2024年08月02日
梅雨が明けていよいよ本格的な夏の訪れとなりました。毎日暑い日続きますがこの季節、育児中のママは赤ちゃんとの外出にお悩みではないでしょうか。
そこで今回は夏の産後のお出かけとその際の注意点についてお話ししたいと思います。
産後の外出についてはよく質問されることがあります。
出産間際から産後のママの体は思うように動けない状況です。
まして産後となりますと生まれたばかりの赤ちゃんとの慣れない日々を送られている(いた)ことと思います。そしてその日々はほぼ家の中で過ごされていた事でしょう。
1か月健診までは主に室内で過ごし、その後の状況は各ご家庭によって様々です。
ここでは検査や診察、健診等のやむを得ない事情での外出ではなく、1か月健診後の外出についてお話ししたいと思います。
1か月健診が近づいたら赤ちゃんのいる部屋の窓を開けて空気の入れかえから始めてみてはどうでしょう。外気を感じることからスタートします。そしていよいよ外出するのは1か月健診でママ、赤ちゃん共に特に問題が無ければよいでしょう。
最初は自宅近くを10分から20分程度散歩するというような無理のないところから開始し、徐々にその範囲や時間を広げていきます。
外出のスタイルとしては、抱っこひもに入れて、あるいはベビーカーに乗せて外の空気に触れることを楽しみましょう。
外の環境に慣れてきたら近所のスーパーや公園などに短時間のお出かけに出かけてみるのはどうでしょう。又、地域には子育て支援センターのような保育士のいる遊び場があります。誰かと話ができるという場にあえてでかけるのも良いのではないでしょうか。
この季節の外出で気になるのは外気や日光に当たる事の心配ではないでしょうか。この点について触れておきたいと思います。
「紫外線を浴びる事」についてのお話です。
紫外線についてどのようなイメージをお持ちですか?
心配されているのは近年オゾン層の破壊により紫外線の皮膚への到達度が高まり皮膚がんの発生が増えていると言われている所でしょう。皮膚の薄い赤ちゃんへの影響を重く見た結果、紫外線による弊害がおきるとして、母子健康手帳に記載されていた赤ちゃんの日光浴をすすめる記述に関しては1998年に削除され、外気浴に変更されました。
日光を浴びることでカルシウムの吸収に必要なビタミンD(腸からカルシウムを吸収し、体の中のカルシウムを維持する作用がある。)を体の中でつくることができます。 ビタミンDが不足することによるくる病(骨軟化症:骨が柔らかくなり、歩行が始まると足に負荷がかかり、O脚やX脚、歩行障害、気力低下、骨折しやすい。)を予防することができます。
日光以外にビタミンDは食事やサプリメントからとる事も出来ますが、離乳食前の赤ちゃんにはまだできません。
ですからぜひお出掛を楽しみながら、成長に欠かせない栄養素を作り出せるからだを目指しましょう。
最後にビタミンDの効果とお出かけ時の留意点についてお伝えします。
ビタミンDの効果
留意点
紫外線の当たり過ぎはママにとってシミや肌の老化をきたすというデメリットが気になるところですが、一方では「幸せホルモン」とも呼ばれる「セレトニン」の合成が盛んになり、気分が高揚すると言われています。
暑い日が続きますとどうしても室内にこもりがちとなりますが、ほんの少しの時間、
可愛い赤ちゃんとのお出かけを楽しみながら、幸せホルモンで満たされたママの笑顔が増えることを望みます。
たまには赤ちゃんとパパとカフェでお茶を楽しむのも良いでしょう。ご家族の皆様の笑顔がますます増えますように♡
文責 院長
2024年01月26日
2024年になり早いもので1カ月が過ぎようとしています。
今年はお正月から能登半島地震に始まり、さて2024年の日本はどうなってしまうのだろう?と不安を抱いた方も少なくないのではないでしょうか。
日本は数年~数十年に1度、大地震が起こる地震大国の一つなのだと、改めて痛感する出来事でした。そしてまた、日頃の備えをしなければ!ということも感じました。
防災の備えに関して、備蓄用品は最低3日間分を目安に準備し、避難物品はすぐ取り出せる場所に置く。最初の避難のときに持ち出すものは「持てる・使える・助かる」もの。これが基本だそうです。
妊婦さんは、その初期・中期・後期で体調も異なるため、その時期のご自分にあった準備が必要です。また、あかちゃんがいるご家庭も+αの備えが必要になります。
以下のものは、通常の避難バッグの中にプラスして必要と言われている、妊婦さん・産後の方・乳幼児のいるご家庭用の避難用品です。
【妊婦さん・産後】
母子健康手帳、健康保険証、緊急連絡先のメモ(ご家族・病院等)、ゼリー飲料等簡単に摂取できる非常食、マスク、小銭(10円玉、100円玉を500円分程度が公衆電話で便利)、清浄綿、アルコールタイプのウエットティッシュ、生理用ナプキンか新生児用紙おむつ(出血・破水・悪露に備える)、携帯用トイレ、携帯の充電バッテリー、携帯用ラジオ、使い捨てカイロ、バスタオル、大きめのビニール袋、携帯用レインコート(保温に役だつ)、靴下
