Dr.聡のコラム

今年の風疹の流行とプレママ健診の重要性

2013年03月18日

最近、新聞などの報道で風疹の流行が話題になっています。
厚生労働省の発表では、昨年の風疹は2,353例の報告があり、過去5年間で最も多く、
今年も同様の傾向です。特に首都圏での増加が顕著です。我が国において、20~40歳代の女性で風疹への抗体を持っていない方は4%で、また風疹感染予防に不十分な低い抗体価しかない方は11%もいらっしゃいます。
抗体がない、あるいは低い抗体価の女性が妊娠され、その妊娠中に風疹にかかると、お腹の赤ちゃんに難聴や心疾患、白内障などの病気(風疹症候群)を起こす可能性があるといわれています。昨年の流行の影響で、6人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが報告されています。
抗体のない方、あるいは抗体価の低い妊婦さんは、妊娠中にワクチン接種ができませんので、感染の予防に努めるしか方法がありません。そのため、妊娠期間中にご不安をお持ちになる妊婦さんも多くいらっしゃると思います。
理想的には妊娠をされる前の女性が、現在のご自分の健康状態や妊娠準備状態について把握することはとても重要です。もし風疹抗体がない、あるいは抗体価が低いということが、妊娠前に分かれば、ワクチン接種を受けることが可能で、その後の妊娠も安心して迎えることができます。

これは、風疹だけに限ったことではなく、麻疹等の他のウイルス感染も同様です。
ただし、風疹のようにワクチン接種による予防法がある感染症ばかりではないのも現状です。しかし、ご自分の現在の状態を把握し、何に気をつければ良いかなど、心構えを持って妊娠されることはとても大きなメリットになります。

そのようなことから、われわれ東京マザーズクリニックでは2013年3月よりプレママ健診を始めました。
これから妊娠を迎える女性に対し、産婦人科検診を行い、現在の女性の健康状態や妊娠準備状態について診断し、心身ともに妊娠の準備をするためのサポートをさせていただきたいと考え始めました。一般検査だけでなく、妊娠についてのいろいろなご相談に対してもスタッフがご相談をお受けいたします。
これから妊娠をお考えになっている方は、安心して妊娠・出産を迎えるためにもプレママ健診を一度受けていただけたらと思います。

東京マザーズクリニック開院1年

2013年01月11日

2012年1月11日に東京マザーズクリニックを開院して1年が経ちました。
無痛分娩と胎児診断を専門とするユニークなクリニックとして開院しましたが、
おかげさまで開院後1年を終え、多くの方に東京マザーズクリニックの名前を
知っていただけるようになってきました。
開院後1年間に東京マザーズクリニックでお世話させていただいた分娩件数は
174件になりました。そのうち骨盤位(いわゆる逆子)や前回帝王切開術既往
のため、最初から帝王切開術の予定となった6件と、無痛分娩168件(無痛分
娩経過中に帝王切開術となった方も含みます)の管理をさせていただきました。

また、胎児ドックに関しては、当クリニックで分娩される患者様だけでなく、
当クリニックで妊婦健診を受けていない患者様でも胎児ドックのご希望で受診
される方が増えてきました。開院後1年間の検査件数は、
NT計測  370件(うち院外:216件)
妊娠中期胎児超音波スクリーニング検査 330件(うち院外:156件)
クアトロテスト 105件(うち院外40件)
染色体検査 64件(絨毛検査:34件、羊水検査:30件)

また、患者様にさらにより良い医療を提供できるように、クリニックは研究にも
取り組んでいます。現在進行中の研究として 1)産後ケアとメンタルヘルス、
2)無痛分娩と母乳育児 であり、クリニックの医療・ケアにフィードバックできるように
していきたいと考えております。

東京マザーズクリニックは今年で2年目を迎えますが、スタッフ一同より良い医療を
患者様に提供できるように、さらに努力し前進していきます。
どうぞ東京マザーズクリニックをよろしくお願いいたします。

