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院長と麻酔科医の無痛分娩あれこれ

2021年8月の記事一覧

局所麻酔中毒の初期症状

2021年08月30日

局所麻酔中毒は硬膜外に投与される薬剤が血管の中に直接入って起こる、または大量に硬膜外に投与された薬剤が血管内に吸収されて起こるものです。血中の局所麻酔薬濃度が高まることで、脳に様々な影響を与えます。前者の場合は、症状は急激に起こりやすいですが、後者の場合は何回かにかけて薬剤が投与されているので、徐々に徐々に血液中の濃度が上昇するため自覚症状も段階的に悪化します。
局所麻酔中毒の初期症状は、めまい、ふらつき、耳鳴り、味覚異常、口や舌のしびれ、ろれつが回らない、多弁、興奮といったものが認められます。これらの症状はすべて満たすことはまれで、いくつかの症状のみが出ることのほうが多いです。
多弁や興奮は他覚症状(他人が気づく症状)なので、それ以外の症状が一つでも認められた場合はスタッフにすぐに伝えましょう。
早期発見早期治療が何よりも重要です。

初期症状を見逃さない

2021年08月23日

最近ある妊婦さんの無痛分娩を行いました。出産の痛みも怖いけれども、無痛分娩に対する不安もありました。痛みがあったので、お薬を入れるとスーッと痛みが消えました。笑顔になっているかと思いきや、不安顔で「息が止まったりしませんか?」と問いかけられました。私は「大丈夫ですよ。問題ありませんよ。」と答えました。重篤な合併症で起こる初期症状をお伝えし、その初期症状がないことを理解されると安堵されました。
無痛分娩の事故の報道を読んで心配しての質問だと思います。無痛分娩の事故は無痛分娩を受ける多くの妊婦さんが懸念していることです。
これらの事故や重篤な合併症は突然命にかかわる状態になるのではなく、徐々に起こってきます。初期症状を見逃さないことが大切になります。
最も初期の症状は血圧や心電図などで医師や助産師が見つけるものではなく、妊婦さん自身の自覚症状が最も早く表れます。
この後3回に分けて重篤な合併症(局所麻酔中毒、アナフィラキシーショック、全脊椎麻酔)の初期症状をお伝えします。

無痛分娩マニュアル

2021年08月16日

医療安全の面からみてマニュアルは必須のものとなっています。
マニュアル化を行うことでどのスタッフも均一化された正しい医療を提供することができます。
当院にも無痛分娩マニュアルがあり、そのマニュアルにのっとって無痛分娩を管理します。適切な投与量、副作用の確認方法、痛みがあるときの対応など細かく記載されており、無痛分娩経験の有無にかかわらず、新人スタッフはこのマニュアルで無痛分娩を勉強することとなります。
マニュアルがあることで、もし間違えて通常と異なる方法で管理していた場合、他の人が気づくことができます。統一された方法で行うことで、この管理方法を熟知することができ、慣れることで余裕が生まれ、広い視野や、適切なサービスも行うことができます。
 
どなた様も区別なく、最高の無痛分娩になるように対応いたします。

当院の医療設備

2021年08月09日

当院には緊急事態に備え様々な医療機器がおいてあり、必要時に使用できるようになっております。常勤麻酔科医がいるということもあり、通常の産科施設では常備されないものもおいてあるのでいくつかご紹介いたします
①AED
一般の産科施設や会社などにもあるのでご存じの方も多いでしょう。一部の致死的不整脈を治療するために必要なもので、胸にパッドを当てて電気を流し治療します。

②人工呼吸器+麻酔器
人工呼吸器や麻酔器は一般の産科施設にはありません。帝王切開などの手術の際にサポートとして使用しています。麻酔科医常勤がいるからこその機器です。


③ビデオ喉頭鏡
喉頭鏡は気管挿管の際に使用される器具です。ビデオ喉頭鏡は従来の喉頭鏡よりもより簡便に気管挿管を行うことが可能になります。

当院の輸血体制

2021年08月02日

前回『産科危機的出血への対応指針』について説明させていただきました。
出血がある程度起こった場合、失ってしまった血液を補充する必要があります。それが輸血です。献血などで集められた血液を感染症がないかチェックし、問題がないと判断された血液が輸血製剤となります。
輸血には大きく分けて赤血球輸血(濃厚赤血球)、血漿輸血(新鮮凍結血漿)、血小板輸血の3つがあります。
赤血球は酸素を運ぶもので足りなくなると貧血となります。血漿および血小板はいずれも止血機能があり、血を固めてくれます。
当院では血漿輸血が常備され、血液型ごとに保存されて必要な時に輸血できる体制にあります。
輸血をしないに越したことはありませんが、本当に必要な時に輸血があることによって大きく予後を改善するため、管理しております。

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