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妊娠・出産・子育ての役立つ情報

国際基準と母乳育児

2019年03月28日

東京は桜が満開です
クリニックの周りの桜並木もとてもキレイに咲いています

寒暖差の激しい時ですが、みなさま体調崩されていませんか?
まだ花粉症で悩まれている方も多いと思います。

さて、今日のテーマは「国際基準と母乳育児」です。

最近、液体ミルクの販売が始まるということで、ニュースやネットで色々なことが騒がれていますね

本当に正しいことを伝えているものもあれば、中には誤解を招くようなことが伝えられていたり・・・と、
色々な情報が錯そうしていますが、ここでは医学的根拠に基づいた情報をお伝えしていきたいと思います。

「母乳代用品のマーケティングに関する国際基準」というものがあることをご存知でしょうか?
これは、1981年にWHOによって制定されたものです。

この「国際基準」の目的は、第1条にかかれています。
‟この「国際基準」の目的は、母乳育児を保護・推進し、「必要な場合には、適切な情報に基づき、
公正妥当なマーケティングと支給を通じて、母乳代用品が適切に用いられること」を保証し、
それにより乳児に対する安全で十分な栄養の供給に寄与することである”とされています。

この「国際基準」には、母乳代用品に対して、ラベルの表示の仕方や印刷される文章の内容まで決められています。
その内容がネットで話題になっていたようですね

また、母乳育児がうまくいくための10のステップが2018年に改訂されましたが、
この中の、施設としての必須の要件の1aに
「母乳代用品のマーケティングに関する国際基準」と世界保健総会の関連決議を完全に順守する。とあります。

乳幼児と母親の健康を守るためには、この「国際基準」を順守することがとても大切なのです。

しかし、母乳代用品を使用してはいけないということではありません。

この「国際基準」の目的にもかかれているように、重要な事は、母乳代用品を使用する際、
適切に宣伝されたり、適切に手に入れたり、適切に使用したりすることが大切なのです。

母乳で育てることは乳幼児や母親にとって最適な栄養方法だと言われています。
しかし、中には母親の感染症や、児の養育環境など様々な要因によって、
母乳代用品である人工乳がベストな選択になる母子がいることも事実です。

何が何でも母乳で育てなきゃいけない、ということではなく、
まずはみなさまに母乳で育てることの大切さやすばらしさを知って頂くこと、
また、根拠に基づいた方法で支援すること、
母子が健康でいられる方法を一緒に考えること、
そして決めたことをベストな状態で行えるように支援し続けることが、
私たち母乳育児支援者の務めだと思っています

参考・引用文献
乳幼児の健康を守るために:WHO「国際基準」実践ガイドブック 
保健医療従事者のための「母乳代用品のマーケティングに関する国際基準」入門

文責 院長

男性の育休(育児休業)

2019年03月15日

厚生労働省は2020年までに男性育休率13%を目標としています。

2017年度の厚生労働省「育児休業取得率」によると、男性5.14%(2016年度 3.16%)と少しずつ上昇していますが、まだ取得率は低いようです。

共働きや核家族の家庭が多く、産後のサポートは夫の協力が必要不可欠です。

育児休業取得のメリットは、母親の育児不安やストレスの軽減、虐待防止や父親としての自覚が高まる。夫婦の間でコミュニケーションも高まり、パートナーシップが強まると言われます。
夫婦一緒に赤ちゃんと過ごすことで、一緒に悩み、相談し、協力しあう「戦友」になるといいですね。パートナーは「敵」ではありません。夫婦ともに子育てをスタートして、安心できる環境作りが大事です。

育児休業のデメリットは
収入が減少・同僚に負担をかける・パタニティハラスメント(会社の上司が、パパになった男性の育児参加を妨害すること)受ける可能性があること。
職場の中で相談や仕事を引き継げるように準備が必要ですね。

虐待の原因に、
・育児に不安がある
・夫が育児に協力してくれない
・孤立した子育てで相談相手がいない
などが、あげられています。
育児は正解がなく、子供も日々成長します。
母親が心配や不安なことを話せて、共感してもらえると、とても安心出来ますね。

妊娠前に産後の生活をイメージするのは難しいですが、
産後に話合うのではなく、日頃から夫婦で会話や相談、準備や下調べが大切ですね。


文責 院長

母乳が出ない人はどのくらいいるの?

