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院長と麻酔科医の無痛分娩あれこれ

2023年6月の記事一覧

硬膜外鎮痛を早く終わらせるために

2023年06月23日

無痛分娩でやりたい方は、硬膜外カテーテル挿入に対しても強い不安感を持っていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。今回は不安の強い、カテーテル挿入をなるべく早く終わらせる方法を教えます。前述した体格がいい人に対して、体重を増やさないことも大切ですが、今回はすべての硬膜外鎮痛を受ける方が行ってほしいことです。

たった一つのことを注意して行ってください。それは背中を丸めるということです。これは言葉にすると簡単なのですが、強い不安感、恐怖感の中、背中を丸めるということはとても勇気がいりますし、お腹には赤ちゃんがいるので、妊娠していないほどうまくはできないかもしれませんが、なるべく可能な限り丸まりましょう。思いっきり猫背になる感じです。注意点としては左右の肩の位置がベッドに対して垂直になるようにしましょう。丸まることに必死で、どちらか左右の肩だけが内側や外側になっていると背骨が彎曲してしまい、難しくなってしまいます。左右の肩をベッドに垂直にすることで、背中もベッドに垂直になりますので、最短時間で終わります。

是非カテーテル挿入の際はこのことだけ気を付けていきましょう。後のことはお任せください。

硬膜外鎮痛が難しい妊婦さん

2023年06月16日

前回は硬膜外鎮痛が上手い医師、下手な医師についてお話ししましたが、硬膜外鎮痛がせいこう/不成功に関わる因子として妊婦さんも重要になります。今回は硬膜外鎮痛が出来ないではなく、難しい妊婦さんについてお話しします。難しいというのはカテーテル挿入に時間がかかる場合、再挿入の確立が高い場合と想定してください。

まずは体格のいい方です。皮膚から硬膜外腔までの距離が長くなればなるほど背骨も触れにくくなりますし、硬膜外腔への挿入も難しくなります。賽銭箱にお賽銭を入れる場合も、賽銭箱まで遠ければ遠いほど難しいですよね?成人女性であれば、それほど大きく硬膜外腔の大きさは変わりませんので、硬膜外腔までの距離が長くなればなるほど難しくなります。

あとは背骨の変形です。背骨を目印にして硬膜外腔を見つけるため、背骨が変形しているとなかなか見つけにくくなります。また、カテーテル挿入に際しても、正しい位置に入りにくくなります。骨折などをしていた場合は癒着などにより、薬が効きにくい場所が出てくるかもしれません。

次回はなるべく早く確実にカテーテルを挿入するために妊婦さんがすべきことについてお話しします。

硬膜外鎮痛が上手な医者と下手な医者(後編)

2023年06月09日

一般的に上手いとされるもう一つの条件は適切な位置にカテーテルを入れる確率が高いことです。一部のインターネットの書き込みにあるように、片効き(片側だけしか効かず、もう片側が痛かった)、麻酔が広がらない(途中から痛かった、あるいはどこか痛い場所があった)など適切にカテーテルが挿入されていないと、痛みがしっかりとれません。さらにはクモ膜下迷入や血管内迷入など、合併症が起こってしまう場所に入ってしまうことは避けたいところです。しかし、硬膜外カテーテルの挿入は賽銭箱にお賽銭を入れる感覚とは異なります。目で硬膜外という場所を入れているわけではなく、目で見えない場所に背骨の触れる感覚や針の感覚などで目星をつけながら硬膜外腔を見つけます。お賽銭すら賽銭箱から外してしまう光景があるように、直接硬膜外を目で見ることなく、カテーテルを挿入するので確実に1回で成功するとは限りません。過去の報告では麻酔科医としての経験年数長いほど成功率は高まる報告もありますが、ベテランでも上手でない人はいます。超音波器具を用いて硬膜外腔を同定し挿入する方法も行われていますが、超音波の手技も必要で、多くの施設で導入されているわけではありません。慣れている我々でも100%の成功率ではありませんし、100%1回で挿入できる医師はいません。もし効いていないときや、血管内迷入など異常であった場合、すぐに診断し、カテーテルの再挿入をしっかりやってもらうことがとても重要になります。結果的に、痛みが取れ、安全に分娩することにつながります。

もし痛みを感じた場合、何か変だなと思った場合はすぐにスタッフに伝え、改善したもらいましょう。

硬膜外鎮痛が上手な医者と下手な医者(前編)

2023年06月02日

我々が無痛分娩で行う硬膜外鎮痛にはカテーテルと呼ばれる細い(直径1mmくらい)管を硬膜外という場所に入れてくるわけですが、入れる手技にうまい下手があります。

一般的に上手いとされる条件の一つにカテーテルの挿入が痛くないことです。慣れている医師は時間もかからず入れることができますので、それほど痛みもありませんが、慣れていない医師は何回も失敗を繰り返したり、時間がかかれば手技も雑になってしまい、痛い手技になってしまいます。ここを見分けるポイントはスタッフに『個々の先生は背中の麻酔は上手ですか?痛くないですか?』と聞けば教えてくれるかもしれません。ある程度は経験もあると思いますが、何十年やってもうまくならない人もいるので、スタッフに聞くのが確実だと思います。

次回はもう一つの上手いとされる条件についてお話ししたいと思います。

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