東京マザーズクリニックの無痛分娩

2012年11月01日

最近では徐々に無痛分娩の名前が浸透しつつあり、東京都内でもいくつかの施設で無痛分娩が行われております。
自然分娩と無痛分娩では、どちらも安全にお産できる方法ですが、それぞれ分娩管理方法に若干の異なる部分があるため、無痛分娩のための分娩管理が必要となります。そのため無痛分娩も各施設で麻酔方法や分娩管理法が異なっているのが現状です。
私たちは自然分娩と無痛分娩では出産時の陣痛の痛みをコントロールする分娩(出産)の過程だけが違うのではなく、妊娠、出産、産後のすべての経過も異なり、無痛分娩をご希望されるお母さんに対する専門的なケア(管理)が必要なのではないかと考えています。そういった意味で我が国の無痛分娩は、まだ確立されていないところがあると思われます。
東京マザーズクリニックでは、無痛分娩に積極的に力をいれている産院です。無痛分娩をご希望されるお母さんに理想的な妊娠生活と痛みのない完全無痛分娩、そして安心な産後の育児をご提供できるように、スタッフ一同、日々研究を行い、向上しております。そして真に日本人に理想的な無痛分娩の確立を目指しております。
 
■東京マザーズクリニックの無痛分娩の特色■

1)陣痛の痛みを感じ始めた段階から無痛分娩を開始します(完全無痛分娩)
 

2)子宮口の準備状態(頸管熟化の状態)にあわせて、なるべく自然に近い分娩となるような計画出産をご夫婦と相談して予定します。(子宮口の状態によっては、時に分娩予定日をすぎる方もいますし、予定していた日の前に陣痛発来や自然破水で入院され分娩なる方もいらっしゃいます)
 

3)Skin-to-skin contact(カンガルーケア)、母乳育児など、妊婦さんのご希望に合わせたオーダーメイドな産後ケアを提供しております。

 

「胎児診断のあり方」について

2012年07月01日

「胎児診断のあり方」について少しご紹介させて頂きます。

最近の医療技術の進歩が目覚ましくさまざまな医療分野において診断や治療が進んできています。その医療技術の進歩は胎児診断にも応用され、現在ではおなかの中にいる多くの胎児の病気の診断が可能となってきました。しかし、その技術が進歩する一方で胎児診断についてあまりご存知ない方、あるいは胎児診断という言葉はご存知でも、胎児診断のために行われる検査の種類や検査の目的、方法については詳しくない方が多いのが現状だと思います。よく理解されないまま検査を受けられると、その検査結果の内容によっては大変困惑され、はじめてその検査の意味や解釈等について考えなければならない事態になることもあり得ます。胎児診断に関わる検査について十分な理解をされた上で検査を受けることが重要と考えます。
胎児診断を受けるにあたり知っておかなければならない事は、胎児診断により多くの病気についての診断は可能になりましたが、全ての病気が診断できる訳ではありません。胎児診断の限界も知っておく必要があります。胎児の病気の中には胎児期から治療(胎児治療)が可能な病気や出生後から治療(新生児治療)を行えば治療が可能な病気もあります。胎児診断を行うことによりそれらの病気を診断し適切な治療が受けられることが可能となることも知っておきましょう。
 

東京マザーズクリニックが考える胎児診断(出生前診断)のポイント

胎児診断(出生前診断)の目的、意義、その結果から考慮することについて事前に説明を行い、十分な理解と検査への意思を確認して進める。そして検査の結果についての説明を行い、ご夫婦の十分な理解と意思決定できるようにサポートするカウンセリングが重要と考えています。

より詳しく(胎児ドック)

胎児ドック専用回線

TEL:03-5450-3216

〒158-0098 東京都世田谷区上用賀4-5-1
東急田園都市線用賀駅よりタクシー 約5分、徒歩約13分