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院長と麻酔科医の無痛分娩あれこれ

2022年5月の記事一覧

新生児蘇生法普及事業(NCPR)について(前編)

2022年05月27日

当院のスタッフは新生児蘇生法普及事業(NCPR)の新生児蘇生の資格を有しております。
この資格についてご説明します。
赤ちゃんは生まれた時に1割の赤ちゃんには何らかの処置が必要になると言われております。この事業ができるまで、新生児蘇生法に関しては自己流で行っていたり、個々の研鑽で行われていましたが、日本周産期新生児医学会が、すべての分娩時に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制を目指し2007年にNCPRが創設しました。医師や助産師、看護師、医学生、看護学生、救急救命士など新生児蘇生に関わる医療従事者に向けて講習会を行うことを様々なクラスに分けて始めました。
もともとは国際蘇生連絡委員会で作成されたものを、標準的な新生児蘇生の理論と技術の習得に落とし込んだものです。より詳しい内容について次回お話ししたいと思います。

赤ちゃんへの影響はほとんどありませんの『ほとんど』とは?(後編)

2022年05月20日

使用する薬剤は国内外の様々な学会、機関のガイドライン、指針をもとに安全とされるものを安全な量で使用します。胎児だけでなく、生まれた後の赤ちゃんがのむ母乳にも同じことが言えます。産後は必要に応じて薬が処方されることがあります。この処方薬も安全性を考慮し、母乳に移行するか、どのくらい移行するか(母乳移行性といいます)、赤ちゃんに影響するかを判断し、薬の内容、量を決めます。
無痛分娩のメリット、授乳中に内服するメリットというのも、もちろんあるわけです。無痛分娩を行うことで、お母さんの出産に対するストレスを減らし、出産の安全性が高まりますし(緊急帝王切開に対応できること、心血管系への悪影響を減らせることなど)、産後の抗生剤は感染症を減らし、鎮痛薬は歩行や授乳を促します。
なるべく赤ちゃんに影響がないようにしたいという気持ちを最大限に尊重したうえで、痛みを取り除きたいたいと思います。安全性のほうが痛みを取り除くよりも優先度を高くしております。

赤ちゃんへの影響はほとんどありませんの『ほとんど』とは?(前編)

2022年05月14日

麻酔科外来を行っているとご質問をいただくことがあります。無痛分娩の説明で『赤ちゃんへの影響はほとんどありません』という説明の『ほとんど』とは少しは影響があるのでしょうかというご質問をいただきました。確かに『ほとんど』というのは影響がある可能性もゼロではないと不安に感じてしまうかもしれません。今回はこの内容について2回に分けてご説明します。
他の施設のホームページも調べて、同じような記載があったので、どうなのかということで、この方は質問されました。少しでも赤ちゃんに影響があるのであれば控えたほうがいいのだろうかと思われる方もいらっしゃるのは当然と思います。私も同じ気持ちです。
まずお母さんと赤ちゃんは胎盤、臍帯で繋がっています。心臓から出た血液は大動脈を通り、その途中のいくつかの分岐を経て子宮動脈となり、胎盤に血液が供給されます。胎盤にはフィルターがあり、フィルターの目より大きいものは通過できません(どれくらい通過するかを胎盤移行性といいます)。また小さくてもフィルターの効果で胎盤を通過する全ての薬剤が赤ちゃんに行くこともありません。しかし赤ちゃんにわずかですが、薬は流れます。この少しの程度によって、赤ちゃんに影響が出ることがあります。薬の量が多くなれば赤ちゃんに影響が出る可能性が高まるので、投与量を少なくし、赤ちゃんに影響が出ないようにします。(つづく)

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