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久松理事長のコラム

妊娠中のチーズに注意

2022年11月25日

 皆さんは、チーズがお好きでしょうか?妊娠中に食べてはいけないチーズがあることをご存じでしょうか?
 チーズには、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類があり、生産の工程の違いから食べたチーズによって妊娠中の母児に影響することがあるのです。
ナチュラルチーズは、①加熱しない生乳を原料に作る(無殺菌もあり)
          ②加熱殺菌した乳を原料に作る
プロセスチーズは、ナチュラルチーズに乳化剤などを加えて加熱して溶かし再び成形したもの

ここで問題になるのは、加熱・殺菌があるかによって母児へ影響します。
原因菌:リステリア、潜伏期:6時間~10日、中枢神経系は平均3~70日
    自然の土や水の中にみられ、熱・塩・酸・冷凍・乾燥に強い
    冷蔵庫内でも繁殖し18℃では繁殖しない
    食物の味や匂いは変えない
症 状:発熱・筋肉痛・胃腸症状 さらに神経系統に広がり頭痛・痙攣・ふらつき から髄膜炎になる
母体への影響:インフルエンザ様症状  悪寒・発熱・背中の痛み⇒受診を
    流産・早産・死産を特に妊娠26~30週で起こしやすい
胎児への影響:胎盤を通過するため流産・早産・死産を起こす
    早発性:出生数時間~数日   遅発性:出生数週間後
    敗血症(新生児敗血症):生後1週間以降に死亡
    髄膜炎(新生児髄膜炎):体温の異常・無呼吸・皮膚、目の黄染・けいれん・嘔吐・不機嫌⇒ 10~50%は死亡、治療しても20~50%は難聴・知的障害・水頭症に

以上が、チーズの服用での影響ですが、チーズには丈夫な体を作るたんぱく質・歯や骨を健康に保つカルシウム・神経管閉鎖を予防する葉酸・貧血を防ぐ亜鉛など妊娠中に摂取したい栄養をたくさん含んでいます。

注意すべきチーズについて
  ナチュラルチーズ:白カビタイプ(カマンベール・ブリー)
  青カビタイプ(ゴルゴンゾーラ・スティルトン・ロックフォール)
  ウオッシュタイプ(モンドール・エボワス)
  フレッシュタイプ(モッツアレラ・クリームチーズ)
フランスでは、チーズの称号付与に対して殺菌しないという項目もあり、又殺菌しているものもあるので、殺菌していないものは妊娠中に控えるように。
特に輸入されたチーズには十分注意が必要です。
殺菌されているかを確認し、クリスマスに食べるケーキにも注意してください。
プロセスチーズ:スライスチーズ・6Pチーズ・ベビーチーズは大丈夫。

予防方法  リステリア菌感染予防
 ① 生野菜・果物は食べる前に良く洗う
 ② 賞味期限内に食べる
 ③ 無殺菌の牛乳は避ける
 ④ チーズは殺菌・加熱されたものを選ぶ
 ⑤ 加熱してないものを処置したまな板などはよく洗うこと 

以上、これからクリスマスですが、生ハム・スモークサーモンなども気を付けてください。

おぎゃー献金

2022年06月06日

 おギャー献金とは何かご存じでしょうか?
誕生する赤ちゃんが健康で生まれてほしいとの思いは、家族の切なる願いです。しかし、おぎゃーと生まれた赤ちゃんにごくわずかに遺伝病や心身に障害のある赤ちゃんがいます。そのような障害を持った赤ちゃんの施設や心身障害児のための施設及び心身障害の予防や養育に関する研究の補助のために、思いやりの手を差し伸べる愛の運動です。
 この運動は、昭和38年鹿児島県伊佐市(旧大口市)で産婦人科医院を開業していた達矢善栄先生が、当時毎日医院の前を通る近所の重症心身障碍児の3姉妹を見るにつけ、救済する手立てはないかと考え、健康な児を生んだ幸せなお母さん方と出産に立ち会った医師や助産師・看護師たちに“愛の献金”を訴えたのが発端です。そして、この鹿児島から始まった運動を日本産婦人科医会に紹介して、全国展開となったのがこの“おぎゃー献金”で、出産された施設(病院も含む)で献金箱を用意して、愛の献金をお願いして既に60年近くなります。
 献金されたお金は、全国の地方をブロック分けしてその地方で年度ごとに各県の持ち回りでその地域の障碍者施設・障碍者研究施設への分配を行ってきました。(例えば、令和2年九州地区では大分県、中国地方では山口県の施設)
 今回、この話題を取り上げたのは、献金の額が毎年減少傾向にあり、献金の趣旨と利用施設の理解を頂き施設の充実・障害児の未来に向けての手助けを産婦人科に関係された方(妊婦さん他)にお願いします。障害児施設は、出生直後の児だけでなく元気に生まれたのに障害児になる可能性をあります。出産された施設で、産婦人科医会に所属している施設であれば献金箱があると思います。また、この趣旨を理解している施設であれば、医師・助産師・看護師さんからの説明もあると思います。心ばかりの愛の手を差し伸べてくださることをお願いします。
 詳細は、産婦人科医会ホームページ“あぎゃー献金について”に記載されています。
 皆様のご協力をよろしくお願いします。