2019年02月26日

こんにちは
最近は暖かい日もあり、春がやってくるまでもう少しでしょうか
そして、花粉症の方にはつらい季節ですね
みなさま体調はいかがでしょうか?
 
前回に引き続き、第45回母乳育児支援学習会in東京の内容の一部をご紹介したいと思います。
“母乳が出ない人はどのくらいいるの?”というとても興味深い内容でした。
私自身も母乳に関する知識はありますが、実際に母乳育児を経験したことがないので、母乳がたくさんでるタイプなのかそうでないのかわかりません。
みなさんもこれから母乳育児を頑張りたいと思っていても、「母乳が出なかったらどうしよう…」という不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
 
結論からお伝えすると大多数のお母さんは母乳がでます
しかし、赤ちゃんが必要とする量以上の母乳が出る方もいますが、母乳の量が足りず人工乳の補足が必要な方もいらっしゃいます。
産後すぐから母乳が出始める方もいますが、産科施設を退院してから出始める方もいます。
母乳の出る量や出始めるタイミングは個人差がありますが、適切なケアをしていても母乳が一滴もでない!という方は極わずかだそうです。
 
母乳が全くでない場合に考えられる原因は…
・乳頭の手術後(手術の内容によっては母乳がでることもあります)
・内分泌系の病気など
乳頭の手術歴がなく、母乳分泌のメカニズムに沿ったケアを行っていても母乳が全くでない場合は、内分泌系の病気が隠れていることがあります。その場合はお母さんの今後の健康のためにも内分泌内科の受診をおすすめします
 
母乳を出やすく、量を増やす方法は…
こちらのBlogでも何度かご紹介している、母乳分泌のメカニズムに沿った母乳育児の実践が大切です。
当院ではお母さんや赤ちゃんの体調に合わせて、可能な限り「母乳育児がうまくいくための10のステップ」に沿った母乳育児支援をしております。



 いかがでしたでしょうか?
“母乳が出ない人はどのくらいいるの?”という議題は、当院の母乳育児支援がお母さん・赤ちゃんのために有効であることが再確認できる内容でした。
母乳育児に関する質問などありましたら、妊婦健診中、入院中、退院後もお気軽にお問い合わせください

文責 院長

児童館は面白い

2019年02月18日

お住まいの地域の児童館がどこにあるかご存知ですか?
児童館は乳幼児とその親御さん、小学生はもちろん中高生までもが集まる場所です。ある児童館は図書館、区民センターも併設されており、大人、高齢者まで幅広い年齢の方たちが触れあえる場所となっているところもあります。
区のホームページや広報誌を見てみると、各児童館のイベント情報が得られます。もちろん、イベントのないときでも開館時間中は、子供たち、親たちの交流の場となります。
出産の予定がある親御さんも対象となっているおもちゃ作りや、ベビーマッサージ体験なども開催されているようです。
手遊びや外遊びを教えてくれたり、食育をテーマにした内容だったり、対象年齢別に様々なイベントが開催されています。

以前そこで働く方たちにお話を伺ったことがあります。今は夫婦だけで子育てしている家庭が多く、親も子供も孤立しがちです。地域のみんなで交流の場を持ちましょう、つながっていきましょう、というのが児童館や、区民センターの方たちの思いです。
幼い頃から児童館に通う子供は、小学生になれば放課後に児童館が行きやすい場所になります。様々な年代の人がいるので、世代を越えた交流が貴重な体験になります。

ぜひお近くの児童館や区民センターを調べてみてください。子育てはひとりで、またはひとつの家庭でしていくものではないことに気づけるはずです。
文責 院長

インフルエンザと母乳育児

2019年01月31日

1月もあっという間に終わります

最近は、インフルエンザが大流行していたり、胃腸炎や風邪も流行っていますね。
みなさま体調崩していませんか?
手洗い、うがい、マスク、そして何より加湿がとっても大切です!!
 
