今回は、妊娠初期に起こりやすい症状とその対処法について
《起こりやすい症状と病気》
出血 ⇒ 流産 下腹部痛 ⇒ 流産
子宮外妊娠 子宮外妊娠
胞状奇胎 卵巣嚢腫茎捻転
着床期出血 便秘・下痢
子宮腟部びらん・子宮頸がん 子宮の成長
子宮頚管ポリープ
おりものの増加 ⇒ ホルモンの影響、カンジダ腟炎、トリコモナス腟炎
熱つぼい・だるい ⇒ 卵巣ホルモン(プロゲステロン)による
トイレが近い ⇒ 子宮の圧迫・時に膀胱炎
《各疾患について》
流産 妊娠22週未満(6ヶ月)・全妊娠の10~15%に起こる
【原因】①胎児の染色体異常 ②子宮の形態異常 ③ホルモン異常
④感染 ⑤身体的疲労(仕事・引っ越し・旅行など)
⑥免疫異常
【症状】少量の性器出血(赤又は茶色)・下腹部痛・お腹の張り
【種類】切迫流産:胎児は生存し子宮内膜に着床するための出血
稽留流産:子宮内に胎児が生存していない。無症状
進行流産:流産が進行して胎児が出かかっている
完全流産:胎児・その付属物が完全に外に排出している
不完全流産:胎児・その付属物が完全に排出されず一部子宮内に
その他、反復流産:2回流産した場合。
習慣性流産:3回以上流産した場合。⇒不育症
絨毛膜下血腫:子宮と子宮内膜の間に血液がたまって出血
【治療】安静・薬物治療・入院治療 最悪の場合、子宮内容除去手術
正常妊娠では、血性の色の付いたおりものは全く出ません。
赤色でなくとも茶色いおりものが出れば注意が必要です。
赤ちゃんの心拍があって子宮内に胎盤が形成されて十分な状態でも出血する可能性があります。
妊娠中は、十分に注意していつもの生活以上の行動は控えましよう。
次に、妊娠初期の異常について述べます。
子宮外妊娠 受精卵が子宮腔以外に着床した場合
【分類】着床部位による分類
卵管妊娠・卵巣妊娠・腹膜妊娠・子宮頚管妊娠
【原因】卵管の異常・受精卵の異常・子宮の異常
【症状】無月経・少量の出血・下腹部痛
着床部位(卵管)で破裂を起こし腹腔内に血液が貯留してショック状態に陥ることがある。
【診断】妊娠反応陽性・超音波検査で受精卵の位置の確認
【治療】腹腔鏡下手術または開腹手術 症状によって薬物治療
胞状奇胎 胎盤や卵膜を作る絨毛がブドウの粒状になり、胎児が正常な発育が出来ない(胎児部分なし)
【原因】染色体異常 400 ~500 人に 1 人
【症状】性器出血・強い嘔吐・子宮の増大
【診断】超音波検査 ブドウの房のような画像で胎児像なし
ホルモン検査(HCG ヒト絨毛ゴナドトロピンが高値)
【治療】子宮内容除去術(子宮内容掻爬術)
がんに進行する可能性あり (胞状奇胎手術後1~2%絨毛がんが発生)以後定期検診が必要
2025年10月21日
久松和寛