初診のご予約はこちら  初診ネット予約  TEL:03-3426-1131
(胎児ドックのご予約はお電話にて承ります)

妊娠・出産・子育ての役立つ情報

赤ちゃんのことをよく知りましょう~母児同室~

2013年08月19日

当クリニックでは、母児同室を行っています。
母児同室とは、産後すぐから、生まれた赤ちゃんとお母さんが同じ部屋にずっと一緒にいることです。赤ちゃんが泣くたびに授乳できるし、いつでも自分の胸に抱けるので、つよいきずなを感じるというお母さんがたくさんいらっしゃいます。
 
母児同室はお母さんと赤ちゃんがお互いのことをよく知るために行います。
入院中の24時間の母児同室は、お母さんが退院後の育児に自信をもつためにも役に立つでしょう。赤ちゃんの昼間の様子、夜の様子、日によっても違います。「おっぱいが欲しい」「オムツをかえて欲しい」「抱っこしてほしい」など、何で赤ちゃんは泣いているのか、何を訴えているのか、同室して一緒にいると自然とわかるようになってきます。
お産後は4日目で退院です。お母さんは、わからないことを少しでも解消して、退院後の生活を送ってほしいと思います。
 
赤ちゃんとお母さんが1日中一緒の部屋で過ごすことは、母乳育児のためにも大変効果的です。生まれてすぐから赤ちゃんがおっぱいを欲しがった時に欲しがるだけ授乳することは、早くたくさん母乳を出すために有効であることがわかっています。赤ちゃんとお母さんがいつも一緒にいてこそ、赤ちゃんの欲しがるサインを早く見つけ、ちょうどいいタイミングで授乳することができます。このように母児同室にすると、比較的自分の思うように母乳育児の出発ができます。
 
また、母乳を出すために働くホルモンは夜のほうがよく出るという研究があります。母乳が出るようになってからは、夜間に授乳しないとおっぱいが張りすぎて痛くなったり、熱が出たりとトラブルも起こりやすくなります。
赤ちゃんと一緒にいるお母さんでは、細切れに睡眠をとるのが上手になり、短くてもぐっすり眠れるという研究もあります。早くお母さんと赤ちゃんのリズムが合うようになったほうが退院してからの生活が楽になるでしょう。
 
「次、赤ちゃんが欲しがるまで預かってほしい」「授乳の時だけ、声をかけてほしい」「夜は預かってほしい」「まずはゆっくり休みたい」という方お母さんの要望にも、もちろん、お答えいたします。
一緒に相談しながら、お母さんの体調に合わせて育児ができるよう支援していきます。

文責 院長

母乳ってどうしたらでるようになるの? 後編

2013年07月26日

今日は前回の続きをお話ししますね。
 
前回母乳が出るようになるには、ホルモンを出すために、赤ちゃんが生まれた直後から赤ちゃんに1日8回以上おっぱいを吸ってもらいましょう。というお話をしました。
 
母乳が出るようになるには、ホルモンを出すことの他に、もう一つ重要なことがあります。
それは、母乳をできるだけ多く外に出すことです。
 
母乳は外に出せば出すほど、体が「これじゃ足りないんだ!」と感じて、作られるようになります。
逆に、外に出せなければ母乳は作られなくなってしまい、今度は母乳を作る細胞を壊してしまうように働きかけられるようになります。
 
昔は、1回の授乳で、左右両方のおっぱいを赤ちゃんに吸ってもらうために、5分左のおっぱいを吸わせたら、次は5分右のおっぱいを吸わせましょうと言われていました。
 
しかし、今は違います。このような切り替え授乳をすることは、母乳をたくさん外に出すことを阻害し、赤ちゃんが満足しないといわれています。
左右交互に授乳ができれば、おっぱいの左右差はなく問題にはなりません。
また、赤ちゃんが吸いたいだけ吸わせることで、赤ちゃんは満足してよく眠ってくれるようになります。
 
母乳を作るのは、赤ちゃんの仕事です。
赤ちゃんが欲しがる時に、欲しがるだけおっぱいを吸わせることでいずれ、赤ちゃんが欲しいだけ母乳が作られるようになります。赤ちゃんのペースに合わせて生活ができると、母乳育児だけでなく、赤ちゃんとの生活もうまくいくと言われています。
 
また、母乳がたくさん出るようになるのは、赤ちゃんが生まれた約72時間後からといわれています。初めからたくさん出る方は少ないのです(個人差はあります)。それでも赤ちゃんは、ママの母乳で育つために、お弁当と水筒を持って生まれてくると言われています。ですから、初めから母乳が出なくても問題ないのです。
 
