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妊娠・出産・子育ての役立つ情報

バースカンガルーケアをしましょう

2013年04月16日

まずは言葉の整理から
Kangaroo Care(カンガルーケア) 
Kangaroo Mother Care(カンガルーマザーケア)
skin-to-skin contact(肌と肌との触れ合い)
 
さまざまな呼び方がありますが、生まれてすぐに行うママとの接触のことをバースカンガルーケア(Birth Kangaroo Care)、またはearly skin-to-skin contact (早期接触)と言います。
 
なぜこのようにたくさんの言葉があるのでしょうか?
 
カンガルーケアの起源は、南米コロンビアのボゴダという町の病院で保育器不足を補うために導入されたものです。保育器に入るような体重の小さい赤ちゃんにとって安全で、有効なケアとして広がり、開発途上国のみならず、先進国にも広がってきました。このようにカンガルーケアは、もともと体重の小さい赤ちゃんを対象にしたもののことを示していました。近年日本では、出まれてすぐに行うママとの接触もカンガルーケアと呼ぶようになり、混乱を招いているようです。この混乱をさけるため、生まれてすぐに行うママとの接触のことを、バースカンガルーケアというようになりました。
 
バースカンガルーケアは、赤ちゃんやママにとってどんないいことがあるのでしょうか?
 
赤ちゃんが生れたらママの胸の上に赤ちゃんを乗せ、肌と肌を合わせて抱っこします。
赤ちゃんは安心して、泣くことが減り、呼吸・心拍数が安定します。赤ちゃんの体温が低下せずに過ごせます。
「泣いてないけど、大丈夫ですか」と心配されるママがいらっしゃるくらい、赤ちゃんは安定します。
 
赤ちゃんにとって、この外の世界に適応するとっても大切な時期。
生れてすぐの時間帯に、ママと赤ちゃんのきずなを築く感受性の強い時期があることがわかっています。
この時期に一緒に過ごすことはとても重要な意味があるといえるでしょう。
 
赤ちゃんは生まれて1~2時間は、分娩中に出るアドレナリンのため、はっきりと目覚めていますが、それを過ぎると数時間もの深い眠りに落ちてしまうことがあります。
その前に、赤ちゃんに乳首の感触・母乳の味、ママのぬくもりを教えてあげてください。
すぐに吸い付けなくても肌と肌が触れ合うことでそのうち、自らおっぱいを探し始めるので待ってみましょう。
分娩後、バースカンガルーケアをすることでおっぱいの分泌をよくするオキシトシンというホルモンも著しく増加します。このことは母乳だけで赤ちゃんを育てられることにもつながります。
 
このように、赤ちゃんにとっても、ママにとっても良いことがたくさんあるバースカンガルーケアですが、皆さんの中には、なんだか、危険で怖いイメージを持つ方がいるかもしれませんね。
以前バースカンガルーケア中に赤ちゃんが急変するという事例が、大きくニュースに取り上げられたことがあります。
 
赤ちゃんがおなかの中から外の世界へ適応できるようになるには、とても大きな過程を乗り越えなくてはなりません。
おなかの中にいたときは、酸素はママからへその緒を通じてもらっていましたが、赤ちゃんは肺呼吸をして自分で酸素を取り入れていかなくてはいけません。その過程で、おこる変化は生命の危機的状況ともいえるでしょう。
もしかすると、ニュースで取り上げられたような赤ちゃんは、カンガルーケアをしなくても急変していた赤ちゃんだったのかもしれません。
 
当院でのバースカンガルーケアは、安全面にも注意しています。
まずは、妊娠中に赤ちゃんの検査や処置の同意書をいただくとき、バースカンガルーケアを行いたいかどうか、ご希望をうかがっております。また、その後、バースプランを記入していただくときにもご希望をおっしゃっていただければと思います。
 
実際どのようにバースカンガルーケアを行っているかご紹介いたします。
赤ちゃんが生まれたあとママは水平ではなく、分娩台の背中を少し上げた姿勢になります。そうすることで、赤ちゃんは呼吸がしやすくなります。
ママの肌と赤ちゃんの肌が直接触れるよう、胸の上に赤ちゃんをうつぶせに抱っこします。
赤ちゃんが寒くないよう、お部屋の温度を上げ、タオルをかけ、帽子をかぶせます
呼吸状態の観察のため、体に酸素がいきわたっているかを見るモニターを赤ちゃんにつけます
もちろん、スタッフが適宜赤ちゃんとママの観察をさせていただきます。
できるだけ長い間、分娩室にいる間はバースカンガルーケアができるようにします
バースカンガルーケア中、赤ちゃんがおっぱいを探すしぐさを待ちましょう
無理におっぱいに押し付けることは赤ちゃんの哺乳行動を阻害するといわれています
産まれてすぐに抱っこする赤ちゃんは、本当に温かく、小さくて、儚い存在です。
抱っこして、たくさん触れて、話しかけてあげてください。ママの温もり、感触、声すべてが赤ちゃんに届きます。
十分なバースカンガルーケアができた赤ちゃんはその後も笑顔でいることが増え、泣くことが少ないと言われています。
一人が二人になったこと、新しい家族のスタートをぜひ赤ちゃんの温かさで感じてください。
ぜひ、赤ちゃんが生まれて間もないこの大切な時間を、バースカンガルーケアを行って大切に過ごしましょう。
文責 院長

赤ちゃんの泣く理由

2013年03月12日

「赤ちゃんの泣く理由」についてお話します。
あれ?母乳のことじゃないの?と思った方、焦らないでください!まずは赤ちゃんのことを知るのも大切ですよね。

さて、みなさんがイメージする赤ちゃんってどんな様子ですか?
すやすや微笑みを浮かべながら眠っていますか?それとも、おっぱいを欲しがって泣いていますか?

