2015年02月26日
今回は、子宮頸がんについてお話いたします。
一般的に「がん」というと、年齢が進むにしたがって罹患率があがるイメージがありますが、
子宮頸がんは20~30代を中心に急増している背景があります。
年間に子宮がんにかかるのが約21,500人、そのうち子宮頸がんは約9,800人、
子宮体がんは約10,800人といわれています。
上の図で示した通り、子宮の入り口部分が子宮頸部と呼ばれる部分で、この部分にがんができると子宮頸がんとよばれます。
この子宮頸がんの原因となるのが、ヒトパピローマウイルスというものです。
このウイルスは150以上の異なった形で存在し、女性の80%は一生のうち一度は感染するといわれています。
悪性化が少ないのがこのウイルスの特徴ですが、決まったウイルスの形に感染するとがん化が早いといわれています。
一般的にがんは進行するほど症状が現れていき、正常だった細胞ががん化することで診断がつきます。
子宮頸がんは、正常な細胞ががん化するまでのあいだに、正常細胞とがん細胞の間の形、異形性細胞という形に変化をします。
そのままがん化せずに経過することもありますが、この時期を検診で発見できれば、そこからの経過観察、
もしがんへの細胞変化が起こっても、がん治療で大切な早期発見、早期治療を行うことができます。
子宮頸がんの場合、初期では無症状のことが多く、婦人科検診で突然がんが見つかることもめずらしくありません。
がんの進行によりみられる症状としては、生理以外の出血や性交時出血、茶色のおりものが増え悪臭を伴ったり、
下腹部や腰の痛みなどの症状が現れます。
子宮頸がんは特に20~30代での発症が多いため、ちょうど出産年齢のピークとも重なります。
現在、症状がない方も、20歳を過ぎたら2年に1度子宮がん検診を受けることが勧められています。
この機会にぜひ検診にお越しください。
2015年01月30日
みなさんご無沙汰しております。
先日、スタッフ3名で母乳育児支援学習会に参加してきました。
とても興味深い内容ばかりでとても勉強になりました。
今日は、その中でも最近話題の”ビタミンD”についてお伝えしたいと思います。
さて、みなさんはビタミンDがどのような働きをしているかご存知ですか?
ビタミンDが欠乏すると、お子さんは”くる病”という病気になり、大人は、骨軟化症になるといわれています。
ビタミンD欠乏の原因は、お母さんや赤ちゃんの不適切な栄養摂取や、生活習慣によって起こります。
決して、母乳育児だけが原因ではありません。
ビタミンDを摂取するためには、①食物から摂ること、②日光を浴びることの2つがあります。
①食物からビタミンDを摂ること
ビタミンDを多く含む食品は、魚類ときのこ類です。授乳をしているお母さん達の1日の必要量は、8㎍です。
白鮭100gあたり、ビタミンDは32㎍ですので、一切れの3分の1くらいでまかなえます。
さんま100gあたり19㎍ですので、骨など取り除いても一匹の半分強でまかなえる量です。
摂取するのは、そんなに難しくなさそうですね。
きのこ類ではどうでしょうか?
生しいたけ(中1個:約20g)で、0.4㎍なので一食大体1㎍、干ししいたけ(大1個:約4g)では、一食1.7㎍、
エリンギ(中1本:約50g)で、約1㎍なので、一食分2㎍、しめじ1パックの可食部約150g約3㎍では、一食分1.5㎍です。
ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、食べ貯めすることができます!
お母さんは、”鮭ときのこのホイル焼き”や”石狩鍋”だと、一食で3~4日分のビタミンDが摂れますよ!
赤ちゃんが効率よくビタミンDを摂取するには、後乳(母乳の飲み終わりに近いもの)ほど母乳中の含有量が増加すると
言われていますので、しっかり空に近づくまで授乳することがポイントとなります。
②日光を浴びること
1日どのくらい日光を浴びるのが良いかといいますと、お母さんも赤ちゃんも、両手の甲くらいの面積が15分くらい日光に当たる、
または日陰で30分くらい過ごすくらいです。
現在の母子手帳3~4か月頃の保護者の記録には『外気浴をしていますか(天気のよい日に薄着で散歩するなどしてあげましょう)』という欄もあります。
注意しておきたい点は、日焼け止めを使用していると、ビタミンD生成に時間がかかるということと、緯度によって時間のかかり方が変わるということです。単純に言うと、北海道と、沖縄ではビタミンD生成の時間が変わってくるというわけです。
だから、北海道では石狩鍋が郷土料理として存在するんですね。
ビタミンD欠乏を防ぐためには、地のものを使ったバランスの良い食事と、適度な日光浴が大切ということです!
文責 院長
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