赤ちゃんの力を信じて、赤ちゃんと一緒にママも育っていきましょう。
 

  母乳が出るようになるポイント!
①出産直後から、赤ちゃんが欲しがる時に欲しがるだけ(1日に8回以上)おっぱいを吸わせましょう。
②母乳をできるだけ多く外に出すために、おっぱいが空に近づくまで赤ちゃんに吸ってもらいましょう。

次回は、母児同室についてです。


文責 院長

母乳ってどうしたらでるようになるの? 前編

2013年07月12日

ほとんどの方が、「母乳が出るなら母乳で育てたい!」と考えています。初めての方はお産もそうですが、その後の赤ちゃんとの生活も未知の世界ですよね。ですので、出るなら・・・とお考えになるのは普通のことなのかもしれません。
 
母乳がどのようにすれば出るのかを知っていると、お産後の生活を想像しやすくなりますし、せっかく母乳で育てようとお考えのみなさんが、赤ちゃんを母乳だけで育てられるようになると思います。
ですから、今日は母乳が出るようになるメカニズムについてお話ししていきます。
 
さて以下の①②③④は、妊婦さんによく聞かれる質問です。みなさんも一度はお考えになったことがあるのではないでしょうか?
 
①おっぱいが小さい人は母乳が出にくいって本当ですか?
②自分の母親は母乳が出にくかったと言っています。私もそうなりますか?
③赤ちゃんがとっても大きく生まれてきそうです。赤ちゃんが大きいと母乳だけで育てるのは難しいって本当ですか?
④上の子の時おっぱいが出なくて苦労したので、今回も母乳だけで育てることはできませんよね?
 
さて、実際はどうなんでしょうか・・・
 
 
 
 
 


答えは、全て「いいえ」です。
母乳がでるようになるのは、おっぱいの大きさも、遺伝も、赤ちゃんの大きさも全く関係ないのです。
④の前回の経過に関しては、逆に関係します。上のお子さんの時に母乳を少しでもあげた方は、初めてのお産の方よりも、より早くおっぱいが出始めると言われていますので、母乳育児のスタートが切りやすいということですね。
 
では、母乳が出るようになるにはどういうことが関係しているのでしょうか?
 
まずは、ホルモンの分泌です。
赤ちゃんが生まれた後に胎盤が役目を終えてでてきます。その瞬間に体のホルモンが切り替わり、プロラクチンというホルモンが出てくるようになります。プロラクチンがたくさん出れば出るほど、母乳をたくさん作るようになります。
では、プロラクチンはどのようにしたらたくさん出るようになるのでしょうか??
 
それは、赤ちゃんが生まれた直後からおっぱいを赤ちゃんに何度も吸ってもらうことです。ただそれだけなんです。
 
赤ちゃんがおっぱいを吸うことによって、その刺激が脳に伝わり、プロラクチンが出てきます。最低でも3時間に1回(1日8回以上)おっぱいを赤ちゃんに吸わせることが重要です。そして、プロラクチンは夜特にたくさん出てきます。ということは、夜授乳することは昼間授乳するよりも、たくさん母乳を出すことにつながるということです!
何らかの理由で、出産直後から赤ちゃんに直接吸ってもらえない時は、手でおっぱいを搾って刺激をしたり、電動搾乳器を使用して赤ちゃんの代わりに刺激をしています。
 
赤ちゃんがおっぱいを吸うと、母乳の出に関わるもう一つのホルモン、オキシトシンも出るようになります。オキシトシンは、別名:愛情ホルモンと言われています。
オキシトシンが出ることによって、たくさんおっぱいが出るようになったり、子宮を元に戻すように働いたり、ママはリラックスでき、赤ちゃんをかわいいと思う気持ちを促進させたりします。
逆に授乳中、痛みを感じたり、つらいと感じたりするとオキシトシンは分泌が抑えられてしまい母乳はあまりでなくなってしまいます。ですから、授乳をするときは、ママが本当に楽な姿勢でゆったりとした気持ちで行うことも重要ですよ。
 
母乳が出るようになるには、ホルモンを出すことの他に、もう一つ重要なことがあります。
今回は少し長くなってしまったので、次回お話ししますね。
文責 院長

母乳が良いと言われる理由 ~お母さん編~

2013年06月16日

なぜ今の時代に母乳育児なのでしょうか?
赤ちゃんにとってはもちろん、お母さんにとってもいいことがたくさんあることが知られています。
 
○産後の子宮収縮を早め、出血を抑えます
○ひんぱんな授乳による避妊効果により、次の妊娠との間に適切な期間を開けることができます
○内臓脂肪を減らし、妊娠中に増えた体重がもとに戻りやすくなります 
 母乳栄養で育てると、なんとお母さんは1日700キロカロリー消費することがわかっています
○乳がん、卵巣がん、子宮体がん、骨粗鬆症、関節リウマチになるリスクが低くなります
○粉ミルクや哺乳瓶を買ったり、調乳したり、消毒したりする必要がないので、お母さんのエネルギーが節約でき、更に経済的です
○授乳にかかわるホルモンはお母さんをストレスから守り、赤ちゃんとの結びつきを強めます。このホルモン、お母さんに幸福感を与えてくれる作用もあります。
 
