秋雨前線と台風の影響で、毎日憂鬱な天気が続いておりますが、
みなさん体調崩されていないでしょうか??

先日、東京エリアのIBCLCが年に一度集まる勉強会に参加してきました

今年のテーマは「黄疸」でした。
小児科のDr、助産師、看護師など、様々な病院や施設で働く専門家に会える貴重な機会です。

まずは、小児科のDrから「黄疸」についての講義、その後グループごとに3例の症例検討を行いました。
半日の研修でしたが、時間があっという間に過ぎていくほど充実した時間となりました

そこで、今回のブログのテーマは「黄疸と母乳育児」です。
黄疸と母乳育児は切っても切り離せない関係にあります。

まずは、今回は赤ちゃんと黄疸についての関係をお伝えしていきます。

生まれたばかりの赤ちゃんは、「生理的黄疸」といって病気ではなく黄疸になりやすいです。
なぜ黄疸になりやすいかというと・・・

 ①生理的に多血で、大人より赤血球が早く壊され、ビリルビンが増えてしまう
 ②肝蔵の機能が未熟でビリルビンを分解するのが少し上手じゃない
 ③お腹の中にいたときにビリルビンは腸に再吸収されていたのでその機能がまだ残っている
 ④脱水になると血液が濃くなりビリルビンの濃度が濃くなり、排泄が滞る

そして、母乳はお母さんの血液から作られていますので、それによって
黄疸になりやすくなるお子さんもいます。
また、日本人は黄色人種のため、元々黄疸になりやすい人種です。
アジア人の赤ちゃんの約3割は「黄疸」になると言われています。

そのため、黄疸にならないようにするというよりは、「生理的な黄疸」の安全な範囲か
どうかの見極めが肝心なのです!

「生理的黄疸」は、一般に、生後2~4日目に現れ、1~2週間以内には消失するものですが、
一定の基準を超えると治療が必要となります。

では、病的な黄疸とは・・・

生まれて72時間以内におきるものを、「溶血性黄疸」といいます
赤ちゃんと、お母さんの血液型が適合していないことや、遺伝性の疾患の可能性があります。

産院を退院したあとから起きるものを、「遷延性黄疸」といいます
甲状腺の機能や先天的に胆道に病気がある場合が考えられます。

「生理的黄疸」でも、「病的黄疸」でも、行う治療は同じです。
(程度によっては特殊な治療を行うこともあります)

いわゆる「光線療法」と言われる、赤ちゃんに光を当てる治療です。
ビリルビンは光に当たると、分解されやすくなり赤ちゃんのおしっことして排泄されます。
それによって、血液中のビリルビンが減り、黄疸が軽減します。

次回は、母乳育児と黄疸について詳しくお話していきます。