2022年06月23日
2020年の帝王切開率は病院27.4%、診療所14.7%、全体では21.6%となっていました。
病院のほうが帝王切開率が高いのは病院のほうがハイリスク患者が多く集まるため、帝王切開になりやすい妊婦さんが病院に多く集まる傾向にあるためと考えられます。
海外の帝王切開率は2014~2016年の調査によると、当時日本の帝王切開率19.4%に対し、英国25.5(2012年)、米国32.3%(2008)、フランス20.4%(2016)(平成29年厚生労働研究事業より)となっており、日本の帝王切開率は低いと言えます。ちなみにブラジル、中国の帝王切開率50%前後と言われており、最も帝王切開率の高い国と考えられます。
年々、本邦の帝王切開率は上昇しており、ハイリスク妊娠、出産などで帝王切開の適応が高まっている可能性があります。
ちなみに帝王切開実施病院は病院93.6%、診療所86.1%、全体では89.7%でした。
2021年11月08日
2021年09月27日
先週は新型コロナウイルスが蔓延している状況での無痛分娩への影響をお話ししました。
今回は新型コロナに罹患している妊婦さんが帝王切開となった場合はどのような麻酔になるかをお話しします。
帝王切開となった場合は、全身麻酔ではなく、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔が選択されることが多くなります。つまりは感染していない場合と同じ麻酔方法ということです。全身麻酔には全身麻酔のリスクがある上に、全身麻酔のほうが、エアロゾル発生のリスクも懸念されるためです。
しかし状況によっては全身麻酔を選択する場合もあります。例えば肺炎の進行が早く、もともと挿管されている場合、挿管管理するほうがメリットが高い場合などは全身麻酔が選択されます。
麻酔方法に関してはそれぞれの施設の状況やスタッフの考えによると思うので、各施設でしっかり話を聞くことが大切です。
※東京マザーズクリニックに通院されている妊婦さんが感染してしまった場合は、感染が改善されるまでは専門機関で加療していただくことになります。
2021年04月26日
当院の帝王切開の麻酔は、術中はもちろん痛みはありませんし、術後もできるだけ痛みを取り、傷の痛みをなるべく感じないで産後を過ごせるようにします。完全無痛分娩と謳っておりますので、帝王切開術後も痛みに関しては徹底して対応していきます。
産後の痛みがある問題点として
①痛みにより気分が抑うつ的になる
②痛みにより母乳の回数が減る
③痛みにより歩かなくなると深部静脈血栓症のリスクが高まる
④慢性疼痛の可能性
があります。
当院での帝王切開術後鎮痛は硬膜外鎮痛+内服を行ったうえで、それでも痛みがある場合は追加で注射、内服、座薬などの鎮痛薬を処方いたします。これらの薬剤は重複するものではないため、服用するほど副作用が強くなるというものではありませんので、我慢せずに使用できます。
特に硬膜外鎮痛は陣痛の痛みを取り除くほど痛み止めとして効果があるわけですので、効かないわけはありません。まったく痛みがないわけではありませんが、「帝王切開は手術のあと、痛いだろうな…」と強く不安にならないように、対応させていただきます。
2021年02月15日
当院では予定帝王切開を行う妊婦様を対象として、外来で帝王切開の麻酔方法についてのご説明をさせていただいております。
帝王切開の麻酔方法をご説明すると同時に問診や、診察を行い、事前に何かリスクがあるかどうかを評価させていただきます。ほとんどのかたは問題なく帝王切開を受けられますので、ご心配なさらないでください。
例えば以前に脊椎の手術や病気がある場合、予定している麻酔方法を変更する必要があるかもしれません。
薬剤にアレルギー反応がある場合は、その薬剤の使用を避ける必要があります。
帝王切開中は不安や緊張が強く、どうしても寝ていたいというご希望があればその内容に沿えるようにいたします。
帝王切開や麻酔方法に関して、何かご不明な点や不安なことがありましたらお申し付けください。