ネットや外来での質問の中に、以前に背中の麻酔の管を入れたときに電気が流れたような衝撃が起こったと話される方がいらっしゃいます。これは異常なのか、事故なのか、心配ないのかという質問ですが解説したいと思います。

我々が行う硬膜外鎮痛では脊髄神経(背中の神経)の近くに管を入れてきます。実際の脊髄神経までは内側から髄液、くも膜、硬膜を隔てているので、直接麻酔の管が神経を触ることは通常ありません。しかし、神経は非常に敏感なところなので、管が神経の近くに寄ってくる圧力だけでも神経症状として、『響く感じ』や痛みとして出てきます。硬膜外カテーテルを挿入する際にこれら『響く感じ』や痛みは神経の近くを通っているサインです。管が入っている感じくらいはあるかもしれませんが、『強く響く』※場合や『強い痛み』がある場合は、神経に近すぎる可能性があるので、スタッフにしっかり伝える必要があります。管を調節したり入れ替えたりすることで簡単に改善することができます。

※『強く響く』感覚はときに電気が流れたような衝撃と形容されます