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Dr.聡のコラム

RSウィルス感染症ワクチンについて

2024年06月26日

2024年5月31日より、日本全国でRSウイルスに対する母子免疫ワクチン「アブリスボ®筋注用」が発売されることになり、東京マザーズクリニックでも2024年7月1日から接種が可能となります。

RSウイルス感染症とは、RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)はRSウイルスの感染による呼吸器の感染症で日本を含め世界中に分布しています。乳幼児の呼吸器感染症の主要な原因となるウイルスでもあり、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。症状としては、発熱、鼻汁などの軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々ですが、約70%の赤ちゃんは数日後には回復すると言われますが、約30%の赤ちゃん、特に生後6ヶ月未満の赤ちゃんでは細気管支炎、肺炎など重症化しやすいため注意が必要です。RSウイルス感染症には特効薬はなく、基本的には対症療法(酸素投与、点滴、呼吸管理など症状を和らげる治療)を行います。

RSウイルス感染症の感染経路は接触感染と飛沫感染で、発症の中心は0〜1歳児であるため、生後早期からの予防が重要です。RSウイルスの再感染では感冒様症状のみの軽症である場合が多いことから、RSウイルス感染症であるとは気付かれていない年長児や成人が赤ちゃんと接触することにより感染することがあり、症状がある場合には可能な限り乳幼児との接触を避けることが乳幼児の発症予防に繋がります。

以上から生後早期からのRSウイルス感染症の予防がとても重要となります。この度承認を受けたRSウイルス感染症ワクチン(アブリスボ®︎)は、妊婦さんに接種することで母体のRSウイルスに対する抗体を増やし、その抗体が胎盤を通して胎児に移行することで、生まれた赤ちゃんがRSウイルス感染症に対して予防効果を得られる母子免疫ワクチンです。妊婦へのワクチン接種による効果は、生後6ヶ月までの臨床試験の結果、発症予防効果は約50%といわれ、重症予防効果は約80%と言われています。妊娠24~36週の妊婦が接種の対象となりますが、特に28週から36週の接種が有効とされ、接種後14日以内に出産した場合、抗体の胎児への移行が十分でない可能性があると言われています。

RSウイルス感染症は、特に乳幼児にとって重大な健康リスクをもたらしますので、妊娠中のお母さんにR Sウイルス感染症ワクチンをおすすめいたします。

当クリニックのかかりつけの妊婦さんだけでなく、当クリニックにおかかりでない妊婦さんも接種可能です。

詳しくはクリニックスタッフにお尋ねください。

 

東京マザーズクリニックの出生前診断(胎児ドック)

2024年06月04日

高齢妊娠の増加に伴い、出生前診断のニーズが高まってきていますが、最近の新型出生前検査(NIPT)の普及により、一段と出生前診断への関心が加速してきていると思います。

しかしながら現在のNIPT(認可施設で行う検査)は、先天性疾患の約1/4〜1/3しか検査できないことをご存知でしょうか。大半はそれ以外の先天性疾患になります。それらの疾患の診断は超音波検査を用いた検査を併用することにより、全てではありませんが、多くの疾患について検査することが可能となります。

妊娠初期に出生前診断を行うことをご希望される方は、どこまでの病気を診断しておきたいのかにもよりますが、可能な限りの病気について調べておきたい場合は、NIPTのみでなく、妊娠初期超音波スクリーニング検査を行うのが良いと思います。

胎児超音波検査は特殊な技術と経験が必要となります。特に妊娠初期(妊娠11週〜13週)の胎児はまだ小さく詳細な検査は、高度な技術が必要とされ、限られた医療機関でしか行っていないと思います。

東京マザーズクリニックは2012年の開院当初よりの無痛分娩だけでなく出生前診断を専門的に行なうクリニックとして診療を行なっており、多くの出生前診断を行なってきました。妊娠初期の出生前診断として超音波検査に加え、最近ではNIPTの認可施設として登録されたことにより、出生前診断を幅広く行えるようになり、より多くのニーズにお応えできるようになりました。

赤ちゃんのことについてご不安がある方は、ご相談いただければと存じます。

東京マザーズクリニックの書籍のご紹介

2023年11月28日

皆さん、こんにちは。

東京マザーズクリニックは、2012年より無痛分娩を専門とした産科クリニックとして開院しました。

開院当時は無痛分娩を行なっている分娩施設は東京都内でもほとんどなく、私たちクリニックは稀有なクリニックとしてスタートしましたが、理想的な無痛分娩を目指し、無痛分娩の経験が豊富な医師、助産師、看護師が力を合わせ、開院以来、理想的な完全無痛分娩を提供してきました。その取り組みを妊婦様、医療関係者の皆様より私たちクリニックを都内の無痛分娩の専門産科クリニックとして認めていただけるようになったことを大変光栄に思っています。

