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院長と麻酔科医の無痛分娩あれこれ

2018年1月の記事一覧

無痛分娩の種類

2018年01月24日

無痛分娩には様々な方法があります。当院で行われている方法は硬膜外麻酔(鎮痛)という方法になります。硬膜外麻酔と併用して脊髄くも膜下麻酔(CSEAとも呼ばれます)が行われることがあります。これも当院で行うことがありますが詳細はまた改めてご説明します。その他に点滴から痛み止めを入れる静脈麻酔、酸素や空気に麻酔薬を混ぜて、呼吸から痛み止めを入れる吸入麻酔、部分の神経に局所麻酔薬を入れるブロック注射などがあります。
それぞれにメリットデメリットがあり、時代や状況、環境に応じて適切な麻酔方法は異なります。
硬膜外麻酔は前回お伝えしたように少量の麻酔薬を使用することで安全に効果的に痛みを取ることができる一方で硬膜外に管を入れる必要あり、硬膜外麻酔ならではの副作用があります。
静脈麻酔は点滴が必要ですが、点滴さえあれば行えるため簡便です。硬膜外麻酔は背骨の一部の神経にのみ薬が効けばいいのに対し、静脈麻酔は全身に投与されるため、痛みを感じる脳に必要な量を投与するには薬の量も必然的に多くなります。量が多くなれば胎盤移行(胎盤を介して赤ちゃんに薬物が移行すること)も考えなければいけません。最近は鎮痛効果の高い超短時間効果のある静注用鎮痛薬も登場しましたが、その際は安全に行う配慮が医療従事者には求められます。
吸入麻酔はマスクを顔に当てるだけで数分で効果が得られるため最も簡便な産痛緩和法といってもいいでしょう。歯科麻酔などで利用したことがある方もいらっしゃるかもしれません。即効性、簡便性という部分では利点が多くみられますが、『無痛』となると投与量を増やす必要があり、意識が朦朧とし、強い眠気を自覚します。また過去の歴史で誤嚥性肺炎という合併症が存在するため、スタンダードとはなりません。もちろん薬剤は胎盤移行します。それでも簡便性という利点でたまに見かける方法になります。
神経ブロックに関してはその時々に応じて痛い部分の神経に局所麻酔薬を投与していく方法になります。これだけで無痛分娩をするとなると、多くの手技と麻酔薬が必要になり、かなり大変なことになるので、一般的ではありません。当院では硬膜外麻酔と併用して部分的に神経ブロックを行うことがあります。
そのほかに産痛緩和としてアロマテラピー、鍼、精神療法などもありますが、一般的ではありません。メリットとしては大きな副作用がないことになりますが、効果としては疑問視される点もあり、『無痛分娩を行いたい!!』と希望される妊婦さんのご期待に添えられるかは疑問です。もちろん効果があったという話は耳にしたことがありますが、万人に同様の効果があるかはわかりません。
 
当院では『安全』に『無痛』を実現できる方法を選択し、硬膜外麻酔(鎮痛)を主軸に、必要に応じてその他の痛み止めを行います。『痛みを取ること』も大切ですが、何よりも『安全であること』を最も大切なテーマとして痛みを取っていきます。

文責 院長
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