院長と麻酔科医の無痛分娩あれこれ

無痛分娩についての記事一覧

最新(2020年)の日本の無痛分娩取り扱い施設率

2022年06月17日

前回のコラムでは、無痛分娩率が増えてきているというお話をしました。
今回は無痛分娩を行っている施設数はどうなのかをお話しします。
今回の調査(2020年9月)で、無痛分娩実施施設率は病院24.7%、診療所27.1%、全体26%でした。
過去(平成29年6月)の報告で、無痛分娩実施施設率は病院32.3%、診療所31.7%でした。
平成29年との違いは、第一に無痛分娩取り扱い施設率が減っているということ、第二に以前は病院のほうが実施施設率が高かったのですが、最近は診療所のほうが実施施設数が高くなってきていることがわかります。
前者についてはリスク回避や人手不足によって、無痛分娩をやめる施設が増えたのかもしれません。後者については診療所のニーズとして無痛分娩が存在しているということが予想されます。

過去の報告と比較しましたが、調査方法や、対象病院も同じものではないので単純比較はできませんが、7万近い分娩件数を調査したものですので、ある程度全体をとらえているものと考えられます。
年々無痛分娩の関心が高まるとともに、実際に無痛分娩が行われる件数も増えており、より安全な無痛分娩の提供は必須だと考えます。

最新(2020年)の日本の無痛分娩率は8.6%

2022年06月08日

2016年の無痛分娩率は6.1%という報告以降、本邦での大規模な無痛分娩率の報告はありませんでしたが、最近になり、2020年9月の1か月間での全国の無痛分娩率の報告がありましたのでご報告いたします。
病院での無痛分娩率は9.4%、診療所での無痛分娩率は7.6%、全体としては8.6%という結果でした。過去の無痛分娩率は平成26年病院4.3%、診療所5%、全体4.6%、平成27年病院5%、診療所5.9%、全体5.5%、平成28年病院5.5%、診療所6.6%、全体6.1%と、病院でも診療所でも増加傾向にあることがわかります。

年々無痛分娩を受けたいという妊婦さんによって、無痛分娩率は高まっていることを感じます。

赤ちゃんへの影響はほとんどありませんの『ほとんど』とは?(後編)

2022年05月20日

使用する薬剤は国内外の様々な学会、機関のガイドライン、指針をもとに安全とされるものを安全な量で使用します。胎児だけでなく、生まれた後の赤ちゃんがのむ母乳にも同じことが言えます。産後は必要に応じて薬が処方されることがあります。この処方薬も安全性を考慮し、母乳に移行するか、どのくらい移行するか(母乳移行性といいます)、赤ちゃんに影響するかを判断し、薬の内容、量を決めます。
無痛分娩のメリット、授乳中に内服するメリットというのも、もちろんあるわけです。無痛分娩を行うことで、お母さんの出産に対するストレスを減らし、出産の安全性が高まりますし(緊急帝王切開に対応できること、心血管系への悪影響を減らせることなど)、産後の抗生剤は感染症を減らし、鎮痛薬は歩行や授乳を促します。
なるべく赤ちゃんに影響がないようにしたいという気持ちを最大限に尊重したうえで、痛みを取り除きたいたいと思います。安全性のほうが痛みを取り除くよりも優先度を高くしております。

赤ちゃんへの影響はほとんどありませんの『ほとんど』とは?(前編)

2022年05月14日

麻酔科外来を行っているとご質問をいただくことがあります。無痛分娩の説明で『赤ちゃんへの影響はほとんどありません』という説明の『ほとんど』とは少しは影響があるのでしょうかというご質問をいただきました。確かに『ほとんど』というのは影響がある可能性もゼロではないと不安に感じてしまうかもしれません。今回はこの内容について2回に分けてご説明します。
他の施設のホームページも調べて、同じような記載があったので、どうなのかということで、この方は質問されました。少しでも赤ちゃんに影響があるのであれば控えたほうがいいのだろうかと思われる方もいらっしゃるのは当然と思います。私も同じ気持ちです。
まずお母さんと赤ちゃんは胎盤、臍帯で繋がっています。心臓から出た血液は大動脈を通り、その途中のいくつかの分岐を経て子宮動脈となり、胎盤に血液が供給されます。胎盤にはフィルターがあり、フィルターの目より大きいものは通過できません(どれくらい通過するかを胎盤移行性といいます)。また小さくてもフィルターの効果で胎盤を通過する全ての薬剤が赤ちゃんに行くこともありません。しかし赤ちゃんにわずかですが、薬は流れます。この少しの程度によって、赤ちゃんに影響が出ることがあります。薬の量が多くなれば赤ちゃんに影響が出る可能性が高まるので、投与量を少なくし、赤ちゃんに影響が出ないようにします。(つづく)

第一回日本周産期麻酔科学会に参加してきました(後編)

2022年04月04日

大阪大学コンベンションセンターは大阪大学の敷地内にあります。初めて大阪大学を訪れましたが、敷地が広くて驚きました。大学の隣にある万博記念公園も大きいのですが(時間がなくて寄れませんでしたが、コロナが落ち着いたら行ってみたいです)、大阪大学吹田キャンパスも大きい。3会場で発表が行われており、これから無痛分娩を行う施設、もうすでに行っている施設など様々な医師の方々が学ばれておりました。
コロナ禍の産科麻酔、帝王切開の管理、無痛分娩の導入など様々なテーマに沿って公演が行われました。
今後無痛分娩への麻酔科医のかかわりが重要視されます。当クリニックも安全性に十分配慮し、痛みを取り除いていきます。

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