NCPR 【インストラクター対象】フォローアップコースに参加して

2022年03月28日

 3月5日(土)NCPR(新生児蘇生法) フォローアップコースに参加した。
NCPRについて誕生からその研修内容などについて報告します。


 NCRRとは、北米で出産を取り扱う施設のすべてにNRP(Neonatal Resuscitation Program新生児蘇生)の研修を行うことで、極低出生体重児に対して出生時の状態が有意に改善したことが示され、日本でも2007年小児科・産科の医師及び助産師・看護師に対して日本版としてNCPR講習が開催されました。
 NCPRは、新生児出生時分娩に立ち会った医療関係者が決められた手順を行うことによって新生児を救命できるアルゴリズムが作成され、講習が始まりました。
NCPR研修会は、講義・プレテスト・実技・ポストテストと約3時間行われ、新生児蘇生法の資格を取得し、各分娩施設に帰り出生時に役立てるという趣旨で始まりました。
当時、広島からは5人の産科医が研修に参加し,インストラクターの資格を取得いたしました。資格習得後は、各地域においてNCPRの普及のため次回資格更新まで2回の講習会開催と指導を行う様に義務づけられ、在広時には市民病院の西村先生のもとに講習会に参加させていただきました。
 また、ガイドラインも現在2020版で3回目の改定となり、アルゴリズムも当初から2015版は6点・2020版は7点の改定で徐々に高度の蘇生法となっています。
 今回の私の研修会参加は、広島の医院閉院もあり研修会の開催ができず、上京後東京マザーズクリニックにおける病院主催の講習会で2回講師を務めたのですが、昨年より3回の研修出席が必須となり、今回あと1度の研修が不足のためフォローアップコースに参加させていただきました。
参加するにあたって、アルゴリズム・蘇生技術に関して、試験が行われるかも知れないと思い、開催2週間前から受験生に帰ったように毎日勉強いたしました。
 研修会は、当日朝9時30分から開催され、約40名位の参加でした。
会は、まずビデオの供覧その後インストラクター2人に対して10人のグループに分かれ、そのグループも2組に分かれ5人で実技役・インストラクター役・総括者で実際の分娩後を想定しての実施を行い。最後に、反省点を議論するという研修でした。
試験はありませんでしたが、各地区でインストラクターを行っている医師・助産師・看護師の方の取り組みを拝見することができ、大変充実した3時間でした。
 以上、危機感を持って参加しましたが、指導書を熟読でき今後蘇生について大変有意義な時間を過ごすことができた数週間でした。

妊婦の新型コロナウイルスワクチン接種に関するWEBアンケート調査

2022年01月25日

この度、日本産科婦人科学会より妊婦さんを対象にコロナウイルスに対するワクチンの接種状況について報告があったので簡単に記載します。
調査期間:2021年10月5日~11月22日
対象:期間中妊娠中の女性  6,576人
      初回妊娠 57.5% 
              妊娠初期(15週まで) 22.2%   妊娠中期(16~27週)33.2%
              妊娠後期(28週以降) 44.7%
ワクチン接種状況:
     1回以上接種済み妊婦 5,397人(82.1%)
              2回接種        4,840人(73.6%)
              未接種          1,179人(17.9%)
接種ワクチン:
    1回接種  ファイザー(73.3%)  モデルナ(19.4%)
              2回接種  ファイザー(73.7%)   モデルナ(20.7%)
              不明  271人
参加者で42人がCOVID-19に罹患
接種後の症状:
     疼痛 1回目接種後 96.8%     2回目接種後 92.61%
             その他副反応は同年代の非妊女性と同等であった
   【産科的症状】 
     腹緊 1回接種後 1.65%   2回接種後 2.98%                    
             子宮の痛み 2回目接種後 1.06%
             出血・胎動減少・浮腫・血圧上昇・破水
     1回目接種後 2回目接種後  1%以下であった
【結論】
 妊娠中のCOVID-19感染は胎児への影響はないが、妊娠後期に感染すると母体の重症化リスクが高まり、治療目的で早産となることが多いと言われている
 COVID-19予防のためのワクチン接種は、妊娠初期での接種(12週以前)も可能となり、今回の調査でも2回目接種終了している妊婦の割合は73.6%で同時期の日本国内の接種割合と同等であった。
 今回のアンケートで、COVID-19感染者に関してはワクチン接種状況は不明であった。
 産科的症状の子宮の痛みが3%に、出血など出現した妊婦が1%見られたが、接種を受けていない妊婦に起こる頻度と変わらず、特に関係ないと思われる。
 尚、スコットランドの調査でCOVID-19感染で胎児・新生児死亡、低出生体重児の報告もあり、妊婦においてワクチン接種の重要性が感じられた。

新年のご挨拶

2022年01月01日

 明けましておめでとうございます。

 2022年 壬虎年が始まりました。本年の干支の虎は優しく乳虎・母虎と言われる年だそうです。
当医院は、本年1月11日で新規に開院して丸10年を迎えます。
皆様のおかげで大禍なく迎えることが出来ました。
 これからが、当院がいままで培ってきた技術・患者様に寄り添う気持ち・母児共に無事で安心な妊娠生活およびお産への誘導に一層花を咲かせる大切なステップと考えています。
一昨年より続いたコロナ禍で、患者様皆様に大変ご不自由で行き届かないことも多々あったと思います。
今年は新しい気持ちで皆様に、より一層寄り添ってどなたも満足いただける医院となるよう努力する所存です。

 本年も、東京マザーズクリニックをよろしくお願いします。
                         理事長  久松 和寛

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