
2021年01月01日
新年あけましておめでとうございます。
昨年はコロナウイルスで世界中が混乱した年でした。
このコロナ禍で、外出の制限により人との関わりが少なくなったり、マスクや食料などの生活に必要な不足にみまわれるなど、今まで普通に生活してきたことのありがたさや、健康で元気に日々の生活を送ることに改めて感謝する気持ちを持ちました。
またいろいろなことが制限される今の世の中を生きていくために、困難な状況に自分を変える勇気と変化することにチャレンジする精神がとても重要だと感じた1年でした。
我々クリニックもコロナ感染対策のため、変化を求められた1年でしたが、その中においても妊婦様が安心して出産でき、そして赤ちゃんとお母さんを質の高い医療でサポートできるように努めてまいりました。
まだコロナウイルスが終息の兆しを見えない状況ですが、スタッフ一同感染対策を徹底するだけでなく、より良い医療を提供できるように変化していくことにチャレンジしていきたいと考えています。
2020年08月04日
コロナ感染は一向に落ち着く気配は見せず、逆に日ごとに感染者数が増加してきています。また最近の報告では職場感染や家族内感染の割合、感染経路が不明例の割合も増え、市中感染の様相を呈してきており、第二波が来ていると考えられます。
再度、4月の時のように不要不急の外出を控え、外出するときには3密を避け。手洗いをしっかりすることをぜひ心がけてください。
私たちクリニックでは、お母さんと赤ちゃんが安全に安心してお産していただけるように最善の環境を整えたいと考え、コロナ感染対策を行っておりますが、コロナ感染の状況に応じて、クリニックスタッフと協議し日々見直し変更して実施しております。
妊婦様、ご家族に、私たちの感染対策にご協力をいただくことが多いと思いますが、どうかご理解をいただけますようお願いいたします。
少しでも早くコロナ感染が終息することを心より祈っています。
2020年04月27日
新型コロナウイルス感染症についてご不安に感じていらっしゃる妊婦さんが多いと思 います。
これまでに海外での妊娠中の感染報告例は少なく、まだ妊娠に与える影響についてわかっていませんが、海外での報告例では、経過や重症度に関しては非妊婦と変わらなかったとされています。しかし、妊娠中は免疫バランスや心肺機能の変化が影響するため一般的に新型コロナウイルス以外の肺炎(例えばインフルエンザウイルスなど)でも妊娠中は重症化する可能性がありますので、非妊娠時よりいっそうの感染防止に努める必 要があります。
またお腹の赤ちゃんへの影響については、今のところ2016年に流行したジカ熱のような、子どもの先天性障害や流産、早産のリスクが高いとする報告はありません。しかし新型コロナウイルスの妊娠初期の感染例の報告はなく、今後の報告を待つ必要があります。感染が疑われる(37.5度以上の発熱が2日程度続く場合、強いだるさ、息苦しさがある)場合は、帰国者・接触者相談センターにご相談ください。またかかりつけの産婦人科にも連絡してください。
日頃の注意点としては、一般的な注意点とかわりません。
1)不要不急の外出を控える
2)こまめな手洗い、うがい
3)人混みを避ける
4)1密閉空間、2密集場所、3密接場面の3つの「密」か重なる場面を避ける
5)喫煙はリスクが高くなるため、ご本人、ご家族も含めて禁煙を心かける
6)十分な睡眠と、バランスの良い食事で栄養を取り、体調を整えるように留意する
皆様、ご不安だと思いますが、力あわせてこの難局を乗り越えていきましょう。
2019年12月12日
令和元年11月23-24日に昭和大学医学部において第123回日本産科麻酔学会が行われました。無痛分娩をはじめ帝王切開などの産科麻酔に関する研究発表が行われる学会で、そのほか産科救急に関しても議論をかわされる学会です。毎年開催され、全国から産科医、麻酔科医、助産師、看護師が参加し勉強しています。
クリニック開院以来、毎年この学会で無痛分娩に関する研究を発表しておりますが、今年は私と麻酔科医の柏木先生が2つの研究について発表しました。
私の研究は、初産婦で無痛分娩をされた妊婦さんについて、帝王切開、分娩時の出血量に関わるリスク因子についての研究を発表しました。この研究の結論は、帝王切開、分娩時の出血量に関わるリスク因子は母体のBMIと児の大きさが影響することが明らかとなりました。一方で麻酔の開始のタイミングや麻酔使用時間や使用量など麻酔による影響や計画分娩による影響は認められませんでした。また母体のBMIと児の大きさに相関関係を認めたことから、母体の妊娠中のBMIのコントロールが重要と考えられました。最近ではダイエットなどによる痩せ型の女性の妊娠による児の発育への影響が話題となっており、妊娠中の体重管理はあまり厳しく言われない傾向ですが、今回の私達の研究から妊娠中のBMI4以上の体重増加は帝王切開の可能性や分娩時の出血のリスクが高くなる傾向が認められ、妊娠中の栄養管理・指導による体重管理は重要だと考えています。
柏木先生の発表は、無痛分娩による産後うつ病に与える影響についての研究でした。最近では産後うつ病により母体死亡が明らかとなり、妊娠、産後のメンタルヘルスが周産期医療において課題となっています。今回の研究は無痛分娩により産後うつに悪い影響を及ぼすのかそれとも良い影響を及ぼすのかといった疑問に対する研究でした。現在、私たちクリニックではエジンバラ産後うつ病自己評価表(EPDS)を用いてスコア化して妊娠中、産後のメンタルを評価していますが、このスコアの無痛分娩前後の推移により検討しました。この研究の結果は、無痛分娩が産後うつ病に対し良い影響があったことを示すことはできませんでしたが、一方で悪い影響を及ぼすという結果も示されませんでした。この研究から少なくとも無痛分娩というイベントが分娩前後に妊婦さんに心理的に大きな影響を及ぼすことなく、精神的に安定して産後の育児に移行できていると考えられます。このことは妊婦さんそれぞれが、ご自身の希望・期待する分娩ができることに対する安心感・達成感の結果と考えることもできます。
私達クリニックは妊婦の皆様に安心で安全そして理想的な無痛分娩を提供できるように、これからも無痛分娩に関する研究に取り組み、日々の診療にフィードバックしていきたいと考えています。
2019年10月10日
インフルエンザは例年12月から3月にかけて流行しますが、今年の夏休み明けごろより全国の学校でインフルエンザによる学級閉鎖が行われたところもあり、今年のインフルエンザは例年より早く流行し始めているようです。
今後本格的な流行が予想されるため、インフルエンザにかからないように気をつけてください。
インフルエンザの対策として
1) 手洗い
2) 休養、栄養
3) 適度な室内加湿と換気
4) 予防接種
などが挙げられます。
妊娠中は免疫力が落ちているため、妊娠中にインフルエンザにかかると重症化しやすいことが知られています。そのため妊娠中のワクチン接種が勧められています。インフルエンザワクチンは接種してもワクチンの成分による感染をおこすことのない不活化ワクチンです。妊娠中の不活化ワクチン接種は問題ないと考えられています。妊娠初期にインフルエンザワクチンを接種した妊婦の研究でも先天異常発生率の増加はみられなかったので、妊娠中のすべての時期において安全と言われています。
妊娠中はお母さんのインフルエンザ感染を予防することが大切なので予防接種をうけましょう。