前回は硬膜外鎮痛が上手い医師、下手な医師についてお話ししましたが、硬膜外鎮痛がせいこう/不成功に関わる因子として妊婦さんも重要になります。今回は硬膜外鎮痛が出来ないではなく、難しい妊婦さんについてお話しします。難しいというのはカテーテル挿入に時間がかかる場合、再挿入の確立が高い場合と想定してください。

まずは体格のいい方です。皮膚から硬膜外腔までの距離が長くなればなるほど背骨も触れにくくなりますし、硬膜外腔への挿入も難しくなります。賽銭箱にお賽銭を入れる場合も、賽銭箱まで遠ければ遠いほど難しいですよね?成人女性であれば、それほど大きく硬膜外腔の大きさは変わりませんので、硬膜外腔までの距離が長くなればなるほど難しくなります。

あとは背骨の変形です。背骨を目印にして硬膜外腔を見つけるため、背骨が変形しているとなかなか見つけにくくなります。また、カテーテル挿入に際しても、正しい位置に入りにくくなります。骨折などをしていた場合は癒着などにより、薬が効きにくい場所が出てくるかもしれません。

次回はなるべく早く確実にカテーテルを挿入するために妊婦さんがすべきことについてお話しします。