注目することで、わずかな異常でさえも見落とさないことが、重篤な合併症を予防するために重要なことだと考えています。 無痛分娩中、スタッフから再三「変わったことはないですか?」「足は動かせますか?」など聞かれると思いますが、いずれも安全確認のための手順ですので、ご協力お願いします。