2021年02月01日
無痛分娩の針やシリンジなどが今年から新規格になりました。
この変更は医療安全のためなのですが、まず去年まではどうなっていたのかを説明します。
去年までは静脈注射や筋肉注射する針やシリンジと、無痛分娩(硬膜外鎮痛、脊髄くも膜下鎮痛)のために使用する針やシリンジは同じものが使用されていました。そのため当院ではありませんが、『無痛分娩用の薬を誤って静脈注射してしまいました』『静脈用の薬を間違って硬膜外に入れてしまいました』という報告が散見されました。そこで、今年から日本中で麻酔の薬は麻酔専用の針とシリンジで行うようになりました。麻酔用のシリンジで吸った局所麻酔薬は静脈には入れられず、静脈用のシリンジで吸った薬剤は、硬膜外に投与できなくなりました。シリンジを接続する形が異なるため、接続ができず、薬が入れられなくなったのです。
無痛分娩で使用する薬剤は静脈注射禁止の薬剤もあり、このような取り組みは医療安全としてとても重要なこととなります。
無痛分娩は安全である前提で行う必要があります。安全に配慮された無痛分娩を受けていただけるように機材も新しく進化し、安心してお産に臨んでいただければ幸いです。