また私たちクリニックが行なってきている取り組みとして、多くの方に無痛分娩の理解を深めていただくために、無痛分娩についてあまり知られていない2018年に、「怖くない、痛くない、つらくない無痛分娩」の書籍を出版しました。この本は一般の方向けに作ったものですが、多くの産婦様に無痛分娩について知っていただき無痛分娩の普及に少しは貢献できたのではないかと思います。

さらに今年12月には医療従事者向けの書籍「無痛分娩 ―症状アセスメントポケットマニュアルー」も出版いたします。この1-2年の間に無痛分娩を行う分娩施設が急速に増えてきていますが、自然分娩とお産の管理が異なるため、無痛分娩の管理に悩まれている施設も多いと伺い、この度医療従事者向けにマニュアルを出版いたしました。無痛分娩に関する成書はこれまで多く出版されていますが実践に即したマニュアルはないため、ベッドサイドでよく経験するちょっとしたコツを東京マザーズクリニック開院からの無痛分娩の経験をもとにしてまとめました。このマニュアルを多くの医療従事者の方に携帯していただきベッドサイドで活用していただければと願っています。

今後も理想的な無痛分娩を多くの産婦様に提供するとともに、さらに無痛分娩を究めていきたいと思っています。

         

梅毒患者の増加について

2023年09月15日

先日、梅毒患者報告数が今年9月時点で1万人を超え、2022年より2ヶ月早いペースとニュースがありました。梅毒患者数は2021年より増加傾向にあり、2022年は約1万3千人で、過去最多の更新の予想とされています。特に若年層に増えてきていることが注目されています。

梅毒は性感染症の一つであり、性行為により感染します。感染した女性が未治療のまま妊娠された場合、お腹の赤ちゃんは先天梅毒という病気にかかることが知られています。

梅毒に対する有効な治療薬があるため、早期に発見し適切に治療を行えば完治できる病気ですのが、発見が遅れるとさまざまな後遺症は発症する怖い感染症です。ですのでコンドームの使用などによる感染予防がとても重要です。血液検査で感染の有無を調べることができますので、妊娠を考えている女性でご不安な方は妊娠の前に検査を行っても良いと思います。

また感染したことがわからない間に妊娠した場合であっても、妊娠初期の妊婦健診の血液検査で、梅毒の感染についてスクリーニング検査を行いますので、梅毒の感染について調べることが可能です。万が一妊娠後に感染していたことがわかったとしても、妊娠12−13週までは胎児への感染率は低く、また治療薬への反応も良いので、妊娠初期に適切に治療を行えば胎児への感染をかなり高率に防ぐことが可能です。

第126回日本産科麻酔学会学術集会での発表

2022年12月22日

2022年11月26日(土)―27日(日)に浜松市にて第126回日本産科麻酔学会学術集会が行われました。年に一度、産科医、麻酔科医、助産師、看護師が集まり、産科麻酔全般について勉強する学会です。年々、無痛分娩の増加に伴い、無痛分娩に関する発表が多くなってきており、今回も無痛分娩についても活発な討論が行われました。
11月27日(日)にパネルディスカッション「計画分娩バトル」のテーマで無痛分娩の計画分娩の方法やコツについて討論する場が設けられました。その討論に実際に無痛分娩を行なっている4施設から発表がありましたが、その1施設として私が発表する機会が与えられました。学会会場に参加された先生からも質問を沢山いただいて活発な討論ができ、とても有意義な時間でした。また無痛分娩を行う施設が増え、多くの施設で計画分娩をされていると思いますが、会場に参加された方も大変多く、無痛分娩の管理について関心がとても高まっているのだと実感しました。
2012年から無痛分娩を専門に行なっていた我々の施設の経験の蓄積を発表することができ、少しでもお役に立てたなら幸いです。
また、今回の学会では、当クリニック麻酔科医の柏木先生も一般発表として発表されました。無痛分娩で稀に麻酔がうまくコントロールできず痛みが十分に取れないケースがあり、その原因について研究発表されました。無痛分娩を行なっている施設で、このようなケースを少なからず経験し苦慮されていると思いますので、柏木先生の発表も意義のある発表だったと思います。
理想的な無痛分娩を極めるために、今後も無痛分の経験を蓄積し継続的に研究を行い管理法について進歩させていきたいと考えています。

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