生まれてきたばかりの赤ちゃんはよく泣きます。本当によく…そして夜型です。大体、18時くらいから深夜4時くらいの時間をゴールデンタイムと言うこともあります。

赤ちゃんはお腹の中では、暗く、常にママのぬくもりを感じ、手を伸ばせばママのお腹に触れ、いつもママの声が聞こえる世界で生きていました。
しかし、この世に出てきた瞬間に、いきなり一人になるのです。
この世は赤ちゃんにとって眩しくて、寒くて、手を伸ばしても何も触れない今までとは真逆の世界なのです。

赤ちゃんの気持ちを想像してみてください…不安になって泣きたくもなりませんか?

でも不安になって泣く赤ちゃんを一瞬で安心させる方法があります。
それがバースカンガルーケアです。
バースカンガルーケアをすると赤ちゃんは、泣きやみ、眠るでもなく穏やかにママのぬくもりを感じ安心します。
ママの胸にいることでお腹の中にいた時のような感覚になるようですよ。そして、ママのおっぱいに向かって進んでいきます。(バースカンガルーケアについては次回詳しくお話ししますね。)

生まれたばかりの赤ちゃんは、よく泣くとお伝えしました。それでは赤ちゃんはいつまで泣くのでしょうか?

赤ちゃんは、全ての欲求を泣くことで表現します。お腹がすいた時も、オムツが汚れた時も、寂しいときも、寒いときも、暑いときも・・・どんな時も、泣いてママを呼んでいます。

あるママは、「赤ちゃんがこんなに泣いてかわいそうなので預かってください」と言いました。新生児室で預かった赤ちゃんは泣かなくなるのでしょうか?
そうではありません。新生児室でも赤ちゃんは泣いています。
私たち助産師や看護師でも赤ちゃんがなんで泣いているのかはわからない時があります。そんなときは、一つずつ試してみます。洋服を整えたり、オムツを換えてみたり、抱っこしてみたり、お散歩してみたり…それでもダメな時、その時赤ちゃんはママのぬくもりを求めています。ママにしかできないこと、それが母乳をあげることです。

ママが泣きたくなるほど赤ちゃんが泣くことがあるかもしれません。
赤ちゃんは安心できる環境なのかを確認するために泣いているという人もいます。赤ちゃんは小さく、儚い存在です。自分一人では生きていくことができません。
だから泣いてママを求めているのです。
赤ちゃんは、抱っこされる心地よさ、誰かに愛され、支えられる安心を感じながら人として育っていきます。
ママが抱っこに疲れた時はパパや家族に抱っこしてもらいましょう。一人でがんばらなくていいのですよ。

赤ちゃんが安心して育っていける環境をつくりましょう。
そういう環境がつくれるよう私たちは一生懸命ママをサポートします。一緒に赤ちゃんを育てていきましょう。

ママの愛情をたくさんもらって育てられた赤ちゃんは表情やしぐさが違うように感じます。
そして、母乳をあげるという行為には、赤ちゃんがしてほしいことがほとんど含まれているのです。足りないことといえば、オムツを換えることくらいですね。

生まれてきた赤ちゃんのことが少し想像できたでしょうか?

次回のテーマは「バースカンガルーケア」についてお話します。
文責 院長

はじめまして

2013年03月12日

はじめまして。
皆さんは、赤ちゃんの栄養や健康についてどのように考えていらっしゃいますか?

日本では、昔から色々な母乳育児支援の方法が言われてきました。
例えば、産後おっぱいが張ってきたら…助産師にマッサージしてもらう?冷やす?あれは食べてはいけない?抱き方・含ませ方を変える必要がある?などいろいろな方法があり、ママが混乱する場合がありますね。

東京マザーズクリニックでは、このような混乱を避けるためにUNICEF/WHOが共同声明している「母乳育児実践のための10ヵ条」を遵守するよう日々努力し、ママと赤ちゃんの状況に合わせた科学的根拠に基づいた情報提供をして、ママが自己決定し、セルフケアできるような母乳育児支援をしています。

当クリニックでの取り組みを中心に、また、最新の研究・情報についてもこのページで情報発信をしていこうと思います。

担当するのは、母乳育児支援について専門に学んでいる助産師2人です。
どうぞよろしくお願いいたします。

これからパパ・ママになる皆さま・ご家族さまが、楽しく子育てできるよう、参考になれば幸いです。

文責 院長

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