体がだるい・疲労感・動悸・めまい・息切れ など感じることはありませんか?
妊娠して胎児が順調に発育するためには、血液が大切な役割を果たします。
【貧血とは】 妊娠中は90%鉄欠乏性貧血
≪原因≫ 妊娠すると胎盤・胎児への酸素及び栄養供給のため血液量が通常の1.5倍程度増加しますが、赤血球は増えず血液が薄い状態となり身体の組織に十分な酸素が届けられない状態となり貧血になります。
≪検査値≫ ヘモグロビン値 11.0g/dl 未満(9g/dl以下は重症)
体内に酸素を運ぶヘモグロビン量
ヘマトクリット値 33%未満
血液中に赤血球が占める割合
を貧血と言います
≪妊娠・分娩への影響≫
分娩時・・・微弱陣痛・弛緩性出血(分娩時多量の出血)
赤ちゃん・・重症では最悪死亡、発育不全、早産、新生児の貧血
近年、先天性心疾患も言われている
≪予防≫ 妊娠中鉄分を摂取・葉酸(赤血球の生成に不可欠)も一緒に摂取
鉄分摂取は:妊娠初期9mg/日 妊娠中・後期16mg/日(非妊時6.5mg)必要
鉄分にはヘム鉄(動物性食品)非ヘム鉄(植物性食品)がありヘム鉄の方が吸収率高い。
ヘム鉄 豚レバー(50g)6.5mg 牛ヒレ肉(100g)2.6mgかつお(50g)1.0mg
非ヘム鉄 豆乳(200g)2.4mg 豆腐(100g)1.4mg小松菜(ゆで75g)1.6mg
ほうれん草(ゆで75g)0.7mg ビタミンCで吸収率上昇
≪鉄分を多く含む食物≫
肉類 豚肉もも肉・レバー、牛もも肉・レバー、 鶏レバー
卵 卵黄
豆類 えんどう、いんげん、大豆(豆乳・味噌・豆腐・納豆)
緑黄野菜 小松菜、春菊、しそ、パセリ、ほうれん草、からし菜、ニラ
堅果類 くるみ、ごま、栗
海藻類 ひじき、わかめ、こんぶ、のり
魚介類 うなぎ、かつお、さば、しじみ、うに、かき
ビタミンB12 レバー、卵、牛乳、納豆、
≪ビタミンCを多く含む食物≫
パプリカ・ブロッコリー・かぼちゃ・キウイ・イチゴ

≪対策≫ 食事、 規則正しい生活、
鉄剤服用
鉄剤の静注
葉酸の内服(1日400(480)㎍)
≪注意事項≫
濃い緑茶、紅茶、コーヒーなどは鉄の吸収を阻害する(「タンニン」を含んでいるので)食事前後・食事中は控える。
2025年10月21日
久松和寛