最近、新聞などの報道で風疹の流行が話題になっています。
厚生労働省の発表では、昨年の風疹は2,353例の報告があり、過去5年間で最も多く、
今年も同様の傾向です。特に首都圏での増加が顕著です。我が国において、20~40歳代の女性で風疹への抗体を持っていない方は4%で、また風疹感染予防に不十分な低い抗体価しかない方は11%もいらっしゃいます。
抗体がない、あるいは低い抗体価の女性が妊娠され、その妊娠中に風疹にかかると、お腹の赤ちゃんに難聴や心疾患、白内障などの病気(風疹症候群)を起こす可能性があるといわれています。昨年の流行の影響で、6人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが報告されています。
抗体のない方、あるいは抗体価の低い妊婦さんは、妊娠中にワクチン接種ができませんので、感染の予防に努めるしか方法がありません。そのため、妊娠期間中にご不安をお持ちになる妊婦さんも多くいらっしゃると思います。
理想的には妊娠をされる前の女性が、現在のご自分の健康状態や妊娠準備状態について把握することはとても重要です。もし風疹抗体がない、あるいは抗体価が低いということが、妊娠前に分かれば、ワクチン接種を受けることが可能で、その後の妊娠も安心して迎えることができます。

これは、風疹だけに限ったことではなく、麻疹等の他のウイルス感染も同様です。
ただし、風疹のようにワクチン接種による予防法がある感染症ばかりではないのも現状です。しかし、ご自分の現在の状態を把握し、何に気をつければ良いかなど、心構えを持って妊娠されることはとても大きなメリットになります。

そのようなことから、われわれ東京マザーズクリニックでは2013年3月よりプレママ健診を始めました。
これから妊娠を迎える女性に対し、産婦人科検診を行い、現在の女性の健康状態や妊娠準備状態について診断し、心身ともに妊娠の準備をするためのサポートをさせていただきたいと考え始めました。一般検査だけでなく、妊娠についてのいろいろなご相談に対してもスタッフがご相談をお受けいたします。
これから妊娠をお考えになっている方は、安心して妊娠・出産を迎えるためにもプレママ健診を一度受けていただけたらと思います。