では響くとき、痛いときは管が神経に近いことが原因であれば、神経に近い管はいけないのかということになりますが、近ければよく効くからいいのではないかと考えそうですが、それは違っていることを解説します。神経に近い管は大概左右どちらかに寄っていることや限局的な広がりしかしないことがあります。例えば、右の腰に響く場合、薬を開始してもそこばかり効いてしまうことになります。これは管が右腰の神経の近くに寄っているために、神経の『響く感じ』や痛みが起こり、薬を入れても、そこにしか効かないという状況になってしまうので、無痛分娩を行う上でも有効ではありません。管の挿入で『響く感じ』や痛みが起こったらすぐに伝えましょう。ちなみに麻酔を開始してしまうとこれらの『響く感じ』や痛みは麻酔によって緩和します。麻酔を止めたらまた出てきます。管を挿入したときは大丈夫でも途中で管が移動することがあり、最初は大丈夫でも、途中で痛むこともあります。
帝王切開で術後鎮痛として使用する硬膜外麻酔も同様です。『響く感じ』や痛みがあれば伝えましょう。