今回はインフルエンザワクチンについてお話したいと思います。
当院では9月末より通院中の患者様対象にインフルエンザワクチンの接種を開始しています。(現時点で、ご家族様の接種には対応していませんのでご了承下さい)
例年、国内でのインフルエンザの流行は、12月ごろから始まり、一番寒くなる1~2月がピークを迎えると言われていました。しかし、昨年は新型コロナウイルス感染症が感染症第5類になり、マスク着用が個人の判断となったこと、インフルエンザワクチンの接種率の低下、海外との往来の増加などもあり、インフルエンザが拡大、そして長期間にわたり流行しました。今年も同様にインフルエンザ感染リスクが高まると予測されています。ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種後2週間から5カ月程度と考えられています。ただその間ずっと強い免疫機能が維持されているわけではなく、約2~3か月間、免疫機能の高い状態が続いた後、徐々に低下していきます。
現在のインフルエンザワクチンの効果は、絶対にインフルエンザにかからない、というものではないですが、発病の予防や、重症化を予防することは一定の効果があるとされているそうです。
妊娠中にインフルエンザにかかってしまうと、海外では重症化するリスクが高いという報告があります。妊婦のインフルエンザワクチンの接種は、WHOでも優先対象となっています。妊娠中、どの時期でも接種することができます。ただし、他のワクチン接種状況により、接種の期間を一定期間空ける必要があることもありますので、ご相談下さい。
当院では保存剤入りのワクチンを使用していますが、最近の疫学研究では妊娠中であっても児の発達への関連、影響はないとされていますのでご安心下さい。
では、最後に、新型コロナウイルスの大流行が落ち着いたことにより、手洗い、手指消毒、マスクの着用などの感染対策が薄まってきているように感じます。インフルエンザなどの感染症予防の為、ご家族皆様でもう一度感染予防対策を意識づけしていただければと思います。乾燥してくるこの時期は加湿も大切です。また十分な睡眠と、しっかり食べること、人混みへの外出は十分に気をつけていただきたいです。もし、風邪症状がみられたり、体調不良の時には、早めの医療機関の受診、そして当院への受診の際には、まずは一度電話でご相談いただけると幸いです。
妊娠中、子育て中の皆様にとって、これからの季節ドキドキ、ハラハラされるかもしれません。
ご家族で協力しながら、乗り切っていきましょうね。
文責 院長