私も先日15年振りくらいに、インフルエンザA型に罹患し、高熱を出しました
幸い、予防接種を行っていたため1日で熱は下がり、周りの人にうつさずに済みましたがとても辛かったです。
皆様もどうかお気を付けください
 
さて先日、毎年この時期に行われている、第45回母乳育児支援学習会in東京に参加してきました。
参加者は600名を超える人数で、全国各地から集まります。
産婦人科医師、小児科医師、歯科医師、助産師、看護師、保健師、母乳育児支援グループのリーダーをされている方など
たくさんの方が参加される学習会です。
 
今回はとても興味深い内容で、母乳育児支援の基礎をより専門的に学ぶ講義がたくさんでした。
このブログでも少しずつ紹介していきたいと思います。
 
さて、今回のテーマは流行りの「インフルエンザと母乳育児」です。
 
インフルエンザに罹ったら、薬を飲まなきゃいけないし、赤ちゃんにうつるかもしれないので
母乳はあげられないと思っている方たくさんいるかもしれません。
 
しかし、むしろ赤ちゃんに母乳を与え続けることが、赤ちゃんのためにもお母さんのためにもなるといわれています。
 
インフルエンザに罹ったお母さんの母乳を赤ちゃんが飲むことで
インフルエンザに感染するということはありません。

また、母乳にはたくさんの、感染や多くの呼吸器疾患から赤ちゃんを守ってくれる成分が含まれています。
これは人工乳には含まれていません。
母乳を与えることで、赤ちゃんの感染予防もでき、
もし罹ったとしても軽症ですむといわれています。
 
そして、お薬のことです。
お母さんが使用したお薬の多くは母乳に移行するといわれていますが、
その量はほとんどの場合、非常にわずかであるといわれています。
 
例えば、インフルエンザでよく使用される、タミフル(一般名:オセルタミビル)は、
母体血中濃度が 非常に低く、母乳中に移行するとしてもごくわずかだと考えられています。
 
また、リレンザ(一般名:ザナミビル)などの吸入薬は、体内に吸収される量は少なく
母乳中への移行はわずかだと考えられています。

インフルエンザの感染経路は飛沫感染なので、くしゃみや咳によって
飛び散ったウイルスを吸い込むことで罹患します。

ですので、赤ちゃんのお世話をするときは、マスクや手洗いをすることも必要ですね。
また、ご家族がインフルエンザに罹った場合は極力、赤ちゃんやお母さんと接触しないように
できるとよいです。
 
高熱で辛いときに授乳をすることは大変かもしれませんが、添え乳やバースカンガルーケアの時のような
授乳姿勢で授乳すると楽に授乳できるといわれています。

直接母乳をあげられないようなときには、
搾乳をしてご家族に赤ちゃんに与えてもらうことも一つの方法です。
授乳をお休みすることで、乳腺炎になるリスクもあがってしまいます。
 
授乳中のお母さんがインフルエンザに罹ったときには、授乳中でも使用できると言われている
お薬を使用して、授乳を続けられるとよいですね

授乳中お薬を飲んでもよいか悩まれた時は、以下に示したサイトを検索していただくと、
授乳中でも安全に使用できるお薬について書かれています。
参考にされてください。
 
 
参考・引用文献
NPO法人 日本ラクテーションコンサルタント協会HP「母乳育児Q&A」
NPO法人 ラ・レーチェ・リーグ日本 HP
国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」HP
妊娠・授乳 と薬 対応基本手引き(改訂2版)2012年12月改訂 愛知県薬剤師会
母乳とくすりハンドブック 大分県産婦人科医会

文責 院長
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