妊娠初期に妊婦さんが感じる症状として50~80%が”つわり”を経験します。
 症状は、一過性に悪心・嘔吐・食欲不振・食嗜変化などの消化器症状です。
【時期】妊娠5~6週から始まり9~10週頃にビークを迎え、多くは12~16週で落ち着きます。
【原因】十分に解明されていませんが
  ①妊娠によって胎盤から分泌されるヒト絨毛ゴナドトロビン (HCG)
  ②精神・心理学的因子:心理的・社会的ストレスによる
                        と言われています。

【種類・症状・対策】
  ①食べつわり:空腹になると気持ち悪くなる
   少数の食事を何回にも分けて接種し、空腹感を感じないようにする
  ②吐きつわり:強い吐き気を感じたり嘔吐する
   スポーツドリンクなどを接種して、脱水にならない様に注意
  ③匂いつわり:匂いに敏感になり、特定の匂いで気持ち悪くなる
   食べ物を冷やすと匂いが消失。タバコ・生ごみに注意
  ④眠気つわり:十分睡眠していても、日中に眠気を感じる
   無理をせず、眠い時に悩まずに寝ましよう
【対策】
  ①食事:少量づつ好きなものを好きな時に食べる
   水分摂取に心がける
   臭いに関しては、食べ物を冷やしたりさっばりしたものを食べる
  ②休養・ストレス軽減
  ③薬物治療:制吐剤・ビタミンB6、B1、漢方薬 などを処方してもらう
   薬で軽減しなければ、点滴治療を行う

【食事の注意点】
  ①胃腸に負担をかける高脂質・高塩分・高糖質の食品は避けましよう
   スナック菓子・菓子バン・炭酸飲料など
  ②ビタミンA摂取:先天奇形の報告あり
   レバー・うなぎなど

【警戒すべき注意事項】
 つわりの時期に次のことがあれば、我慢しないで医師と相談ください
  ① 5Kg 以上の体重減少
  ②頻回の嘔吐・食事摂取困難
  ③意識が朦朧とする
   この様な場合には、妊婦さんの0.1%と少ない発症ですが
   妊娠悪阻(にんしんおそ)と言う病気です。注意しましょう。
  ④その他、つわりと同じような症状で
   胃腸炎・虫垂炎・腸閉塞・胆のう炎・片頭痛などがありますが、通常、腹痛や頭痛など他の症状が起こります。

  以上、つわりについて述べましたが、つわりは病気ではなく時期が来れば治ります。
 つわりの時期は辛いでしようが、”つわりがあるのは赤ちゃんが元気に育っている”と思って、お腹がすく前に好きなものを 1 日 3 回だけでなく、数回に分けて食べること。
 さらに、脱水に注意して、水分摂取も忘れずに頑張りましよう。

2025 年 10 月 12日
久松和寛