2023年01月21日
Amazon Audibleでは、本の先行として2022年12月16日、23日からそれぞれ『武器になる教養30min.by幻冬舎新書』というポッドキャストでの配信が決まりました。ご興味がありましたらこちらも是非聞いてみてください。内容は前回お知らせした『とれない痛みはない』(幻冬舎)の本の宣伝を兼ねたもので、本の内容の告知や私自身についてお話しします。
こちらのポッドキャストは放送から約1年経過し、好評で継続が決まったそうです。
赤坂にあるスタジオでの収録は緊張しましたが、とても楽しかったです。
前半は真面目に痛みのことを語っていますが、後半は編集者の方と私の普段の様子や、本の制作に関する内容をお話で、私の趣味のお話も出てきてしまい、完成が楽しみです。
私もこれを機会にAmazon Audibleの会員になり、通勤時に聴くようになりました。
是非こちらも聴いてみてください。
2023年01月05日
今回は11月30日に発売となった『とれない痛みはない』の中から、出産の痛みに関する、薬剤を用いない痛み緩和法を取り上げたいと思います。
自然分娩で陣痛で苦しんでいるときに、腰をさすることがあります。腰をさすることで陣痛の痛みが緩和されるからですが、これは『気のせい』や『気持ちの問題』などではなく、実際に痛みが減る現象で、なぜ痛みが減るのかについてご紹介します。
子宮収縮による痛みの信号は、子宮から脊髄を通り、脳に信号が届き痛みと感じますが、実は脊髄には痛みの信号が通る道に門があり、ある条件を満たすとこの門が閉じることで、痛みの信号が通りにくくなる現象が起きます。この現象を『ゲートコントロール理論』と呼び、ある条件とはさするなどの刺激です。例えば、肩や胸をさすってもダメで、腰をさすることが重要になります。至急の痛みの信号が通る神経と同じ走行なのが腰の神経だからです。
昔から『手当て』というように傷を治す意味のこの言葉にも手を当てるという表現が使われますし、日常でもお腹が痛くなれば、お腹に手を当てますし、痛み場所に手を置く行為は我々が知らないうちに身につけた習慣と言っていいでしょう。
『とれない痛みはない』にはこのような痛みに関する知識が数多く収録してありますので、現時点で痛みがある方だけでなく、将来に対する痛みの不安解消にも役立ちますし、日本人の2人に1人はかかるというがんの痛みについても記載してあります。
是非、読んでいただけると嬉しいです。
2022年12月20日
皆様にご報告があります。
私、柏木邦友が11月30日に幻冬舎さまから本を出版させていただきました。
タイトルは『とれない痛みはない』です。
お近くの書店で購入は可能ですし、Amazonでは電子書籍でもご覧になれます。
また来年2月にはAmazon Audibleで聴くこともできます。もし普段なかなか本を読まれる習慣がない方でも耳から聴いていただくこともできます。
第1章「痛み」とは何か
第2章頭痛、腹痛、肩こり、腰痛、関節痛は、こうして治す
第3章終末期の痛みや苦しみはとり除ける
第4章手術時の麻酔は本当に安全なのか
第5章痛くない「出産」が日本で広がらない理由
第6章痛みに困ったとき、どうやって病院を探すか
次回は少しだけ内容を具体的にご紹介したいと思います。
2022年12月12日
前回に引き続きまして、無痛分娩の地域格差についてお話ししたいと思います。
私は週に1回静岡県で無痛分娩をしており、無痛分娩を始めて2~3年ほど経過しました。当初は無痛分娩率4%でしたが、今年9月現在36%まで増加(2022年10月28日静岡新聞掲載)し、まだ増え続けていることを実感しています。静岡県は横長の県で、西は浜松医大や聖隷浜松病院(JALA未掲載)が無痛分娩をしており、他個人病院が2つJALAでは掲載されていますが、そのほかは掲載されておりません。同じ県でもこのように地域格差があります。
一方東京都はJALA掲載だけで御覧の通り、無痛分娩を希望する場合でも選択肢がいくつか出てきます。
そのため、無痛分娩でも和痛であったり、完全無痛であったり、麻酔科医がいるかどうか、24時間やっているかどうかなども選択が可能となります。
当院の無痛分娩の特徴は完全無痛分娩、麻酔科医がおり、24時間対応しておりますので、選択肢の一つにしていただければありがたいです。
2022年12月06日
都会と地方とで無痛分娩率に違いはあるのかという本邦での調査は私が調べた範囲ではありませんでした。私は現在東京マザーズクリニック以外にも静岡県や千葉県でも無痛分娩を行っており、地方での無痛分娩の現状について触れてみたいと思います。
まず以前お伝えした『全国無痛分娩施設検索』で全国を調べてみると以下のものでした(2022年10月28日現在、わかりやすくするため、北海道と沖縄がはいってなくてすいません)。
御覧の通り、東京、名古屋、大阪では無痛分娩ができる施設は集まっていますが、そのほかの地域では『全国無痛分娩施設検索』に登録されている無痛分娩ができる施設はあまりありません。また、地方でも県庁所在地など都市部に集中しており、無痛分娩を受けたくても近くに施設がないことや、24時間無痛分娩を行っていないために夜間の出産で無痛分娩ができなかったということが地方では起こりやすいことが予想されます。
医師、医療の偏在化が要因と考えられ、当院でも『絶対に無痛分娩で生みたいから』という理由で遠方にお住まいの方がわざわざ当院で出産される方もいらっしゃるほどです。今後、無痛分娩の地域格差が解消していくことを願っております。