少し大げさに言うと、
母乳栄養で育てると、お母さん自身が健康でスリムボディになりやすい!ということです。
素晴らしいですね。
当クリニックでは、お母さんと赤ちゃんを温かく見守り、母乳育児支援をいたします。

文責 院長

母乳が良いといわれる理由 ~赤ちゃん編~

2013年05月17日

今日は、母乳が良いといわれる理由についてお話していきます。

赤ちゃんにとって、母乳ほどよい栄養はありません!!
母乳はママだからこそ赤ちゃんにあげることのできる、とても大切で何にも代えられない唯一無二のものです。

赤ちゃんがママのお腹の中にいる間は、胎盤からへその緒を通じてママの血液が送られ、そこから赤ちゃんは栄養をもらって日々成長しています。
生まれてからはへその緒のつながりはなくなりますので、代わりにおっぱいから栄養をもらうことはとても自然なことです。

誤解されないようお伝えしておきますが、決して人工乳を赤ちゃんにあげることが悪いというわけではありません。
しかし、人工乳はあくまでも母乳の代用品です。
ですから、いろいろな事情があり母乳をあげることができない場合、人工乳をあげることが必要となります。
ある小児科の先生は、「人工乳は薬のようなもの」と言います。薬は必要な時にだけ使いますよね。母乳を飲ませたいけどどうしても飲ませることができない時に使うものだと考えるとよいかもしれません。 また、いつまでも薬が必要なことはそう多くはありません。

十分な母乳を赤ちゃんにあげることができる場合、人工乳を飲ませることは赤ちゃんの腸の環境によくないと言われています。せっかく母乳で整えられた腸の環境を人工乳が壊してしまうことがあるのです。

お仕事復帰を考えられている方は、人工乳が必要だと考えていらっしゃる方もおられるかもしれませんね。

しかし、直接授乳ができなくても、搾乳といって、母乳を搾って赤ちゃんにあげることができます。
また、母乳だけで育てられる期間は生後6か月ごろまでと言われています。その後は、補完食(離乳食のことです)が必要となってくるので人工乳をあげる必要はありません。
6か月より早くお仕事復帰を考えていらっしゃる方は搾乳をお勧めします。
赤ちゃんを保育園に預けることになると思いますが、保育園に行くことで赤ちゃんは、お家で過ごす赤ちゃんよりも、多くの感染症にかかる可能性が高くなります。
人工乳で育つ赤ちゃんよりも、母乳だけで育つ赤ちゃんの方が感染症にかかりにくいと言われていますので、保育園に預ける赤ちゃんほど母乳で育てることで赤ちゃんの健康のためになるんですよ。また、お仕事と保育園で離れている時間が長いので、夜直接授乳を行うことは、赤ちゃんとのコミュニケーション手段となります。

そのほかに、母乳だけで育つ赤ちゃんは、人工乳で育つ赤ちゃんと比べてよいことがたくさんあります。
まずはアレルギーになりにくい、情緒が安定しやすい、乳幼児突然死症候群(SIDS)になりにくい、将来肥満になりにくい、IQが高くなる傾向があると言われています。

母乳だけで赤ちゃんを育てることはとても大切ですが、母乳を長い間赤ちゃんにあげることも大切です。
UNICEF/WHOは、2年かそれ以上母乳を赤ちゃんにあげることは有益であるといってます。 混合栄養をされる方でも、できるだけ長く母乳を赤ちゃんにあげましょう。

当院では、1ヵ月健診の時点で母乳だけで赤ちゃんを育てている方は約半数以上いらっしゃいます。
母乳と人工乳の混合栄養をされている方も合わせると、母乳育児を行っている方は95%以上です。

ぜひ、赤ちゃんの健康のためにも母乳育児をしませんか?
母乳育児が行えるよう、私たちは精一杯サポートさせていただきます。 次回は、ママにとってよいことをお話ししていきますね。
文責 院長
 初診ネット予約  (胎児ドックのご予約はお電話にて承ります)

TEL:03-3426-1131

FAX:03-3426-1170

〒158-0098 東京都世田谷区上用賀4-5-1
東急田園都市線用賀駅よりタクシー 約5分、徒歩約13分