【乳幼児のいるご家庭】
上記に加え、ミルク(スティックタイプや液体ミルク)、市販の離乳食、アレルギー除去食(アレルギーがある場合)、ガーゼ類、紙おむつ(1日10枚目安)、おしりふき、保温用のタオル類、こどもの着替え、抱っこ紐
近年、地震だけでなく、異常気象などでも避難生活を余儀なくされることがあります。
この機会に、ご自身の住んでいる地域のハザードマップの確認、避難場所の確認、ご家族との連絡方法の確認など行っておくことも大切なのではないでしょうか。
最後に、このたびの令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。被害を受けられた皆様の安全と1日でも早く平穏な生活に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。
参考資料:内閣府 あかちゃんとママを守る防災ノート
東京都 東京くらし防災・東京防災
日本助産師会 助産師が行う災害時支援マニュアル
2023年11月27日
今回は「おひなまき」について注意点を交えて少しお話したいと思います。
おひなまきとは、赤ちゃんがママのお腹にいたときに似た姿勢を、おくるみやバスタオルなどの布でくるむことによって再現してあげる方法で、おひなまきでお腹の中にいた時と同じ姿勢をとってあげると安心し眠りにつきやすいと言われています。
赤ちゃんは、生まれてから生後4か月ごろまでは原始反射であるモロー反射などで手足がビクッとなりやすいので、布で巻いてあげると落ち着きやすく、寝かしつけがしやすかったりします。なので、私たち助産師もおひなまきをして赤ちゃんを落ち着かせてあげることもあります。
ただ注意しないといけないこともあります。
おひなまきをしたまま、長時間そのままにしておくと中の熱がこもってしまう可能性があります。それによって何が問題かというと。
私たちの体は、体温がある程度まで上がると、これ以上体温が上がらないように熱を発散させます。おくるみなどで包まれた状態だと発散した熱の逃げる場所がなくなり、包んだ中の温度がどんどん上昇してしまいます。結果さらに体温が上がってしまうということが起こります。
そうなると身体の働きを調整している自律神経の働きである副交感神経が優位になっていき、例えば赤ちゃんの呼吸の数が減っていったり、身体の機能がお休みモードに入ってしまったり、それが続くことによってSIDS(乳幼児突然死症候群)を引き起こす可能性があるのではないかと言われています。
なので、熱をこもらせないためにも、おくるみとかでずっと包んで暑い状態が続くのを避けましょう。
おひなまきをする場合は、定期的に赤ちゃんの様子を見てあげて、お顔が赤くなっていたり、髪の毛が汗で湿っていたり、いつもより呼吸が早かったりした場合には、おくるみを外してあげて熱を逃がしてあげたりとかの対策が必要です。また、寝かしつける時や、泣いている時とかにおひなまきをして、落ち着いたなと思ったら、ちょっとおくるみを解いてあげるのもいいかもしれません。
おひなまきがいけないというわけではないので、上手に使いながら育児に取り入れられるといいですね。
文責 院長
2019年03月15日
厚生労働省は2020年までに男性育休率13%を目標としています。
2017年度の厚生労働省「育児休業取得率」によると、男性5.14%(2016年度 3.16%)と少しずつ上昇していますが、まだ取得率は低いようです。
共働きや核家族の家庭が多く、産後のサポートは夫の協力が必要不可欠です。
育児休業取得のメリットは、母親の育児不安やストレスの軽減、虐待防止や父親としての自覚が高まる。夫婦の間でコミュニケーションも高まり、パートナーシップが強まると言われます。
夫婦一緒に赤ちゃんと過ごすことで、一緒に悩み、相談し、協力しあう「戦友」になるといいですね。パートナーは「敵」ではありません。夫婦ともに子育てをスタートして、安心できる環境作りが大事です。
育児休業のデメリットは
収入が減少・同僚に負担をかける・パタニティハラスメント(会社の上司が、パパになった男性の育児参加を妨害すること)受ける可能性があること。
職場の中で相談や仕事を引き継げるように準備が必要ですね。
虐待の原因に、
・育児に不安がある
・夫が育児に協力してくれない
・孤立した子育てで相談相手がいない
などが、あげられています。
育児は正解がなく、子供も日々成長します。
母親が心配や不安なことを話せて、共感してもらえると、とても安心出来ますね。
妊娠前に産後の生活をイメージするのは難しいですが、
産後に話合うのではなく、日頃から夫婦で会話や相談、準備や下調べが大切ですね。
2019年02月18日